花の女王とも呼ばれるバラ(薔薇)。気品のある美しい姿と良い香りを持ち、深紅のバラの花束は結婚を申し込むプロポーズの際の定番の品、愛の象徴でもあります。
このバラの花言葉は、本数や色ごとに異なっているのをご存知でしたか?ここでは、大切な人にプレゼントする際に知っておきたい本数・色ごとのバラの花言葉の意味と、贈る相手別のおすすめ品種や花言葉の伝え方などを紹介します。
まずは、バラ(薔薇)の名前の由来や、誕生花として使われる日、咲く季節と値段などの基礎知識をおさらいします。
バラ(薔薇)は、バラ科バラ属に分類される花の総称です。棘のある低木を「イバラ(茨・荊・棘)」と呼びますが、日本名の「バラ」は、この名が転訛して「イ」が抜けたものだと言われています。
漢字の「薔薇」は「そうび」「しょうび」とも読み、中国語からの借用です。英語の「rose」はラテン語の「rosa」に由来し、この言葉はそのまま「バラ色」「ピンク色」を表してもいます。
バラ(薔薇)は一季咲きと四季咲きに分かれます。一季咲きのバラとは、毎年4月末~5月末に咲き始めて5~6月に見頃を迎える、春にしか咲かない品種で、ヨーロッパでは中世から栽培されていた原種に近い品種として「オールドローズ」と呼ばれます。
対して四季咲きのバラは、6月中旬から11月にかけて、春・夏・秋と楽しむことができる種類です。冬は開花時期に含まれないのに、なぜ「四季」咲きと呼ばれるかといえば、この種類のバラは適切な温度と日光で育てれば季節を問わず開花するので、温室であれば冬もお花を楽しむことができるからです。
バラの花は1年を通じてお花屋さんに並んでいますが、時期をはじめ品種や生産地によっても値段が異なります。本数にもよりますが、1本あたり600~700円ほどから、花束・ブーケやアレンジメントであれば5,000~3万円ほどになります。
バラ(薔薇)全体の花言葉は、「美」「愛情」です。高貴な姿と豊かな色彩、溢れる気品に洗練された香りで人々に愛され、花の女王と呼ばれるバラ。
欧米では数々の伝説に登場するとともに、聖母マリアを象徴する愛と純潔の花とされ、その美しさを讃えた絵画や詩が数多く残されています。
花色・咲き方ともに多種多様なお花ですが、どの品種も優雅さと気品に溢れていることから、この花言葉になったものと思われます。
バラ(薔薇)の歴史は古く、地上に現れたのは5,000万年以上もの昔と言われています。またバラと人との関わりとしては、紀元前5,000年頃の古代バビロニアで生まれた「ギルガメシュ叙事詩」に記述があるのが最初とされています。紀元前1,500年頃の古代オリエントには4種の野生バラが存在し、これらが交雑して新たな品種が誕生したとも伝えられています。
古代ギリシャ・ローマ時代には神話と関連づけられてヨーロッパ全体に定着し、中近東でも赤バラはアッラーを、白バラはムハンマドを表す聖なる存在として愛されるようになりました。中世にはその美しさが人心を惑わすとされ、修道院で薬草として栽培されるもの以外はキリスト教会によって禁止されますが、十字軍の頃には中近東から逆輸入される形で再び広まり、ルネサンス期には数多くのバラ園が造られるとともに、芸術の題材にもなりました。
バラの栽培技術が飛躍的に発展したのは19世紀。人工授粉の技術が確立されたのを皮切りにさまざまな品種改良が行われ、現代へ継承されていきます。日本へは、中国で栽培されていたバラが江戸時代までに伝わっていたと言われています。
青いバラ(薔薇)を造ることは、古くから世界中のバラを愛する人々の夢でした。バラの品種は、原種と呼ばれる8種類のバラの人工交配によって誕生しましたが、自然界に存在する青い花の多くが持つ「デルフィニジン」と呼ばれる青色色素を持つ原種のバラは存在しないため、青いバラを造り出すことができなかったのです。このため、青いバラは不可能の象徴とも言われてきました。
