飯田下伊那地域特産の干し柿「市田柿」の加工作業がピークを迎えている。5日、飯田市座光寺の柿農家熊谷博人さん(66)宅では、10人ほどが柿の収穫や皮むき、実をつるす工程に追われた。干し場は柿の甘い香りが漂い、軒下につるされた「柿すだれ」が陽光を受けて輝いていた。
数日干した柿の味見をした熊谷さんは「しっかりした甘さがあった」と笑顔。熊谷さんによると、収穫時期や品質は畑の場所によって多少の違いはあるものの、平年並みという。
みなみ信州農協(飯田市)は「天候に恵まれて順調に乾燥が進んでおり、原料の柿の糖度も高かった。おいしい市田柿になるのでは」と期待している。
出荷は11月下旬から来年2月中旬まで続き、12月中旬には県内、全国の店頭に並ぶ予定。今年は7月の長雨と8月の小雨により根への負担が大きく、落果があったという。出荷量は昨年比5%減の約1100トンと見込む。