ハッスル通信

海川ひとみ特別インタビュー(前編)
「試合中に鼻を骨折してしまいました」

2006年12月12日

 11月某日東京・表参道のDSE事務所にて、11月23日『ハッスル・マニア2006』でデビュー戦を行ったグラビアアイドル・海川ひとみにオフィシャルサイト取材班がインタビューを行いました。試合前日、試合当日のことを振り返る中で、鼻を骨折していたという事実を告白した……。

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――11・23『ハッスル・マニア2006』でのデビュー戦から約1週間たちました。今振り返ってみてどうでしたか?

 もう一週間もたったんだ〜って感じです。昨日のようですね。

――周りの反応はどうでした? 両親や友達とか。

 試合を観に来てくれた両親も、私のことを心配してくれたんですけど、次の日の新聞を見てくれた友達や会場に来てなかった友達からも、「大丈夫?」っていう心配のメールがきました。次の日は結構体にダメージが来ていたんですけど、みんなを心配させないように「大丈夫だよ」ってメールしました。みんなを心配かけないようにでしたが、自分自身が一番心配でした。

――会場には両親が来られていたんですね!

 はい、来て応援してくれたんですけど、「観ていると涙ものだったよ〜」とか言ってました。

――友達も会場に来ていました?

 地元が名古屋なので、あまり来れなかったんですけどPPV(ペイパービュー)や新聞を見てくれた友達から連絡が来て反響が凄かったです。

――応援してくれているファンの反応はどうでしたか?

「複雑だよ〜」「悲しくなっちゃう」って。いっぱいやられたんで、試合前は「勝つために頑張って練習しているから、心配しないでね」って、みんなに安心してもらおうと思っていたんですけど、会場ではボコボコにされちゃったんで、心配かけてしまいました。

――ブログの書き込みはどうでしたか?

 それもありました。2日後に撮影会があったんですけど、お休みしちゃうぐらい体にダメージがあったんで、ファンの方には凄く迷惑をかけちゃいました。

――事務所にメッセージは届きました?

 届いているかもしれないですけど、まだ事務所には、あれから行ってないんです。インターネットでファンが作っているファンサイトに私が書き込みしているんですけど、それで「応援してくれてありがとうね、いっぱい心配かけてごめんね」って書き込みしました。

――試合当日のことを振り返ってもらいます。試合前日は特別なことはしましたか? 神社にお参りに行って願掛けをしたりとか。

 自分ではそういうことをする余裕すらなかったんです。でも温かいファンの方が代わりに行ってくれて、試合前の撮影会とかイベントのときに「お守りだから」っていっぱいいただきました。それを会場まで持っていきました。自分では神社には行ってないですけど、そういう意味では安心できて、心強かったですね。

――何時間前に会場入りしました?

 10時前に会場入りしたんですけど……何時間前になるんですかね。18時ぐらいから自分の試合だったので8時間前ぐらいですね。

――どうでしたか? 自分の試合まで待っている間の心境は。

 ずっとKUSHIDAさんと\(^o^)/チエさんと3人でウォーミングアップしたりとか、「頑張るぞ!」って気合入れたりしていたんですぐに時間がすぎちゃいました。

――自分の出番までの試合は観ていたんですか?

 第1ハッスルのハッスル仮面の試合は観ました。でも第2ハッスル以降は観れませんでした。でも家に帰ってDVDで一通り自分の試合も見ましたよ。
「どうだったんだろう?」って感じで見直しました。

――試合までにどんどん緊張は高まっていったと思います。今までにそういう緊張感を感じたことはありました?

 ここまで緊張したのは正直初めてです。今までに何かのオーディションでは、すぐに緊張していたんですけど、今回は色んな意味でプレッシャーが凄いし、会場に両親も来てて、KUSHIDAさんや\(^o^)/チエさんもいる。自分だけじゃないじゃないですか、私がケガしたら2人に心配かけちゃいますし。あんなにたくさんの人の前で何かをしたこともなかったんで。

――グラビア撮影会とは違う緊張感がありました?

 グラビア撮影会だと顔見知りの方が多いので楽しく話しながらの撮影会になるんです。他のイベントとかでも、1万人を超えるところで何かをしたことがありませんでした。

――そういうプレッシャーには強い方ですか? 弱い方ですか?

 始まる前は凄く緊張しちゃうんですけど、一回人前に出ちゃうと「頑張らなきゃ」っていう思いが強くなります。

――仲間のKUSHIDAさんや\(^o^)/チエさんからはどういったアドバイスをもらいました?

 とりあえず落ち着いていこう、落ち着いていこうって。思いっきりやろうねって。

――作戦はありましたか?

 バボさんは強いので、3人で力を合わせていこうと考えました。1対1だと難しそうなんで、3人で頭脳戦を持ち込みたかったんですけどね……。

――入場の時、声援は聞こえましたか?

 その時はまだ緊張していてわからなかったんです。

――いつものかわいらしい顔とは違って、凛々しいメイクをされていましたが、あれは自分の気持ちの表れですか?

