Zidane MaterazziGetty Images

ジダン、頭突き事件を振り返る「マテラッツィには姉のことを言われた。彼女は具合が悪い母のそばにいた」「フランス代表での冒険はあれで終わらせない」

元フランス代表ジネディーヌ・ジダン氏が現役最後の試合、2006年ワールドカップ決勝イタリア戦の頭突き事件について振り返った。

ドイツW杯決勝イタリア対フランスは、7分にこれが現役最後の試合だったジダン氏がPKから先制点を決め、19分にマテラッツィ氏が同点弾を記録。1-1のまま延長戦に突入すると、ジダン氏が挑発したマテラッツィ氏に対して頭突きをして退場となり、結局PK戦の末にイタリアが優勝を飾っている。

50歳の誕生日の節目にフランス『レキップ』とのインタビューに応じたジダン氏は、この事件についても述懐。マテラッツィ氏は以前、挑発した経緯について「私にマークにつかれていた彼は苛立って、『俺のユニフォームはあとでやるから』と言ってきた。それに対して私は『ユニフォームよりもお前の姉ちゃんがほしいな』と返したんだ」と語っていたが、ジダン氏はなぜ頭突きをするまでに激昂したのか、その理由を明かしている。

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「あれはフランス代表、とりわけ私にとって最高の試合ではなかった。ああなってしまった、ということなんだよ。あの日、私の母は強烈な疲労感に襲われていた。私と姉は1日中、何度も話をしていたんだ。深刻なものではなかったものの、母の調子が良くなくて、私はとても心配していたんだよ」

「マテラッツィは私の母のことについて話したわけではないと言っていたが、それは確かだった。しかし、あのとき母のそばに寄り添っていた私の姉を侮辱したんだ……。異なるタイミングであれば、侮辱されても問題はない。しかし、あの日の私は壊れやすく、ああなってしまった、ということなんだよ」

ジダン氏は将来的にフランス代表監督となり、同チームで新たな歴史を書き記す意欲も示している。

「あれはまったく誇らしくない行為だった。が、それも私がしている旅の一部、自分のキャリアの一部、人生の歴史の一部なんだよ。だから、言わせてもらうが、フランス代表での冒険は終わっていない。あんな形で終わらせたくない。まだ、終わっていないんだ」

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