いろんなウツボ料理が食べられる?タタキと竜田揚げしか食べたことがない筆者が食べに行ってみた結果「喰いもんやこの葉」

シャチやサメと並んで、海のギャングと称されるウツボ。食べたことありますか? 一般にはあまり流通していないウツボを食しに、和歌山県紀伊田辺市「喰いもんやこの葉」に行ってきました。刺身、唐揚げ、たたき……迫力満点のビジュアルとは違い、とても上品なあの味をぜひ知っていただきたいのです。

エリア田辺 (和歌山)

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まいど憶良(おくら)です。※写真は憶良(おくら)ではありません。

 

さて、私は和歌山県は紀伊田辺市にやって来ております。

今回のレポートはと言いますと……。

 

ウツボが一般に流通しない理由

ご紹介しますのは、和歌山の紀伊田辺市駅から250mと、すぐ近くのお店。

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それがここ、「喰いもんやこの葉」。

決して大きなお店ではないです。

 

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が、地元の方に愛され、その包丁さばきの確かさで多くの方の支持を受けている、隠れた名店なんです。

 

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スタイルは居酒屋さん。

 

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一階の、調理場とも距離の近い、ライブ感もある席と、

 

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ゆったりと落ち着けて、

 

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仕切りを開けると大人数での

 

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宴会にも使えそうな二階席があります。

 

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その空間の中にあって、特異な光を放つ食材がこれ、

 

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ウツボです。

そのビジュアルに、どうなの? 本当においしいの? と思う方も多いかと思うのですが、その身はあくまでも美しく、

 

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とても上品な味がするお魚なのです。

 

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一般に流通していないのには、実はシンプルな理由がありました。

 

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それがこの骨。

骨の付き方に癖があり、一般的な魚のさばき方では対応しづらい食材。

「でも、手間がかかっても、手間の掛けがいがあるくらい、おいしいんですよ」

と、大将が笑顔で答えて下さいました。

 

しかし……、迫力あるビジュアルだなぁ。

 

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憶良 : 和歌山の田辺あたりではウツボが良く食べられていると聞いて来たんですが、昔から食べられていたんですか?

大将 : 古くは干物や燻製にして食べられていましたが、調理法もいろいろと工夫されて、いろんな楽しみ方が出来るようになってきたんですよ。

 

ウツボがどう料理されるのか、興味

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ちらりと皮面が見えますので、間違いなくあのウツボです。

 

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が、身はあくまでも美しい。

 

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きれいに並べると、薄造りの完成です。

この状態を見て、「あっ、これウツボだね」とわかる人はなかなかいないのではないかと思います。

 

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とてもきれいな身です。

 

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まずはポン酢だけで。

 

食感はと言いますと、フグに似た歯応え。

そして、上品な甘味があります。

こっ、これはおいしいっ!

 

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紅葉おろしと、おネギを添えて。

 

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強い弾力があり、薄造りにしている理由が分かります。

 

そして、かむほどにじゅわっと甘みとうま味が口の中に広がるんです。

うんっ! 本当にこれはうまいっ。

ほんのりと残る後味は、ちょっと鯛にも似た感じ。

次の一口まで、またはお酒を迎えるまで余韻として残ります。

 

次の料理は……ぶつ切り状態の身がどうなるのか楽しみ

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お次は、ぶつ切り状態にしていきます。

 

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なんと、下味は塩のみ。

 

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片栗粉をまぶして、そのまま油に投入。

 

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特別に調理場に入れていただいたんですが、

 

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揚がっていく様子を見ていると、それだけでいい匂いが。

 

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春雨を揚げた物の上に

 

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盛り付けて、

 

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出来上りです。

 

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皮目はサクッと、そして身はふわっと。

 

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刺身で食べたときはコリコリとした歯応えがあった身が、火を入れるとふわっとした食感に変わります。

おいしい、これはおいしい。

ウツボの揚げ物と言えば、沖縄で食べたウツボの竜田揚げだけだったんですが、こんなにシンプルな味付けでもそのうま味を強く感じる事が出来ます。

 

刺身、揚げ物と来たら、次は……

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どーんと、ブロック切りの身を、皮目から焼いていきます。

 

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皮面がパリッと焼けたら、

 

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裏返して、今度は弱火でじっくりと優しく火を入れていきます。

 

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個体によっても、切った場所によっても身の状態は違いますので、その辺を見極めて、

 

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絶妙な火入れ状態になったら切っていきます。

 

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ウツボのタタキの出来上がり。

 

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ほんのりとピンクかがった部分は、身が口の中でほろりと崩れます。

何も付けなくても、ほのかな甘みがありますが、

 

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ポン酢と出合うと更にうま味が引き立ちます。

 