これまで各国の人々が多くの「青いバラ」の開発に従事してきましたが、近年もっとも脚光を浴びたのは、日本のサントリーによる「サントリー ブルーローズ アプローズ」です。これは従来青い色素を持たないと考えられてきたバラから独自の青色の色素「ロザシニアン」を発見して開発に成功したもので、2004年に発表、2009年に販売が開始されました。この「サントリーの青いバラ」の花言葉は「夢かなう」です。
バラ(薔薇)は育てるのが難しいイメージがありますが、環境を整えてあげれば初心者にも育てやすい品種はあります。水はけが良く肥沃な土を好むので、初心者はバラの専用土として売られているものを購入するとよいでしょう。土の表面が乾いたタイミングで、鉢植えの場合は溢れるくらいたっぷり水を与えます。春から秋の暖かい時期は土の乾燥に注意して1日1回、日当たりの良い場所なら1日2回を目安に水やりします。元肥と追肥を与え、夏と冬には剪定をします。
よく育ったバラには他の花にない気品や美しさ、豪華さがあり、多くの人に好まれます。またその歴史や花言葉、存在自体が示すように、愛と美の象徴でもあり、プレゼントする際の目的であるプロポーズや祝福の気持ちを、これ以上ないほどに彩ってくれるでしょう。
ここからは、恋人・女友達・男友達・両親や結婚する相手・卒業・退職する人など、贈る相手別におすすめのバラ(薔薇)の種類を紹介します。
「告白」「愛情」という花言葉を持つ赤いバラやスプレーバラがおすすめです。
また本数別の意味を考えて、「ひとめぼれ」「あなたしかいない」という意味を持つ1本から、「愛しています」「告白」の3本、「付き合ってください」の12本、「永遠の愛」「ずっと好きでした」の99本などは、愛の告白や記念日に渡すのにぴったりです。「100%の愛」の100本や、「結婚してください」という意味がある108本はプロポーズをロマンティックに盛り上げてくれます。
女友達へは、可愛らしく華やかさも併せ持ったピンク系のバラがおすすめです。花言葉を重視するなら、「美しい少女」という意味を持つピンクと白の複色スプレーバラや、「あなたの魅力に目を奪われる」オレンジのバラでもよいでしょう。
お花の好きな男友達なら、バラの花のプレゼントも喜ばれるでしょう。グリーンや白で爽やかな色合いにしたり、花言葉で選ぶなら「幸多かれ」という花言葉のオレンジのスプレーバラ、「絆」のライトオレンジのスプレーバラ、「渋い」ブラウンのスプレーバラなどを混ぜた花束やアレンジメントも素敵ですね。
父の日には黄色いバラを贈るのがメジャーとされています。父の日のシンボルカラーである黄色には、「幸せ」や「富」「希望」「尊敬」「愛する人の無事を願う」といった意味合いがあるためです。「深い尊敬」という花言葉を持つライトブルーのバラや、父親の今後の成功を願って「富と繁栄」のパープルのスプレーバラでも良いかもしれません。
お花の好きな母親には、お母さんの好きな色のバラを贈るのが1番です。花言葉を通じて普段言えない気持ちを伝えるなら、父親同様にライトブルーのバラの「深い尊敬」、あるいは「上品」という意味を持つブルーのバラなどはいかがでしょうか。
婚約・結婚などのお祝いの場には、花嫁の色である真っ白なバラが似合いますね。「純真」「無垢」といったイメージのある白は、これから幸せな未来を描いていく2人のキャンバスのよう。花言葉で意味を持たせるのなら、「至福の喜び」というダークレッドのスプレーバラや、「恋の誓い」のグリーンのスプレーバラを花束やアレンジメントに入れても良さそうです。
卒業や退社する人へ贈る場合は、華やかなイメージの花束やアレンジメントにするのがおすすめです。「新たな気持ち」という花言葉を持つグリーンのバラや、「励まし」を意味するピンクと白の複色バラを混ぜても素敵でしょう。
