キリンの首はどうして長いの?
それはね、多分キリンのご先祖様は高い木の葉っぱを食べていて、そして葉っぱをたくさん食べられる首の長い種が生き残っていったからなんだ。
…でも、そのもっともらしい理由も推測の域を出ておらず、事実ははっきりとは解明されていません。キリンの首が長くなった理由については、ほかにも乾燥した環境で生き延びるためとか、体温調整をするためだとか、現在少なくとも6つの仮説が存在するそうです。
「Journal of Arid Environments」では、あらたな仮説を立てた論文が発表されました。「これまで行なわれてきたキリンの表面積を定量化するひとつの試みは、体温調節能力ではなく浮力と潜在的な泳力を決めるというコンテクストにあった」と著者陣は論文で述べています。もしかすると長い首によって増える表面積と質量はキリンの体温調節能力と関連するのかもしれない、とも。あくまで確信はないようです。
キリンの体重を測るだけなら計算は簡単ですが、表面積を測るのはそう簡単ではありませんでした。そこで著者たちは30匹のオスと30匹のメスの標本のデータを「キリンの表面を頭部、頸部、胴部、下肢の4つの構成要素にわけて計算した」そうです。この調査では、キリンの表面積の平均7.4平方メートル弱で、非常に狭い部屋ほどになりました。キリンのサイズによって、それぞれの表面積は約2~11.7平方メートルだったとのこと。
結果、キリンは体温調節機能に十分有利な表面積対質量比を持ってはいませんでした。ですが著者たちは依然として、キリンの長い首と脚が体温を冷やす大切な役割を持っているんではなかろうか?と考えているようです。
つまりポイントとしては、キリンの首が長い理由はまだ研究では解明されておらず、結果もひとつの答えとは限らない可能性があるということ。長い首は食糧へのアクセスや体温調整を含む複数な条件下で進化してきたと考えられています。
進化の過程はフクザツ。スッキリとしない研究結果の話になってしまいましたが、何億年もかけて進化してきた動物の謎がそう簡単にわかってたまるかということですね。
ちなみにキリンってどうやって産まれるのか気になったことはありませんか? 以下の動画は2008年にメンフィス動物園で撮影されたキリンの赤ちゃんが産まれる瞬間です。
あああ、なんだか目が離せない…!
母親は歩きながら文字通り赤ちゃんを産み落とし(それもボトっと)、しばらく赤ちゃん動かないし大丈夫なのかとハラハラ。でも母キリンが優しく舐めるとキリンの赤ちゃんは動き出します。キリンも産まれてすぐからその長い首は座ってるし、立つこともできるんですね。人間の赤ちゃんが自分で立つまで1年弱はかかるというのに。本当に地球の生き物は多様性に満ちています。
Image: Shutterstock
Source: Journal of Arid Environments , Nature ,Youtube
Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US[原文](mayumine)