 これから「闘いにいくんだぞ!」って感じでメイクしていただきました。強そうなメイクになって身も引き締まりましたね。

――コスチュームはフリルがあるピンク色でした。あれは自分のイメージ通りのものでしたか?

 かわいくって凄く気に入っちゃいました。

――解説席で見ていたリングと、実際に上がったリングの印象ってどうでした? あんまり変わらなかったですか? 全然違いましたか?

 全然違いました。

――リングに初めて上がって一番覚えているものって何ですか?

 お客さんの顔ですね。私一人一人のお客さんの顔が記憶に残っちゃうんです。リングが凄く明るくお客さんの方は暗かったんですけど、一人一人の顔を全部覚えているんです。

――最初にリング上に上がったのは後楽園ホール(11・15『ハッスル・ハウスvol.21』)でした。横浜アリーナでもそれは変わらないですか?

 変わりません、顔が見えましたね。

――試合展開では、まず組み合わずに、逃げる展開になりました。

 思った以上に迫力が凄くって、ちょっと作戦を立て直そうと思いました。それでリング下に逃げてKUSHIDAさんに助けを求めてしまいましたね。

――リング上のバボは予想していたのとは違いましたか?

 やっぱり違います。前回の後楽園でバボさんに急所蹴りしたから、よっぽど怒らせてしまったようで、手加減なしでしたね。

――髪をつかまれて振り回されるシーンもありました。

 ああいうことはされたことがないです。初体験が多かったですね。

――KUSHIDAと\(^o^)/チエが反撃するも、返り討ちにあってしまいます。どういう思いでコーナーで見ていましたか?

 うずうずしていました。助けたいっていう気持ちもありますし、自分も出たいっていう気持ちもありました。たくさん練習してきたのは、KUSHIDAさんや\(^o^)/チエさんの仕返しをするためであって、どうにかして自分が出たいと思ってコーナーに控えていました。

――そこから海川さんが反撃するチャンスが巡ってきます。ドロップキック、フェイスクラッシャー、ヘッドシザース……と大技連発で畳みにかかりました。あれは普段練習していたことですか?

 練習のときはあんまり上手に出来なかったんですけど、KUSHIDAさんや\(^o^)/チエさんに「こういう技もあるんだよ」と教えてもらっていました。でも実は……反撃する前に失神していてあんまり記憶がなかった。

――えっ! 失神していたんですか?

「どうしてもここでやっつけたい」っていう気持ちがどんどん強くなって、リングで攻撃しているのは半分しか覚えてないんです。お家に帰ってDVDを見て「反撃出来てるじゃん! 私!」みたいな感じでした。人間極地に追い込まれると凄いパワーが出るんだって思いました。

――半分失神したきっかけはバボのネックハンギングツリーが原因ですか?

 なんだったんですかね〜。途中から……ボディスラムが一番衝撃受けたのは覚えています。ネックハンギングツリーは苦しかったですけど、まだ「くそ〜っ!」っていう感じが自分の中であったんです。その時はまだ意識があって、仕返ししてやろうという気はあったんですけど、ボディスラムを受けた後はもう動けなかったですね。

――コーナーに叩き付けられたときに、鼻を骨折していたとスタッフから聞きました。大丈夫でしたか?

 どこで骨折したのかわからないんです、夢中になっちゃってたんで。多分コーナーに叩き付けられた場面あたりじゃないかと思うんですけど……。試合が終わったときに急に痛みがきて、「何だろう?」って思っているうちに鼻血が出てきたんです。そしてお医者さんに診てもらったら、「鼻骨折ですね」って。

――骨折ですか! それは大変だったんですね。

 後から自分でも気付いたんです。でもその試合をしているときも、左側から鼻血が垂れてくる感はありました。

――今までに鼻血を出した経験は?

 ほとんどないです。小学校の頃以来です。骨折は初めてです。今までしたこともなかったです。

――どうでしたか? 骨折って聞いて。今までのことを後悔しました?

 骨折っいていう響きがショックで、その時は凄く泣いちゃったんですけど……プロレスは、そういう怪我はつき物なんだなって肝に命じました。

――“グラビアアイドル生命危機!”とか考えました?

 色んなことを頭によぎりました。それよりも親が心配するな〜とか、ファンの方に心配かけちゃうなとか、スタッフに心配をかけちゃうとか、そいういうことばかり考えちゃいましたね。その後ですね、自分が大変なことになったなって、思い始めたのは。

――今までに味わったことのない痛さですよね?

 そうですね、泣きたくないのに涙がガッ〜って出てきちゃうんです。

――大変だったんですね。そういう惨事もあって最後に3人まとめてやられてしまいましたが、負けた瞬間どうでしたか?

 凄く悔しいっていうのは少し覚えているんですけど、あんまり覚えてないんです。無我夢中だったので、そのあたりも結構記憶が薄いですね。

(海川ひとみ特別インタビュー・後編に続く)