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プリンシプルのない日本

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「風の男」、そして「占領を背負った男」――戦後史の重要な場面の数々に立ち会いながら、まとまった著作は遺さなかった白洲次郎が、生前、散発的に発表した文章がこの一冊に。「他力本願の乞食根性を捨てよ」「イエス・マンを反省せよ」「八方美人が多すぎる」など、日本人の本質をズバリと突く痛快な叱責は、現代人の耳をも心地良く打つ。その人物像をストレートに伝える、唯一の直言集。

295 pages, Paperback

First published May 17, 2001

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Profile Image for Toshi.
186 reviews3 followers
July 20, 2017
白洲次郎は英国留学経験と明晰な頭脳を買われて、戦前〜戦後の政治の中枢に関わり、吉田茂のアドバイザーであり、日本国憲法が、GHQによって押し付けられた英語原案をほぼそのまま日本語訳されたものであることを証言している。また、第9条の戦争の放棄と自衛隊の矛盾についても、アメリカとソ連の関係が協力関係から冷戦の敵同士となったことによる、矛盾の始まりであることを実際に見聞きしていた人物である。この矛盾が未だに放置されていること。また憲法9条を守るなどと言っている人たちに「じゃあ自衛隊を廃止して在日米軍を強化してもらうのか」とか、また逆に、在日米軍はもういらないと言っている連中に対し、「防衛予算を大幅にアップする」などという筋の通ったことをいう政治家が70年間一人も出てきていないということも、問題である。

日本人は外から押し付けられた民主主義だから、その価値とそのプロセスをわかっていない、ということも言っている。まさにその通りだ。議会で徹底的に言論で戦うことをせず牛歩戦術だとか、暴力的に賛成多数の可決を阻止するなどというのは、言論の自由と民主主義政治に対する冒涜である。また政治家の発言の責任についても、様々な例を持って指摘されているが、現代でも全く同じだ。どうしてきちんと筋の通った説明ができないのか。またマスコミも問題の本質に対する批評を書くのではなく、上っ面の失言ばかりを捉えているのは幼稚だ。

現代の日本のこういった様々な問題は、終戦直後からあったのだと改めて納得。平成も29年、戦後72年になっても日本は基本的に本当に何も変わっていないということがよくわかる。また、日本の歴史、特に日本国憲法の成立過程、第9条の矛盾など、学校では教えられてこなかった、またマスコミも知らないのか無視しているのか、本質を伝えていないことが書かれている。現代日本人がまさに読むべき本だ。
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