NHK連続テレビ小説「ブギウギ」の第125話が28日、放送され、作曲家・羽鳥善一(草なぎ剛)が主人公・福来スズ子(趣里)にこれまでの感謝を述べるシーンがあり、SNSにはこの場面に胸を打たれるとの投稿が数多く寄せられた。
戦後の大スターで「ブギの女王」として人気を博した歌手、笠置シヅ子さんをモデルに、趣里演じる福来スズ子が多くの困難を乗り越えて歌手の道を突き進み、人々に勇気と希望を与えていく姿を描く朝ドラ「ブギウギ」。本編は29日に最終回を迎える。
ドラマは第26週「世紀のうた 心のうた」(第122~126話)が放送中で、スズ子は恩師、善一に引退を報告したが、今まで歌ってきた歌を葬り去るのと同じで、君は死ぬまで歌手なんだと猛反対され、それでも引退するなら絶縁するとまで言われてしまう。その後、話し合うこともできずに引退会見を行ったスズ子は、記者の前で善一にこれまでの感謝を述べた。
この日の放送では、きちんと話をしない状況を見かねた善一の妻・麻里(市川実和子)は「今までたっぷりスズ子さんに楽しませてもらってきたんだから、そのお礼はちゃんと伝えた方がよくってよ」と善一に注意。その頃、スズ子も先輩歌手、茨田りつ子(菊地凛子)に善一との関係を相談するが、直接話し合うべきだと忠告された。
意を決して、羽鳥家に向かおうとスズ子が家を出ると門扉の前に善一が立っていた。屋内に場所を移し、スズ子に向き合った善一は「君との新曲がないだけで世間は僕をスランプだと言う。君が女優業に邁進すれば羽鳥善一は捨てられたなんて書かれる」とスズ子がいなくなることに恐怖を感じたと話し、「中でも一番耐えられなかったのはブギイコール福来スズ子になってしまったことなんだ。僕はいつしか君に嫉妬していたんです」と告白。相談もなく引退を決められたことに激しく動揺し、絶縁を宣言したことを謝罪した。そのうえでもっと一緒に歌を紡いでいきたかったとし「君が歌ってくれなければ、ブギはここまではやらなかったんだからね。羽鳥善一という作曲家をつくってくれたのは紛れもなく君です。深く感謝します」と深々と頭を下げた。