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2020.07.19

散歩しながら出会える「夏の野鳥」5選。公園や街で野鳥を楽しもう

リモートワークでPCとにらめっこしている方も多い昨今。ほんのちょっと外に意識を向けてみると、楽しい鳥の世界が垣間見えるかもしれません。

東京などでも、身近で目にすることができる野鳥5種類を、公益財団法人日本野鳥の会の常務理事・上原健(たかし)さんに教えてもらいました。

よく見かけるあの鳥から、なじみのない鳥まで。まずは身近にいるというこの5種類を、探してみませんか。

記事配信:じゃらんニュース

はじめに

◆注意点◆
鳥を探すのに夢中になりすぎて私有地に入ったり、民家やマンションの方に双眼鏡を向けたりするとトラブルの元になります。基本的なマナーに気を付けて、野鳥観察を楽しむようにしましょう。

◆よく見る「ものさし鳥」と比べてみることから始めよう。
野鳥を見分けるとき、身近でよく見る鳥と比べて大きさの見当をつけるのがポイントです。「ものさし鳥」は、スズメ(全長14cmくらい)、ムクドリ(同24cmくらい)、ハト(同33cmくらい)、カラス(同56cmくらい)。

では、ご紹介していきます。

ヒヨドリ

【夏の野鳥観察特集】超初心者でも見つけられる野鳥
【夏の野鳥観察特集】超初心者でも見つけられる野鳥
ヒヨドリ

◆鳥の特徴:ムクドリと同じくらいの大きさ。灰色を基調とした羽。
◆見られる場所:住宅街や公園など。

「実は、気がつけばいつでもいる鳥です。一番親しみやすい鳥ではないでしょうか」と上原さん。木や電線に鳥がいたら目を向けてみてください。

ヒヨドリは、灰色を基調とした羽で、ほっぺの部分が赤茶色なのが特徴です。
シルエットが細長く、スマートです。「ヒーヨ、ヒーヨ」と甲高い声で鳴くので、気がつきやすいですよ。一年中見られます。

コゲラ

【夏の野鳥観察特集】超初心者でも見つけられる野鳥
コゲラはこのように木の幹に垂直に止まります
【夏の野鳥観察特集】超初心者でも見つけられる野鳥
コゲラ

◆鳥の特徴:スズメと同じくらいの大きさ。木の幹に垂直にとまる。
◆見られる場所:公園など木のある場所なら都市部でも見られる。

鳥の名前に「ケラ」とつくのはキツツキの仲間。コゲラは、「小柄なキツツキ」という名前の通り、日本のキツツキ類の中では最も小さい鳥です。季節に関係なく、一年中見られます。

樹皮の下に潜むクモなどの虫を餌にしているので、木のある場所で見られるそう。「ギー」という濁った声で鳴くので、「一度覚えてしまえば、声だけで気づくことができますよ」と上原さん。コンコンコンという木をつつく音で気がつくこともあるとか。

カイツブリ

【夏の野鳥観察特集】超初心者でも見つけられる野鳥
【夏の野鳥観察特集】超初心者でも見つけられる野鳥
カイツブリ

◆鳥の特徴:小型の水鳥。尖ったくちばしが特徴。
◆見られる場所:池がある公園など。

日本には昔からいる水鳥です。俳句の季語「鳰の浮巣」の「鳰(にお)」はカイツブリのこと。水面に浮くように巣をつくります。

カモとの違いは、尖ったくちばしと、胴体の下部のふわふした羽。潜るのがとても上手で、主食は魚です。足を見る機会は少ないかもしれませんが、カモのような水かきは持っておらず、木の葉のような足指で、水を上手にかいて泳ぎます。