逆に、花束やアレンジメントにどうしてもバラ(薔薇)を使いたくない場合もあるかもしれません。愛や美といった花言葉や固定のイメージがあまりにも付きすぎているため、渡す相手に変な誤解を与えたくなかったり、格調の高さやゴージャスさが気恥ずかしかったり。そんな方のために、「バラ以外」で花束やアレンジメントにおすすめの、主役級のお花を紹介します。
■ガーベラ
ガーベラ全体の花言葉は「神秘・崇高美」。太陽に似た形に花びらを広げるチャーミングな花です。ナチュラルでありつつ華やかさも併せ持ち、カジュアルなアレンジにも、エレガントなあしらいにも似合い、アレンジごとにさまざまな表情を見せてくれます。ガーベラの色別の花言葉や人気の種類、喜ばれる渡し方、育て方のコツについてはコチラをチェック。
■カーネーション
カーネーション全体の花言葉は「純粋の愛」「感謝」。美しく豊富な花色を持ち、フリルを重ねたような愛らしい姿は、普遍的な人気があります。古代ギリシャでは神に捧げる花冠に用いられ、「神の花」という意味の学名(ダイアンサス)を持っています。現在では品種改良によって多くの品種があり、母の日以外にも大切な人に贈りたい花です。カーネーションの花言葉や母の日に贈る意味についてはコチラをチェック。
■チューリップ
チューリップ全体の花言葉は「愛の告白・美しい瞳」。ふんわりしたシルエットが愛らしく、見る人の心を弾ませる魅力があります。チューリップが国花にもなっているオランダでは、愛する人に贈られてきたロマンティックな愛の花と伝えられています。チューリップの色別の花言葉や人気の種類、特徴や名産地についてはコチラを参照してください。
■ひまわり(ヒマワリ)
ひまわりの花言葉は「あなたを見つめる」「光輝」。イエローとブラウンのコントラストが情熱的な大輪の花は、贈られた相手をきっと笑顔にしてくれるはず。真夏の太陽に立ち向かうように咲くひまわりは、学名・英名とも「太陽の花」という意味を持ち、人々に元気を与えてくれます。ひまわりの花言葉や基礎知識、育て方のコツや喜ばれる渡し方についてはコチラをご覧ください。
せっかく花言葉を意識してバラ(薔薇)を選んでも、渡す相手にうまく伝わらなかったら残念ですよね。とはいえ、面と向かって言葉で言うのも何か違う気がする…とお悩みの方のために、バラの花言葉のスマートな伝え方を紹介します。
花束やアレンジメントに、花言葉を書いたメッセージカードを書いたメッセージカードを添えてみましょう。シンプルですがもっとも間違いなく伝わる方法です。カードは形に残るので、お花を渡したときの素敵な記憶が刻まれた、思い出の品になることでしょう。
日比谷花壇では、豊富に取りそろえたバラ(薔薇)のフラワーギフトを、さまざまな方法から選ぶことができます。赤・ピンク・オレンジなどの色別、花束・アレンジメント・プリザーブドフラワーなどスタイル別、予算別や人気ランキングをチェックするなら「バラの花束・フラワーギフト特集」から。
また本数別に赤やピンクのバラの花束を用意した、プロポーズや結婚記念日のプレゼントにぴったりな「アニバーサリーローズ」、花束全体をバラの形のラッピングにした特別なバラの花束「ペタロ・ローザ」も、大切な人への贈り物におすすめです。
プロポーズの際の定番、愛の象徴として有名なバラ。大切な人と過ごす特別な日に贈るお花として、ぜひとも知っておきたいバラの花言葉の意味を、本数や色別に解説しました。
色や形、合わせ方によって違う魅力を見せてくれるのがバラの良さでもあります。贈る相手別のおすすめ品種や花言葉の伝え方なども参考にしながら、お花を選ぶ楽しさも感じつつ、溢れる想いをバラの花束に託して伝えてみてください。