京都大原の三千院は、代々皇子・皇族が住職を務めてきた門跡寺院です。四季の豊かさを感じられる聚碧園・有清園、格式高い宸殿・客殿、そして国宝を安置した重要文化財の往生極楽院など京都ならではの美を堪能できます。
庭園は紅葉スポットとしてもおすすめ!そんな三千院の魅力を、アクセス・駐車場情報も含め紹介します。
※この記事は2023年7月19日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
三千院とは
三千院とは、京都・大原に位置する天台宗の寺院です。その起源は8世紀、最澄が比叡山延暦寺を建立の際、梨の木の下に結んだ庵が始まりと伝えられています。平安後期には皇族が入寺するようになり、その後も皇族が住職を務めました。
明治維新の後、京都市街地から大原に移り、「三千院」と名付けられました。その由来は、「一念三千(いちねんさんぜん)」という天台宗の教えから。心のわずかな働き(一念)の中にも、この世のあらゆる要素(三千)が備わっている、という意味です。
それ以前も、円融房(えんゆうぼう)、梨本坊(なしもとぼう)、梨本門跡(なしもともんぜき)、梶井宮(かじいみや)と移転の度に名前を変えて現在に至ります。
移転を繰り返しながら、1200年もの時を刻み続けている歴史的な寺院です。
三千院の魅力1:四季を楽しめるふたつの庭園
京都市指定名勝となっているふたつの庭園、池泉観賞式庭園の「聚碧園(しゅうへきえん)」と池泉回遊式庭園の「有清園(ゆうせいえん)」。春は山桜とシャクナゲ、初夏はアジサイ、秋には紅葉、そして冬の雪化粧と四季を通じて美しい景観を楽しめます。
「聚碧園」
江戸初期の武将であり茶人でもあった金森宗和が修築したと伝えられています。苔むした一面の緑と、丸く刈り込まれたサツキが印象的。隣接する書院の縁側で、庭を眺めながら抹茶をいただけます!
「有清園」
一面苔に覆われた庭には杉やヒノキが立ち並び、池には滝の水が流れ込みます。木々の合間から眺める「往生極楽院」の姿は三千院のシンボルです。
三千院の魅力2:貴重な寺宝
三千院といえば、重要文化財の往生極楽院に安置された国宝・阿弥陀三尊像が有名です。この世の極楽浄土を表現するため、天井には極彩色の天井画が描かれています。
現在、往生極楽院の天井画は肉眼では見えにくくなっていますが、宝物館である円融蔵(えんにゅうぞう)にて忠実に再現した復元画を見ることができます。当時の顔料で描かれた極彩色の天女や菩薩の姿は極楽浄土そのもの!
その他、仏教・国文・国史や、皇室の記録、中古・中世・近世にわたって書写・収集された文書、襖絵等、貴重な品々が多数保存されています。常設展の他、特別展が企画されることもあるので事前に確認を。
三千院の魅力3:いたるところで見られるわらべ地蔵
彫刻家の杉村孝さんが手掛けた小さくて可愛らしいお地蔵さん「わらべ地蔵」。それぞれ絶妙に表情が異なるので、散策がてら以下の場所を探して、お気に入りの一体を見つけてみるのもおすすめです。
「往生極楽院」前の苔が広がる場所
「有清園」と「往生極楽院」を進むと一面の苔が見えてきます。ここには、いくつものお地蔵さんが並んでいます!
