ウルトラマンの話

怪獣紹介 ギエロン星獣

2017年11月19日

この記事は2017/11/19に書いたものです。

皆さんウルトラマンジード見てますか!
どんどんクライマックスへ向かっていくウルトラマンジード。
今回は11/18に放送されたジード第20話に登場したギエロン星獣をご紹介!
実は49年ぶりの再登場なんですよ。

初登場作品はウルトラセブン第26話「超兵器R1号」。

この話で侵略者に対抗すべく地球防衛軍は星一つを破壊できる文字通りの超兵器「R1号」を開発。

この兵器の存在は侵略者達への抑止力となり、これで侵略者も地球には手出しできなくなるとウルトラ警備隊の面々も歓喜していた。。

だが、1人だけ、ウルトラセブンことモロボシ・ダン隊員だけは浮かない表情をしていた。

ダン「地球を守る為なら何をしてもいいのでしょうか。」

フルハシ隊員「ダン。地球は狙われているんだぞ。」

ダン「侵略者は超兵器に対抗するためにもっと強力な兵器を作りますよ!」

フルハシ隊員「なら、我々はそれよりも強力な兵器を作ればいいじゃないか!」

お互いの意見をぶつけ合うダンとフルハシ。その中でダンは静かに呟く。

ダン「それは・・・血を吐きながら続ける悲しいマラソンですよ・・・。」

一方、地球防衛軍は超兵器の実験(という名の侵略者への見せしめ)として超兵器の運用実験を計画。

その時に選ばれたのが劣悪すぎる環境ゆえに生物が存在しないと思われたギエロン星であった。

実験は見事成功しギエロン星は消滅した。

しかし、ギエロン星のあったところから一つのが出現。影はまっすぐに地球を目指していた。

この影こそが生物が存在しないとされていたギエロン星に住むギエロン星獣であり、R1号が放出した大量の放射線で突然変異を起こし巨大化。

そして故郷を滅ぼされた怒りのままに地球へ復讐に現れたのである。

ウルトラ警備隊の攻撃により一度は爆散したギエロン星獣だったが、驚異の再生能力により復活。消し去るためには超兵器をもう一度撃ち込むしかないと考え出す科学者まで出てくる中、東京へと迫るギエロン星獣。

放射能の塊であるギエロン星獣を市街地に行かせるわけにはいかずダンはやむなくウルトラセブンへと変身。

最後は爆散を防ぐためにアイスラッガーで喉元の頸動脈を切り裂きギエロン星獣を撃破。

その死に様は首から血を撒き散らし苦しみにのたうち回りながら息絶えるという壮絶なものであった。

©円谷プロダクション
引用元:ウルトラセブン第26話 / 「超兵器R1号」

ギエロン星獣の姿を見た地球防衛軍は自分たちの過ちを認め、超兵器計画は凍結されることになる。

しかし・・・

このエピソードは平和を求めすぎた地球人が行き過ぎた力を持ってしまうエピソードであり、ギエロン星獣はその犠牲者となってしまうのです。

強烈すぎるメッセージ性を持つこのエピソードは同じウルトラセブンの「ノンマルトの使者」、初代ウルトラマンの「故郷は地球」、帰ってきたウルトラマンの「怪獣使いと少年」に並ぶ問題作として知られています。

それ故にエピソードの知名度も高く、ギエロン星獣のデザインの格好良さもあってセブンの中では知名度の高い怪獣です。

かつて発売されたスーパーファミコンのゲームにおいても登場し、特殊演出が用意されているという優遇っぷりでもありました。

しかし、原作の重く強烈すぎるメッセージ性故に扱いが難しいのか再登場の機会に全く恵まれていなかったのです(余談ですが上記に挙げた「ノンマルトの使者」、「怪獣使いと少年」は平成の時代になって後日談と言えるエピソードが制作されましたが、双方とも旧来のウルトラファンには不評でした)。

そんな彼(?)に訪れた49年ぶりの出番。果たしてどんな活躍をしてくれるのか。

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以下、悲しい余談。

このギエロン星獣の一件で反省したはずの人類でしたが後のウルトラマンタロウ、ウルトラマンレオの時代で同じ過ちを繰り返してしまうことになります。

そして本筋とは違うパラレルワールドですが平成の時代に作られたOVシリーズ「ウルトラセブン(通称平成セブン)」において、地球防衛軍はフレンドシップ計画なるものを発動させます。

これは、超兵器を用いて侵略者となり得る他の星へ先制攻撃をするというもので、地球が一方的に危険と決めつけた星を滅ぼすという防衛の名を借りた侵略行為を行ってしまうのです(というか、人類がウルトラマンガイアに登場した根源的破滅招来体と等しい存在になってしまったんですね)。

ダンの言う「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」は最悪の終着点を迎えてしまったようです(それでいて、その計画が成果を挙げてしまったのは皮肉であると言わざるをえない)。

しかし、そんな過ちを繰り返す地球人をウルトラ戦士たちは愛し守り続けてくれるのです。

私たち地球人は彼らに愛想を尽かされないよう、彼らに恥じない存在でありたいものですね。

まぁ、横山光輝氏作「マーズ」のような終わり方をするウルトラシリーズというのもそれはそれで見てみたい気もしますが・・・。









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