スマホ通信費0円、一定期間維持する方法 楽天モバイルからの移行先は?
楽天モバイルが7月から提供の新プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」で基本料0円を取りやめ、月額最低料金を1078円に引き上げる。7月以降もスマホ通信費0円を維持するための乗り換え先としてベストな選択肢はあるのか。乗り換えた後の注意点もあわせて紹介する。
本誌既報の通り、楽天モバイルが5月13日に、7月から提供の新プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」で基本料0円を取りやめ、月額最低料金を1078円に引き上げると発表した。7月以降もスマホ通信費0円を維持するための乗り換え先としてMNO2社のオンライン専用プランを挙げたい。記事内は全て税込み。
povo 2.0
まず1つ目がKDDIの「povo2.0」だ。こちらは毎月の基本料金は0円で、必要に応じてトッピングを追加すれば、高速通信や音声通話のかけ放題などが行えるのが特徴。つまり、ベースプランを契約した上で、1GB〜150GBのデータ通信、データ使い放題、通話かけ放題などのオプションをトッピングとして選択できる。
データトッピングの料金は次の通り。
- 1GB/7日間:390円
- 3GB/30日間:990円
- 20GB/30日間:2700円
- 60GB/90日間:6490円
- 150GB/180日間:1万2980円
- データ使い放題24時間/1日:330円
データトッピング購入なしでも128kbpsの低速通信が可能だが、データトッピングの購入後、各期間内に使い切れなかったデータ容量は、期限を過ぎると無効となる。なので、事前にその月、あるいはその日にどの程度、通信するのかをチェックしておくと、自分に合うデータトッピングを見つけやすいだろう。
通話トッピングは、「5分以内かけ放題」が月額550円、「通話かけ放題」が月額1650円となる。この2つを追加せずに発信した場合と、5分以内かけ放題を追加し5分を超過した場合は、30秒当たり22円の追加料金が発生する。また、0570、0180などの他社接続サービスや104の番号案内など、一部の電話番号はかけ放題の対象外となるので注意しよう。とはいえ、よく音声通話を使う人には、こちらの通話トッピングを勧めたい。
毎月の基本料金は0円で、トッピングが用意されているpovo2.0だが、180日間以上、660円を超える通話発信やSMS送信を利用しなかったり、トッピングの購入がなかったりすると、利用停止や契約解除になる場合があるので注意したい。
LINEMO
一定期間なら0円を維持できるもう1つの料金プランは、ソフトバンクの「LINEMO」の「ミニプラン」だ。
5月20日にスタートした「ミニプラン基本料半年間実質無料キャンペーン」を適用すれば、半年間は毎月3GBを“実質タダ”で使える。期間中(5月20日〜終了日未定)にミニプランを新規契約、またはMNPで契約すると、最大6カ月に渡りPayPayポイント990円相当が付与される。
だた、キャンペーンの文言にもある通り、毎月の通信費が一切かからないというわけではなく、いったんは通信費が発生するものの、その分がキャンペーン特典として還元されるようなイメージだ。キャンペーンの対象となるプランはミニプランのみで、20GBで月額2728円の「スマホプラン」、ソフトバンク/Y!mobile/LINEモバイルからの乗り換えは対象外。
毎月のデータ通信量が3GB以内で済むなら、LINEMOのキャンペーンは魅力的だ。
また、1回5分以内の国内通話が何度でも定額で使える「通話準定額」(月額550円)は、LINEMO契約から1年後まで無料となり、国内における通話時間・回数ともに無制限の「通話定額」(月額1650円)は、LINEMO契約から1年後まで月額1100円に割り引かれる、終了日未定の「通話オプション割引キャンペーン」も見逃せない。
なお、通話オプション未加入で発信した場合と、通話準定額に加入後、1回当たり5分を超過した場合は、30秒当たり22円の追加料金が発生する。また、ナビダイヤルなど、一部の電話番号はかけ放題の対象外となる。
楽天モバイルからの移行は慎重に
ここまでお伝えしたように、楽天モバイルの0円終了後も、一定期間は実質0円を維持できる大手キャリアのオンライン料金プランというくくりなら、povo 2.0かLINEMOかの二者択一となる。
SNSを見てみると、楽天モバイルが0円終了を発表した直後から、他社への移行を希望する声が多く、povoをはじめとする他のサービスに申し込みが集中して、本人確認やSIMの配送が遅延するという事態が起きている。
とはいえ、楽天モバイルも6月1日からは、楽天市場での買い物で最大6倍の楽天ポイントを付与したり、楽天マガジンを31日無料とし、無料期間以降は毎月30%のポイントを還元したりするなど、楽天グループ内でのサービス連携を強めていく方向性を示している。
0円終了で騒がれている料金についても、「Rakuten UN-LIMIT VI」のユーザーは7月1日から、Rakuten UN-LIMIT VIIに自動移行となるものの、実際のデータ使用量が1GB以下となった場合、10月31日までは楽天ポイントが還元され、実質Rakuten UN-LIMIT VIと同様の料金を適用できる。
これまで楽天モバイルで“スマホ通信費0円”を維持し続けてきたユーザーにとって、別の選択を迫られる機会となっているが、焦って解約せずに自分に合ったプランを見極めるのはいかがだろうか。
関連記事
- 楽天モバイル「0円廃止」の影響で各社の申し込み状況は? キャリアとMVNOに確認【更新】
楽天モバイルが7月1日から新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」を発表したことで、各社の申し込み状況に大きな影響を及ぼしている。povoやIIJmioの他にも申し込みが集中しているサービスはあるのか。低容量プランを提供しているサービスを中心に確認した。 - 楽天モバイルが新プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」発表 月額0円は撤廃、7月から自動移行
楽天モバイルが、新たな料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」を7月1日から提供する。現在提供している「Rakuten UN-LIMIT VI」では1GBまでは0円としているが、これを撤廃。最低料金を値上げした代わりに、楽天グループとのサービス連携を強化する。 - 楽天モバイルがau 4G LTEエリア向け「データチャージ」を1GB当たり660円に値上げ 7月1日から
新プランへの移行に合わせて、楽天モバイルがau 4G LTEエリア向けの「データチャージ」の料金を1GB当たり550円から660円に値上げする。海外エリア用のデータチャージの料金に変更はない。 - povo2.0、月額0円の条件は180日以内に「トッピングの購入」か「660円を超える課金」
auのオンライン専用プラン「povo」は基本料金を0円とし、データ通信や通話定額は必要に応じて「トッピング」という形で購入する。ただし、180日間以上有料トッピングの購入などがない場合、利用停止または契約解除となる場合がある。その条件は「最後に購入した有料トッピングの有効期限の翌日から180日間、有料トッピングの購入がない場合」となる。 - LINEMO、月額990円のミニプランを6カ月間実質無料に MNP申込数が2.6倍に急増
LINEMOは、5月20日に「ミニプラン基本料半年間実質無料キャンペーン」を開始。ミニプランを新しい番号、またはMNPで契約するとPayPayポイント990円相当を付与し、最大6カ月間の月額利用料が実質無料となる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.