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本学学生が2023模擬国連人権理事会UPR(普遍的・定期的レビュー)大会で優勝

公開日:2023年9月8日

左から渡部葵さん、大澤彩さん、赤名裕大さん左から渡部葵さん、大澤彩さん、赤名裕大さん

本学教養学部4年の大澤彩さん(おおさわ あや、メジャー:法学、マイナー:開発学)、渡部葵さん(わたなべ あおい、メジャー:国際関係学)、赤名裕大さん(あかな ゆうだい、メジャー:国際関係学、マイナー:経営学)が、8月25日に開催された2023模擬国連人権理事会UPR (普遍的・定期的レビュー)*1大会に出場し、優勝しました。

「建設的対話」を目指すこの大会は、Human Asia、高麗大学校、ICU、香港市立大学、東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラムの共催、国連人権事務局ソウル事務所の後援により、オンラインにて開催されました。本学の松田浩道准教授は審査員の一人を務めました。本学学生の他、香港市立大学、高麗大学校、西南学院大学、東京大学などから約40名の学生が集まり、韓国、北朝鮮、中国、日本における人権問題について、国連人権理事会におけるUPR(普遍的・定期的レビュー)*のシミュレーションが行われました。

*1:UPR(普遍的・定期的レビュー):人権理事会の創設に伴い、国連加盟国(193ヶ国)全ての国の人権状況を普遍的に審査する枠組みとして盛り込まれた制度 参照:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken_r/upr_gai.html 

 

学生のコメント:

大澤彩さん
模擬国連人権理事会UPRは、これまで4年間ICUの学部生として学んできたことを「形にする」機会でした。人権という概念は常に私の興味の核心にありましたが、それを実践的な経験に結びつける機会は限られていました。本大会はまさにそのような環境を提供し、私たちは日本代表として、ジェンダー平等、子どもの権利、障害者の権利という3つのテーマに取り組みました。国会の最前線で議論されているテーマや国際的な論争の焦点になる問題についてのリサーチを重ねる経験は、私の視野を広げ、日本が直面している重要な課題に対する意識を高めました。そしてこの大会の準備過程を通じて「将来のキャリアで何を成し遂げたいのか」という問いに正面から向き合う機会となりました。

最後に、本大会で優勝できたこと、そして大学生活を通して取り組んできた模擬国連や国際法模擬裁判などの活動をこのような形で締めくくれたことに深い感慨を覚えています。最初のきっかけを与え、その後もサポートをし続けて下さった松田教授に心より感謝申し上げます。

渡部葵さん
この大会は国連人権委員会の模擬版なので、私たちは割り当てられた国である日本の政府代表者として発言することが求められます。諸国に比べ遅れを取る分野も少なくない中、日本の人権保護状況について戦略を立てながら弁論することは非常に難しくも楽しく感じました。事前リサーチの成果をひけらかすのではなく、外交を行う者として振る舞い、相手との対話を意識したことが優勝という結果に繋がったのだと思います。

一方で、先述のように日本の人権保護の実態は改善の余地が多いのも事実です。この大会を通じて見えたこの国の改善されるべき点を忘れることなく、今後社会にどう貢献できるかを考え続けられるような人物になりたいと思います。

この機会をくださった松田先生、終始明るく取り組んでくれたチームメイトの二人にこの場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。

赤名裕大さん
この大会で、日本代表として参加する事で、日本の政府機関が少数派(性別、障害者、や子供)に対する人権をどのように確立し、進展してきたかなどを把握することができました。また、日本政府が今後に捉えている課題について深く学べることができました。

ICUが重要視している「人権」という定義はとても重要だと考えている中で、政府や立案者は「人権」を自分たちで定義付け、状況などが把握仕切れていない現状を深く理解しました。そこで少数派の立場の視点から、現状を把握し、それを改善するために、社会に意識を齎す事が、重要で、それを個人で考え、周りの協力を得ながら、日本での状況を改善してゆく重大性を学びました。

交換留学中での模擬国経験を活かし、チームの結束力を借りながら、日本代表として、外交的な対話を他国ととってゆく姿勢は、周りからも評価され、それがチームを勝利に導かせた秘訣だと考えました。更に、チームメンバーながらも、各個人のプレイスタイルで、他の代表者の立場や視点を汲み取って、自身の意見を盛り込んでゆく外交的な対話の姿勢の重要性を学ぶことができ、それが交渉力に繋がったと思いました。

この機会を提供してくださった多くの関係者、や審査員であったICUの教授の松田先生やチームメンバーには心から感謝申し上げます。