【絶品】創業338年の老舗「元祖本吉屋」の「うなぎのせいろ蒸し」が美味すぎる【福岡柳川】

福岡の柳川という水郷では、川下りをしてうなぎを食べるのが醍醐味。うな重も美味しいですが、ホッカホカのせいろ蒸しはうなぎがふわふわで本当に美味しい! 福岡県民はみんな、せいろ蒸しが全国的な食べ方ではないと知って、驚愕するのです。「元祖本吉屋」のせいろ蒸しも美味しそうですよ。

エリア柳川 (福岡)

f:id:mesitsu_lb:20160930111901j:plain

福岡でうなぎと言えば、柳川です。柳川は、川くだりができる水郷の町で、情緒あふれる小京都のような雰囲気もあります。江戸時代後期は、うなぎが名産品として扱われ、柳川藩の大きな収入にもなっていたとか……。

そんな食文化を受け継ぎ、今でも柳川では数多くのうなぎ屋さんが軒を連ねます。絶品「うなぎのせいろ蒸し」が食べたくなり、福岡から車で90分ほどかけて柳川へ。そして、今回うかがったのは、江戸時代創業、338年にも渡り暖簾を守ってこられた

「元祖本吉屋」です。

10台は停められそうな駐車場があり、風情のある趣深い外観。お店に入る前から、老舗の心地良い雰囲気が感じられます。

 

f:id:mesitsu_lb:20160930111908j:plain

f:id:mesitsu_lb:20160930111914j:plain

随所に花が活けてあるなど、佇まいも老舗ならでは。うなぎを食べる前から、気分が盛り上がります。

 

f:id:mesitsu_lb:20160930111919j:plain

通していただいた個室は、中庭が見えて、木漏れ日が入ってくる、心地良い部屋。畳ということもあり、隣の部屋には、子ども連れの観光客の方が来られているようでした。

子どもから大人まで、地元の人から観光客まで愛されているのが「元祖本吉屋」です。

 

f:id:mesitsu_lb:20160930111924j:plain

それでは、早速メニューを拝見。


今日は「せいろ蒸し」を食べると決めてやってきました。特せいろ蒸しになると、ごはんの上だけでなく、ごはんの間にもうなぎが挟まれているのだそうです。定食になると、小皿の一品などがついてきます。

 

f:id:mesitsu_lb:20160930111928j:plain

何人かで行った時は、追加で白焼きなんかを単品で頼んでもいいかもしれないですね。持ち帰りもあります。

 

f:id:mesitsu_lb:20160930111932j:plain

わたしは、「せいろ蒸し」をお願いしました。注文を受けて、焼いて、蒸すため、15分ほどかかります。

そして、期待を裏切らない、年季の入った蒸し箱で登場です!


そもそも「せいろ蒸し」って何? 江戸前と柳川どうちがう?

f:id:mesitsu_lb:20160930111937j:plain

▲せいろ蒸し(3,500円)

 

じゃーん!

ふたをあけると、一気に湯気があがります。
そして、焦げ目が絶妙にはいったうなぎに、テリッテリのタレ。
そして中央の錦糸卵といい、彩りも素晴らしい。
もう、めっちゃうまそう!

こんな、うなぎのせいろ蒸しが、いただけるなんて本当に幸せですねー。

 

そもそも「せいろ蒸し」がなんだか知っていますか?

 

f:id:mesitsu_lb:20160930111945j:plain

今回取材にご協力いただいた、「元祖本吉屋」の取締役をされている一安さんに聞いてみました。

 

──わたしは福岡に住んでいるので、「せいろ蒸し」って当たり前なんですが、東京のうなぎも有名だと思うんですよ。どう違うんですか?

うなぎは、関東では、蒲焼が多いと思うんですね。白焼きしたうなぎを蒸しておいてをタレにつけこんで焼いたものをご飯にのせます。蒸すことで、余分な油が落ちて柔らかくなりまし、それをタレで香ばしく焼いたものがうなぎの蒲焼です。

では、うちの『せいろ蒸し』はどうしてるかって言うと、その「蒸す」タイミングをご飯と一緒にせいろの中で行うんです。まず、うなぎを白焼きにして、秘伝のタレにつけて炭(備長炭など)で蒲焼にします。その間タレをまぶしたご飯だけを蒸しておいて、そして、そのご飯に蒲焼を乗せてから、また蒸してるんですね。せいろで蒸すことで、うま味を逃さないようにしているんですよ。『せいろ蒸し』にすることで、うなぎは、外はパリッ香ばしく、中はふわっと仕上がります。そして、そのうま味がご飯にも染みていくわけです。もちろん、焼いただけのうなぎが好きな方もいらっしゃるでしょうし、好みになりますが、いかにうま味を逃さず美味しく作るかを考え抜いて生まれたようです。(一安さん)

 

そして、柳川を代表する「せいろ蒸し」がこの「元祖本吉屋」が発祥と言われているのです。

 

f:id:mesitsu_lb:20160930111948j:plain

この中がフワッとした感じ。

タレがしっかりついていて、香ばしくって、ふんわりした味わいがたまりません!

タレはあまり甘すぎずに、しっかりしているのにさらっと食べられます。

そして、こちらのタレですが、創業時からほぼ作り方を変えずに、継ぎ足していっているのだそうです。

 

f:id:mesitsu_lb:20160930111952j:plain

こちらが時代を繋ぐ秘伝のタレです。器も然り。伝統の重みを感じますね。

 

f:id:mesitsu_lb:20160930111957j:plain

最後まで、熱々のままいただくことができるので、汗がでるほどです。(ふたをあけてすぐ食べると、口の中を火傷しそうになるほどなので、気をつけて!)

九州というと、甘辛タレという印象だと思いますが、そんなに甘すぎないので、食べ進めるほどにうまさが倍増されていくように思います。結構なボリュームですが、あっという間に完食しました。

 

柳川のうなぎ、「元祖本吉屋」の「せいろ蒸し」は、わざわざ行ってでも食べて欲しい逸品です。観光客だけでなく、地元の人にも愛されているところが老舗のすごさだと思います。この日は、中学生が職場体験で来ていました。

 

お忙しい中、ありがとうございました。またうかがいますね!

 

お店情報

元祖本吉屋

住所:福岡県柳川市町69
電話番号:0944-72-6155
営業時間:10:30~21:00(LO 20:30) ※土曜日・日曜日は予約不可。受付順
休日:第2・第4月曜日
ウェブサイト: http://www.motoyoshiya.jp/

※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

 

書いた人:安藤エリカ

安藤エリカ

福岡県出身。1984年生まれ。地元情報誌の制作や編集を経て、ライターに。飲食店に行くことの楽しみは、美味しい料理と雰囲気。お酒も大好きです。

過去記事も読む

トップに戻る