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この皮が、ぱりっとしておいしいんですが、実はその下、

 

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身と皮の間にある脂部分が、何とも言えないおいしさなんです。

 

大将の包丁さばきがさえる、絶品寿司

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最後にいただいたのはウツボと、ヒロメの寿司。

 

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ヒロメは和歌山では有名な海藻で、ヒトハメとか、ヒロハメともよばれているようです。

味はワカメに似てますが、より強くうま味を感じます。

食感もよくて、しゃぶしゃぶなんかにすると、とてもおいしいんです。

元々の色は、なんとなくくすんだ茶色なんですが、お湯に入ると劇的に美しい緑に変わる、これも関西では和歌山以外であまり見ない食材です。

 

お寿司になったのは、始めて見ました。

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うまっ!

こんな食べ方があったなんて。

 

うまい。こらうまい。

 

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さて、ウツボの握りです。

 

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これも、ポン酢で食べます。

ネタは分厚く切っていますので、弾力がすごくてかみ切れないのではと思いそうですが、もちろん隠し包丁が入っていますので、かみ応えを残し、食感の楽しさを感じつついただけました。

結論を言いますと、これはもう、メッチャうまい!

思い出すだけで口が欲しがるうまさです。

 

すごい、すごいぞ、ウツボ!

大将にお話をお聞きしました。

実は大将は、職人さんにありがちな、あまりインタビューとかが得意でないタイプらしく、「……」となる時も。

そんな時は女将さんが助け舟を出して、笑顔を交えながら細かいお話をして下さいました。 

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憶良 : わたしはウツボ料理と言えばタタキと竜田揚げしか食べたことがなかったんですけれど、こんなにいろんな料理があるんですね。

大将 : 他にも鍋にしたり、照り焼きにしたり、地元の人なんかは、すき焼きにして楽しんだりもしています。揚げ方にしても、てんぷら粉で揚げるお店もありますし、アレンジがきくという点でも魅力的な食材ですね。近年ではコラーゲンがたっぷりという事で、女性からも注目されています。

憶良 : ポン酢との相性がいいんですね。

大将 : そうです。これは地元でよく使われている、だいだい酢を使っています。

憶良 : せっかく旅に来たのなら、やっぱりこういう、その地域ならではの料理を味わいたい物です。私なんかは欲が深いものですから、その土地の人が普段使いしている、安くて、新鮮で、地域密着型のお店が好きです。(だれでも好きそうですが)

でも、和歌山でウツボが食べられるって事は、あまり知られていませんよね。先日和歌山市内で、「ウツボ料理のお店を知りませんか?」と聞くと、ほとんどの方が「えっ? ウツボを食べるの?」という反応でした。

 

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大将 : そうなんですね。特に生でも食べるのはこの周辺ならではなのかも知れません。

大体、和歌山県の常として、おいしい物がたくさんあるにも関わらず、PRの仕方が下手なのであまり知られていないという部分もあるかと思います。田辺市でもウツボをもっとPRして行こうという動きがあるんですが、まだまだ認知されるのは難しいようです。

憶良 : でも、これだけおいしいんですから、もし観光で和歌山市まで来るのなら、ちょっと足を延ばして、田辺のウツボは食べておきたいですね。

大将 : そう言っていただけれるとありがたいです。田辺には、おいしい物、特に海の物については厳しいお客さんが多いので、食材などの状態は万全を期してご用意しています。ウツボだけでなく、魚に関しては徹底して良い物を仕入れているのが自慢です。田辺のおいしい物を堪能してもらって、笑顔で帰っていただけるように日々精進していますので、是非一度お越しください。

 

 

まさに真面目な料理人、というイメージの大将と、細やかな気遣いがうれしい女将さんに見送られて、大満足の内にお店を後にしました。

 

そうそう、鮮度が良くなければ薄造りにはできないという事でしたので、絶対食べたいという方は、事前にお店で確認していただいた方が安心かと思います。

 

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お店情報

喰いもんやこの葉

住所:和歌山県田辺市湊3-15
電話番号:0739-26-8180
営業時間:17:00~23:00
定休日:月曜日

www.hotpepper.jp

 

書いた人:憶良(おくら)

憶良(おくら)

ゲームプランナー、プロデューサー、CMディレクター、ゲーム企画講師や駄菓子屋店長などを経て現在に至る。日本で一番古いハンドルネーム、OKURAです。休日はよく温泉に行き、その道中では積極的に食べ歩いたり、行先の地元スーパーで珍しい食材を買い込んで料理したりと、食に対してはかなり貪欲。「美味しいものを食べている時、美味しいものについて話している時に、悪いことを考える人はいない」という持論を持つ。

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