この記事は2018/07/31に書いたものです。
だめだ！ウルトラマンは強い！
概要
三面怪人ダダとは初代ウルトラマンに登場する宇宙人であり社畜である。
シマウマのような白黒の胴体を持ち、3つの顔面を使い分けることができる。
それ以外にも透明になったり壁をすり抜けたりと多芸である。が、戦闘力は低く素手の地球人にも勝てないレベルである。
「ダー・・・ダー・・・」と唸り声のような物を発しているが同種族同士なら話すこともできるようで劇中では地球に送られたダダが上司と交信している姿も見られた。
登場したのはウルトラマン第28話「人間標本5・6」。
地球に一人のダダが降り立ちミクロ化光線銃という名は体を表す武器を用いて宇宙線研究所の職員達をミクロ化し人間標本として持ち帰ろうとしていた。必要な標本は6体であり4体の確保に成功する。が、ここで偶然にも宇宙線研究所を訪れた科学特捜隊のムラマツキャップと遭遇。キャップとキャップと一緒に研究所を訪れた女性を標本にしようと襲いかかるがことごとく返り討ちにされる。
更にムラマツキャップの報告を受けたハヤタがウルトラマンに変身して研究所に駆けつけてしまう。
ウルトラマン出現に際し上司はウルトラマンの迎撃を指示。その司令通りに立ち向かうもムラマツキャップに敵わないダダがウルトラマンに敵うはずもなく、こちらでもボッコボコにされてしまう。
一時退却し上司に指示を仰ぐダダ。上司から帰ってきた指示はウルトラマンを無視して残りの標本を確保し脱出することであった。
その指示の通りムラマツキャップ達を標本にしようと再度襲いかかるが、あいも変わらずボッコボコにされた挙句ウルトラマンの妨害まで受けることになる。
ミクロ化光線銃でウルトラマンを人間サイズにする抵抗も見せるも、すぐに元の大きさに戻られてしまう。万策つきて姿を消し逃亡を試みるがウルトラマンにあっさり見破られ最後はスペシウム光線で爆★散した。
その容姿や唸り声、能力を使った神出鬼没さ等、非常に不気味な存在でありエピソードもホラーチックなので子供達にとってはトラウマとなる存在である。
が、大人になってから彼の行動を見返してみると
未知の惑星に一人で侵入させられ、訓練を受けた戦闘のプロにボコボコにされ、更には宇宙屈指の強豪である光の巨人と戦う羽目になる。と散々な目にあっている。
自分の限界を悟ってたまらず
ダダ「だめだ！ウルトラマンは強い！無理だよ！」（意訳）
と上司に助けを求めるも上司は
上司「そっか。でもまだ仕事完了してないからさっさと標本集めて帰ってきてね。撤退は許さないよ。」（意訳）
と撤退は許されず、あくまでも任務続行を告げられる。
ボロボロになりながらも任務遂行しようとするが最後は命を散らすことになってしまった。
といった感じで現代社会人にとってはなんか他人事に思えない哀愁を感じる存在である。
ウルトラシリーズにおいて大人になってから見返すと印象が変わるエピソードというのは多いが、まさかこんな形で宇宙人に同情と哀愁を感じることになるとは思わなかっただろう。
この話が作られたのは50年以上前だが、その頃から日本は何も変わっていないのかもしれない。