「往生極楽院」東側斜面
斜面なのでやや遠く見えにくいのですが、ちょこんと立つ可愛い姿を確認できます。
律川沿い
三千院の横を流れる川・律川(りつせん)を渡ると、石の上に小さなお地蔵さんが!川沿いを登ったところにも微笑ましい姿で佇んでいます。
すっかり苔で覆われた「わらべ地蔵」ですが歴史はまだ浅く、平成になってから置かれたそう。
三千院の見どころ
ここからは、三千院の参拝ルートに沿って、各所の見どころを解説します。
ゆっくり回っても所要時間は1時間程度。歴史と自然の美しさを感じながら、じっくりと散策してください。
【御殿門】風格ある石垣に囲まれた玄関口
御殿門(ごてんもん)は、三千院の玄関口。石垣に囲まれた門の前に立つと、その風格に思いを馳せることができ、参拝への期待が高まります。
【聚碧園】自然の美しさを茶席から堪能できる庭園
御殿門を抜けた左手で拝観受付をして、すぐ目の前の客殿へ。畳が敷かれた書院で、要人をもてなすのにふさわしい落ち着いた雰囲気が漂います。
この客殿から見られる庭園が聚碧園です。庭園に面した赤いじゅうたんの茶席に腰を落ち着けて、美しい緑をゆっくりと堪能してください。
【有清園】季節ごとの美景が魅力の庭園
聚碧園に続いて、三千院が誇る庭園・有清園を見に行きましょう。客殿から渡り廊下を抜けたところにある宸殿(しんでん)から、有清園を眺めることができます。
青々とした苔や秋の紅葉など、季節感ある庭園の情景を楽しんでください。
【重要文化財:往生極楽院】国宝も安置されているお堂
宸殿を背にして有清園を進むと、重要文化財に指定されている往生極楽院が見えてきます。木立の中にひっそりと佇む小さなお堂ですが、中には国宝の阿弥陀三尊像が祀られている貴重な場所。
中央に坐す阿弥陀如来坐像は存在感があり、金色に輝く姿で美しく佇んでいます。
【わらべ地蔵・弁財天】可愛いお地蔵さんと幸福の女神像
国宝・阿弥陀三尊像の後も見どころは満載。先ほど紹介したわらべ地蔵を探しながら、弁財天像を見に行きましょう。
往生極楽院から左手前方に歩を進めると、七福神のひとつ・弁財天が。この琵琶を奏でる女神は、幸福・財宝を授けてくれるとされています。
【金色不動堂】金色の御朱印をいただくことができるお堂
弁財天像の先にはあじさい苑が見えてきます。そこからさらに進むと、護摩祈祷(ごまきとう/供物を火で焚き上げることで加護を願う法要)が行われる金色不動堂に到着。
金色不動明王は、毎年4月の不動大祭と、秋のもみじまつり期間中(毎年10月28日~11月28日)に御開扉されます。期間中と、金色不動明王の御縁日である毎月28日には、金色で「金色不動尊」と書かれた御朱印をいただくことができます。
【円融蔵】多くの文化財が見られる宝物館
金色不動堂を出たら、入り口の御殿門方面へ戻り、重要文化財を収蔵している円融蔵(えんにゅうぞう)へ。
極楽浄土を描いた天井画をはじめ、三千院開山以来の寺宝が展示されているので、参拝の最後に立ち寄ってその歴史を感じてください。
6種類の手書き御朱印をいただこう
三千院では6種類もの御朱印をいただけます!
御朱印の授与所は3カ所。金色不動堂、観音堂、円融蔵それぞれで扱う御朱印が異なります。
また、金色不動明王の御開帳時、毎月28日には金字で「金色不動尊」と書かれた限定御朱印がいただけるので要チェック。
志納料
限定御朱印は500円、それ以外は300円です。
三千院の客殿で写径もおすすめ
「客殿」では写経を体験できます。般若心経一巻を写経してるうちに心が落ち着いていくのを実感できますよ♪
写経の手順
奉納料と引き換えに写経用紙と奉納経朱印授与引換券をいただきます。
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お手本の上に薄い和紙の写経用紙を敷き、筆または筆ペンでお手本をなぞって書き進めます。久しぶりの筆文字に自信が無くても安心。もちろん、お手本を見ながら書いてもOKです!
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写経が終わったら、最後に願い事、日付、名前を書き完成。書き終えたお経はご本尊に奉納されます。
↓
奉納経朱印授与引換券を円融蔵の授与所に提出すると御朱印をいただけます。
受付方法
拝観受付にて申し込み
奉納料
奉納一巻1000円
所要時間
60分
三千院へのアクセス方法
電車・バスでのアクセス
・地下鉄烏丸線「京都駅」~地下鉄烏丸線「国際会館駅」(約20分)→京都バス19系統「大原バス停」下車(約22分)→徒歩10分
・JR「京都駅」→京都バス17系統「大原バス停」下車(約60分)→徒歩10分
車でのアクセス
・東京から東名高速道路経由で6時間20分
・大阪から名神高速道路経由で1時間30分
・名古屋から名古屋神戸線経由で2時間10分
[住所]京都府京都市左京区大原来迎院町540
[参拝時間]【3月~10月】9時~17時【11月】8時30分~17時【12月~2月】9時~16時30分
[定休日]なし
[料金]拝観料大人700円、中学生・高校生400円、小学生150円
[駐車場]なし(近隣に提携駐車場あり)
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