お部屋の温度・湿度の調整方法

カビ対策

カビの発生

カビの発生

知らない間に住まいのあちこちにカビが生えている、ということは決して珍しくありません。

温度が20℃~35℃くらい、湿度が80%になると、カビが生えやすい環境になります。東京などでは、6月から9月頃まではカビが生えやすい状態になっています。

カビはこうした温暖多湿の条件下で、様々な建築内装材を栄養源とし、酸素のある所で生育します。

汚染物質

カビは微生物の一種ですが、細胞が増加しても組織が分化することなく初歩的な段階にとどまっているもので、細菌などと同じ真菌という菌類であり、菌糸状の発達が顕著なものを総称しています。

アペルギルス
アペルギルス
この仲間にこうじカビのような有用菌もあるが、自然界に広く分布し、室内に多く浮遊しています。人間や動物に病気を引き起こしたり、食物を変腐させて有毒物質を産生する劣化菌の代表的存在です。
ペニシリウム
ペニシリウム
自然界に広く分布し、室内にも浮遊しています。ペニシリンを産生するのもこの仲間ですが、喘息やアレルギーを引き起こすカビのひとつです。
クラドスポリウム
クラドスポリウム
浴場やキッチンの壁、天井などが黒くすすけた状態に汚れているところに多い黒色のカビです。
フザリウム
フザリウム
土壌に多く存在し、麦類の穂を侵害する赤カビです。人や家畜の体内に入ると食中毒を引き起こします。
トリコデルマ
トリコデルマ
鮮明な緑色の分子をたくさん付ける生育の早いカビです。しいたけ、えのきだけなどの人工栽培時に発生する害菌です。
アルタナリア
アルタナリア
果物や野菜などに黒褐色の斑点を作る黒色カビで、植物病の原菌です。家屋の板張りや畳などにも生えて汚染します。

病気を引き起こすカビ

病気を引き起こすカビ

カビは様々な疾患を引き起こす元凶になります。直接触れたり、空気中に飛散している大量の胞子を吸い込むと人体に害をもたらします。

白癬(はくせん)菌というカビが、水虫、たむし、いんきん、しらくもなどの皮膚病の原因になっていることは古くから知られています。

気管支喘息、アレルギー、鼻炎などのアレルギー疾患は、空中に浮遊しているカビの胞子を吸い込んで起こります。カビが持っている原因物質アレルゲンによるものです。

カビは食中毒の原因にもなります。カビが持つ毒素(マイコトキシン)によって汚染されている食物を食べて起こります。マイコトキシンの長期間の摂取は、慢性食中毒から肝細胞がんに発展する原因になります。

カビは内臓真菌症という様々な疾患を引き起こします。

カンジタ症 気管支カンジタ症、カンジタ性髄膜炎、尿路感染症などを引き起こす。
アスペルギルス症 肺型アスペルス症は、せき、喀痰をともない、肺の空洞に増殖すると肺炎などにかかりやすくなる。
クリプトコックス症 気管から肺に感染し、血管やリンパ系を伝って各臓器に伝播して中枢神経を冒す。

カビの発生場所

カビの発生場所

住まいの中でカビの生えやすい場所をチェックしてみましょう。

水を使う所は水蒸気が多く、カビが生える絶好の場所です。(浴室、洗面所、トイレ、台所、調理場など。浴室は蛇口の周辺やタイルの目地) 空気の滞留する所と結露がカビの生育条件です。(押入れの壁、納戸、下駄箱、タンスやステレオなど家具の裏側)

押入れに収納してある布団、衣類、下駄箱の靴や皮革品も注意が必要です。

冷えて結露しやすい北側の部屋の壁面、窓枠、天井、玄関の壁面など、湿気を含みやすい畳、絨毯(じゅうたん)、床下などの場所、その他、換気扇周辺、エアコンのフィルター、装身具なども生えやすい場所です。

カビ対策

カビ対策

結露防止は最大のカビ対策です。また、温度や湿度の管理とともに、カビの生育に必要な栄養源と酸素を断つことも重要です。殺菌剤の使用も効果はありますが、根絶はできません。むしろ丹念に清掃することで、カビの発生をかなり防ぐことができます。壁紙やビニールクロスは黒ずんできたら裏側はカビで一杯のはず。貼り替えることができる場合なら、カビ防止剤の入っている接着剤や通気性のあるクロスを使いましょう。

浴室、洗面所は清潔にふき掃除し、お風呂を使用したあとはモップなどで水分をふき取り、窓を開けて風通しを良くしておくだけでもカビの発生はかなり防げます。

押入れやタンスには物を詰め込み過ぎず、隙間を空けたり、また、すのこを敷いてその下に除湿のための新聞紙を入れ、丹念に取り替えます。特にコンクリートむき出しの押入れは要注意です。

衣類は汚れが付いたまま放置しないで、シミ抜きをしてから除湿剤を入れて収納し、晴天の日には日陰干ししましょう。不十分だと汚れがシミのように残ります。 カビ取りや清掃には消毒剤エタノールや次亜塩素酸ナトリウムを用いますが、カビ防止剤として販売されているものの多くは漂白や洗浄が主で、殺菌効果はあまりありません。

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