Loves Denim TSUYOSHI KUSANAGI

草彅剛「ジーンズが僕の道しるべだ」──ヴィンテージ愛、そしてデニムの魅力を楽しく語る

いま欲しいヴィンテージは、ブランケットライナー付きで、背中がTバック(デニム地がT字につながっている)の、ペンキがついたこのGジャン「リーバイス519XXEE」!誰よりもデニムを愛し、誰よりもデニムに愛される草彅剛が改めてデニムについて語った。 写真・戎 康友 スタイリング・野口 強 ヘアメイク・荒川英亮 文・森口德昭(GQ)
草彅剛「ジーンズが僕の道しるべだ」──ヴィンテージ愛、そしてデニムの魅力を楽しく語る
「リーバイス 519XXEE」に合わせたヴィンテージジーンズは、同じくリーバイスの501XX。47モデルと呼ばれるそれの初期タイプで、ステッチがすべてイエロー。サイドステッチが長く、片面タブ。大戦モデルではなく、このモデルをジーンズの最高傑作とするマニアも多い。ちなみに、今回の撮影は世田谷にあるハーレー&トライアンフのカスタム修理の名店「SPICE MOTORCYCLES」で行った。ヴィンテージGジャン リーバイス 519XXEE ¥498,000、ヴィンテージジーンズ 501XX ¥498,000〈ともにベルベルジン〉 ユーズド Tシャツ 価格未定〈MINEDENIM/マインド〉 ヴィンテージ ブーツ ¥148,000、ヴィンテージ ベルト ¥29,800〈ともにセーラーズ〉

ボコッボコッボコボコッ! ヴィンテージデニムの申し子、草彅剛は、1941年の「ナックルヘッド」のハーレーダビッドソンに跨って登場した。

GQ フェンダー上にサタン。フロントタイヤにホイールカバー。いいカスタムですね。

草彅 そうそう。僕が手に入れた当時からついていて。1台1台違うっていうのが、ヴィンテージ・バイクの面白さだよね。ホイールカバーなんて、風の抵抗を受けて、ハンドルを取られちゃって、機能性はないんだけど(笑)。なんかね、この感じがかっこいいのよ。

GQ バイクにもハマっていたとは。

草彅 それこそデニムが好きだったからかな。デニムが写っている40sや50sのファッションフォトを見ると、バイクが隣にあることが多くて。それを見ているうちに、グローブを買って、ヘルメットを買って、ブーツを買って。バイクを買う前に、バイクファッションは全部揃えた(笑)。

GQ ジーンズも1942〜45年のS501XX(いわゆる大戦モデル)がお好きだと思うのですが、バイクもその年代がお好きですか?

草彅 そうだね。この「ナックルヘッド」の後に登場した「パンヘッド」(1948年〜)のハーレーも5台乗ったかな。なんかね、タッチが違う。そう、〝タッチが違う〟。だからかっこいいんだよ。『』で、リー・マーヴィンが乗っていたパンヘッドのハーレーも最高にクールで。なんだろうな、中途半端な俺だけど、男になれたかな、みたいな気分になれるわけ。まだ、かっこつけて乗っている状況だけど、僕が60歳や70歳になっても、いまと変わらず40sや50sのバイクに跨っていたら、板についてくるんじゃないかな。

"古くなるだけじゃなくて、そこに輝きがきちんとある。"

レザージャケット ¥140,000〈ADDICT CLOTHES JAPAN/アディクトクローズ〉 ユーズド Tシャツ 価格未定〈MINEDENIM/マインド〉 リーバイス ヴィンテージジーンズ 501XX ¥498,000〈ベルベルジン〉 ヴィンテージ ブーツ ¥148,000〈セーラーズ〉

GQ ヴィンテージの良さって?

草彅 アジ、かな。

GQ アジ?

草彅 うん。朽ち果てていくんじゃなくて、再生を繰り返しているじゃん。1941年のナックルヘッドなんて、もうすぐ80歳だよ! 100歳も目の前(笑)。そして、同じ目線でデニムを見ても、シワや傷があるからこその、かっこよさがある。人間もそれにつながるものがあるよね。

GQ もしかして、歳を重ねるにつれて、ますますヴィンテージがお好きに?

草彅 そうだね。共に生きている感じがあるし、先輩だよね、常に。古くなるだけじゃなくて、そこに輝きがきちんとある。今日のバイクも、このデニムも、登場するだけでみんなが「WOW!」ってなるじゃない!? この説明抜きのかっこよさ。そういう人になりたいよね。

……と、そこにいるだけでかっこいい草彅剛が、誰よりも楽しく、味わい深く、ヴィンテージを語ってくれた。

ライダースジャケット ¥550,000、デニムパンツ ¥68,000、ブーツ ¥110,000〈すべてSAINT LAURENT BY ANTHONY VACCARELLO/イヴ・サンローラン〉 ペンドルトン ユーズド シャツ ¥7,000〈サントラップ〉

ヴィンテージの上手な着こなし方

全身これ新品はかっこいいし、『GQ』のスタイリングはいつもそうだ。ただ、ヴィンテージやユーズドのアイテムを1〜2点、コーディネイトに投入するだけで〝よりリアル〟な世界観に仕上がることが多い。この空気感を感じ取ってみてください。

ヴィンテージGジャン リーバイス 213 ¥1,200,000〈ベルベルジン〉 シャツ ¥28,000〈MINEDENIM/マインド〉 中に着たタンクトップ ¥1,200〈サンタモニカ 表参道店〉
草彅 剛\

アーティスト1974年生まれ。1999年〜2003年まで、5年連続ベスト・ジーニストに選ばれ殿堂入り。2019年は西加奈子原作の映画『まく子』に主人公の父親役で出演。舞台では『家族のはなし PART Ⅰ』(京都劇場/5月4日〜6月1日)に主演する。