極みの料理

2008年10月21日放送分

愛知県産 みかわポーク

食材のご紹介

JA愛知みなみ 畜産部養豚課 小林 宏明さん

 

JA愛知みなみ 畜産部養豚課 小林 宏明さん

私たちがエリアとする渥美半島は、もともと豚はもちろん、肉牛や酪農も盛んな地域でした。この地区の良質な豚を積極的に普及しようという目的で銘柄豚を立ち上げたのは、20年ほど前のことです。しかし銘柄豚として「みかわポーク」を確立するまでの道のりは、決して平坦ではありませんでした。

当時は、農家ごとに豚の品種も飼育環境も様々で、従来のものと「みかわポーク」を差別化するためには条件が必要でした。それが「種豚(親豚)の固定」「飼料の統一化」「衛生面など飼養環境の徹底」です。種豚は、愛知県が系統造成した系統豚を使用し、専用飼料も3年越しで完成。それだけでなく、出荷された豚から認定基準をクリアし、厳選された約3割の豚だけが「みかわポーク」に認定されるのです。こうして良質な肉質と安定した品質を持つ「みかわポーク」が確立したのです。

現在「みかわポーク」の生産者は県下で28名。すべての生産者が、種豚、飼料、飼養環境を統一することで、こだわりのある銘柄豚としての質の高さを守り続けています。また、JA愛知みなみでは高品質豚生産会を結成し、エリアごとのグループに分かれて勉強会も熱心に行っています。臭みが少なく肉質の柔らかな「みかわポーク」の品質向上を目指して、私たちも飼料の研究や飼育環境の改善など精力的に取り組んでいます。

産地のご紹介

みかわポーク生産者 田原市 鋤柄 信人さん

みかわポーク生産者 田原市 鋤柄 信人さん

profile

1967年、田原市生まれ。高校卒業後、愛知県岡崎市の畜産総合センターで養豚を学び、現場研修のため豊橋市内の養豚場へ。2年後に父親の営む農場へ戻り、現在2500頭以上に上る豚の飼育に専念している。

ウチの豚舎では、母豚220頭、肉豚2500頭を飼育しています。就農した頃は母豚40頭規模の養豚農家でした。当時は、露地野菜や米の栽培もしていたんです。その後、養豚業に専念するために、場所を今の養豚場に移して規模を拡大。これまで手作業だった飼育作業も、機械を取り入れてオートメーション化を実現しました。

例えば、エサは飼料タンクから機械によって運ばれます。糞の掃除も全自動に。といっても、私たちの仕事が楽になるわけではありません。豚はキレイ好きでデリケート。ちょっとしたことで下痢をしたり、肺炎になったりすることもあるんです。毎朝、毎晩、すべての豚舎を回って1頭1頭の様子をチェック、観察しないことには、豚の健康は保てないのです。

特に神経質で病気に弱い子豚は、窓のない豚舎でコンピューターによる温度管理を徹底して育てます。まだ水もうまく飲めず、エサもうまく食べられない子豚たちの世話は、人間の子どもを育てているのと同じ。毎日気の抜けない日々が続きます。そんな苦労も、消費者の方の「美味しかったよ」というひと言があるからこそ。手塩にかけて育てた可愛い豚たち。美味しく育ってくれるのが私の一番の喜びです。

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