週刊プレイボーイ創刊55周年スぺシャルインタビュー『7日間の女神たちへ!!』~1997年の中山エミリ①~

“週プレ”の華はいつの時代も、その時代に生きる日本中のオトコたちの心と体をつかんだ、他の雑誌よりページ数が断然多い、そのとき日本で一番のオンナたちが彩る「グラビア」ページだった!


そんな各時代の誌面に登場してくれた“伝説のオンナ”たちに会いに行き、グラビアの魅力を改めて紐解くインタビュー連載企画、今回7回目にはタレントの中山エミリさんが登場!


王道を突き進む“美少女”が水着グラビアにも登場してくれた衝撃はすさまじかった。その後もドラマに映画にバラエティ番組に、常に求め続けられる彼女にとって、10代で経験したグラビアとはいったいどんな風景だったのだろうか?


取材・文・インタビュー写真/大村克巳


* * *


天真爛漫な美少女は街角でスカウトされて1994年に芸能界デビューをすると、瞬く間に人気者になっていった。『ポカリスエット』のCMではダチョウに乗るまで何度もチャレンジする姿が健気で、その屈託のない笑顔は世代を超えて多くの人を魅了した。今回のゲスト・中山エミリさん、その人である。


「グラビアアイドル」とはまた違う彼女の残した貴重なショットを見ながら、自身の青春時代と芸能活動を振り返りつつ、「今」という時代についての思いも聞かせていただいた。


――中山さんとは一度お会いしているんですね。随分と時間が経ってますが、TFMのタイアップのフリーペーパーで「食」について対談させていただきました。


中山 ほんとですか? まだ点と点が結びつかないですね。


――まあ緩い企画でしたから覚えてなくて当たり前です。もう10年位前ですかね。その頃と全然お変わりがない。


中山 いえいえ、時の流れは残酷だなと感じる今日この頃です。中身は全然成長してないですけど、外見は大人の階段上ってますから。


――これほど外見が変わらない方も珍しい(笑)。人生の折り返し地点もまだ先ですから。まだまだ先が長いですよ。


中山 ですかね(笑)。


週刊プレイボーイ1995年8号より(撮影/薮下修)


――週プレが55周年を迎えまして、今回の企画がスタートしたんですね。90年代のグラビアの中に、中山さんの素敵な写真もあります。そこで当時を振り返って、お話を聞かせていただきたいと思います。芸能界に入ったきっかけから教えてください。


中山 中学生3年生の頃、街でわかりやすく声をかけられて今の事務所に入って、そこからお仕事をすることになりました。


――まさにスカウトですね。芸能界に憧れとかはあったんですか?


中山 小さい頃はアイドルのフリフリの洋服を見て可愛いって思ってましたが、物心ついて「女優になるぞ」とかは全然なかったですね。最初に「やってみない?」って言われて、どんな世界かもわからないから、ちらっと見てみようかって感じで、大した決意もないままスタートしてしまって、気が付いたら今に至るって感じですかね。


――そうでしたか。きっと地元で評判の美少女だったんですね。


中山 いや~、どうなんでしょうかね?


週刊プレイボーイ1995年8号より(撮影/薮下修)


――スカウトされるんですからきっとそうですよ。声かけられて、迷いとかありませんでしたか?


中山 最初に声をかけられた時、テレビで事件を扱う番組を見ていたので、怖いとか騙されちゃうって思ってしまいましたが、スカウトしてくれたスタッフの方が熱心に話してくれて、「すぐそこに交番があるから身分証明するんで話を聞いてください」って。その人でなかったらこの仕事してないかもしれないですね。


――なるほど、信用できたんですね。ご両親に反対とかされませんでしたか?


中山 まだ中学生でお金を稼ぐ経験がなかったから、そこを心配してましたね。大人になるまでお金の管理は親がするってことで、特に芸能界がダメだってことはなかったです。


――僕の中で中山さんの印象は、やっぱり『ポカリスエット』のCMですね。強烈に残ってます。


中山 「そのCMは覚えてる」っておっしゃってくださる方もすごく多いです。当時は芸能界って世界がわかってないので、大人について行く感じでした。


週刊プレイボーイ1996年1&2号より(撮影/中村昇)


――そこがまた良かったんでしょうね。ピュアな感じがすごくいい感じで伝わった。今見ても色褪せてないですもの。中山さん自身が美少女という立ち位置から芸能界で何をやっていくか、っていうスタートラインに立って、様々なジャンルがある中で、グラビアのお仕事ってどう思いました?


中山 グラビアってナイスバディの方がやるものだと思っていたので、お話をいただいた時は「すみません、生粋の幼児体型でいいんでしょうか?」みたいな感じでした(笑)。番組だとスタッフさんがたくさんいますけど、グラビアのクルーは人数も少ないですし、ファミリー的にぎゅっと凝縮されてますよね。その時間は本当に居心地良く過ごすことができました。


カメラマンの方って上手く連れてってくれますよね。それまでは、ニコニコしてるかピースしてる位の写真しかなかったので、「今はちょっと笑わないで」とか、自分で考えるよりカメラマンさんに引っ張っていただきました。



*第2回は、2月13日(日)配信予定です


●中山エミリ

1978年、神奈川県生まれ。1994年にTVドラマ『おれはO型・牡羊座』でデビュー以来、以後、数多くのドラマ、映画、CMに出演。また、タレントや情報・バラエティ番組の司会としても活躍の場を広げる。2010年、プロライフセーバーで俳優の飯沼誠司と結婚。15年に女児を出産。


●大村克巳(おおむら・かつみ)

1965年、静岡県生まれ。写真家。

1986年にJPS展金賞受賞し。99年ニューヨーク・ソーホーでギャラリーデビュー。

2002年日韓交流事業「済州島」を日本と韓国で発表し、

2009年から2017年より毎年「NEWS ZERO展」を開催する。

個展、グループ展の開催多数。

著書に写真集『伝言 福山雅治』(集英社)、

『はだしのゲン 創作の真実』(中央公論新社)など。


スタイリング/長谷川睦子 ヘア&メイク/土橋大輔

衣装協力/MEIMEIJ(ワンピース)、SIMPRICH(ピアス)

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