「水面を走るような形で飛び立ちます。水の上にふわふわしたカモより小さい鳥が浮かんでいるなぁと思ったらすぐに潜る。それがカイツブリの特徴です」と上原さん。

カワセミ

【夏の野鳥観察特集】超初心者でも見つけられる野鳥
【夏の野鳥観察特集】超初心者でも見つけられる野鳥
カワセミ

◆鳥の特徴:スズメと同じくらいの大きさだが、くちばしが長い。青い背中、オレンジ色のおなかが特徴。
◆見られる場所:池のある公園や、小さな魚がいる川など。

カワセミは、昔は「幻の鳥」ともよばれるくらい減ったこともありましたが、環境の改善により「今はあちこちの水辺で見られる」そうです。

美しい羽根の色も魅力の一つ。全長はスズメと同じくらいですが、体の大きさからするとくちばしが長く、プロポーションがよいのが特徴です。

「ピー」「キキキー」など壊れたブレーキのような鳴き声なので、探す前に動画などで予習すると見つけやすいかもしれません。「水辺で鳥を撮影しているカメラマンさんがいたら、カワセミを撮っていることが多いです。声をかけてみると、喜んで教えてくれると思いますよ」と上原さん。

コチドリ

【夏の野鳥観察特集】超初心者でも見つけられる野鳥
コチドリ

◆鳥の特徴:スズメくらいの大きさで、黄色い足。目のまわりに黄色い輪がある。
◆見られる場所:干潟や河原、浜辺の開けたところ

3月終わりから9月ごろまで見られる夏鳥です。東京湾岸などへ、ちょっと足を伸ばせば見られますよ。「千鳥足」の語源となったチドリ。ひらけた水辺で、餌をついばんでは方向を変え、ちょこちょこと歩く姿が見られます。

「双眼鏡があれば、肉眼だと分かりづらい目のまわりにある黄色い輪などの特徴もはっきり見えます。鳥の姿が大きく見えると感動しますよ」と上原さん。「双眼鏡は必須ではないけれど、あったほうがより楽しめます」とアドバイスしてくれました。

取材協力:公益財団法人 日本野鳥の会
https://www.wbsj.org/

◆気になる鳥がわかる小冊子「おさんぽ鳥図鑑」が無料でもらえる

身近な場所で見られる野鳥24種のイラストと解説をまとめたミニ野鳥図鑑が、無料でもらえます!散歩中に「よく見かけるけど、なんていう鳥だろう?」と思ったことはありませんか?調べようと思っても日本の野鳥は約600種。その中から見つけるのは大変です。

「おさんぽ鳥図鑑」は、これからバードウォッチングを始める方向けに身近で見られる野鳥、約24種類をからだの大きさごとに分けて紹介した小冊子(全24頁)。日本野鳥の会が無料で配布中です。「おさんぽ鳥図鑑」を片手に出掛けみませんか。また、掲載されている野鳥の鳴き声も、聞くことができますよ!チェックしてみてくださいね。

詳細はこちらをチェック

まとめ

日本野鳥の会の上原健さんに、都内でも見られる鳥を5種類ご紹介してもらいました!

「散歩や通勤中、またはお子さんを連れて公園に行ったとき、少しだけ意識して、鳥を見てみてください」と上原さんは話します。「最初からばっちりみられるわけではないですが、声や気配から、そこに鳥がいることに気づいてもらえたら」

野鳥が見られる公園などでは、双眼鏡の貸し出しがありますが、コロナウイルスの影響で制限されている可能性もあるそうです。また、日本野鳥の会で開催している、詳しい方に話を聞ける探鳥会なども自粛中で、少しずつ再開を模索しているといいます。

バードウォッチングというとちょっとハードルが高いけど……まずは、身近にいる鳥の鳴き声に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。いつか探鳥会などが再スタートしたとき、楽しみが広がっているといいですね!

※この記事は2020年7月時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性がありますので、事前に公式ホームページなどで最新の情報をご確認ください。
※お出かけの際は、お住まいやお出かけされる都道府県の要請をご確認の上、マスクの着用、手洗いの徹底、ソーシャルディスタンスの徹底などにご協力ください。

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