コロンビアの家庭料理を盛り合わせたランチプレート(手前)とサラダ

 コンビニのコーヒー売り場などでよく名前を目にする南米のコロンビア。一大産地として有名だが、それ以外の食べ物は知らなかった。自称“食べ歩き記者”としてあってはならないことだ。福井県のJR福井駅西口のアーケード沿いに、現地の家庭料理が味わえる店があるという。期待と不安を胸に、早速向かった。

 「現地で広く栽培されているトウモロコシや豆を使った料理が多いのよ」と、結婚を機に30年ほど前に来福した店主の米田パトリシアさん(59)。南米の気候のような(行ったことはないが…)陽気な笑顔で教えてくれた。

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 あれこれ食べたいと欲張りな注文をすると、盛り合わせた大皿を出してくれた。中央に陣取るのは「アレパ」という丸い生地。トウモロコシの粉を練って焼いてあり、ナンに似ている。コロンビアでは毎日食べるパン代わりだそうで、ほんのり甘みを感じる。上にのった太いチョリソーが存在感を放っており、野菜とサンドしてかぶりつく。しっとり生地にチョリソーの塩気、しゃきしゃき野菜が相性抜群だ。

 「辛いの大丈夫?」と出してくれたのが「アヒ」というソース。みじん切りのタマネギ、トマト、ハバネロを酢につけ込んであり、各家庭で作る調味料らしい。ハバネロは罰ゲームで食べるイメージだが、サンドに載せると…。えっ、ほどよい辛さでおいしい! 適量なら抜群のスパイスだった。

 皿の端っこでいぶし銀の役割を果たしているのが、「エンパナーダ」という揚げ物。「日本で言うコロッケね」とパトリシアさん。トウモロコシ粉の衣がさっくさくで、中からほっくほくのジャガイモと鶏肉がお目見え。付け合わせとあなどることなかれ。これ、個人的にはコロッケより好きかも。

 もう一品は山盛りサラダ。世界トップクラスの生産量を誇るアボカドに加え、ひよこ豆やパクチーがどっさり。くせがない豆のほくほく感やアボカドのクリーミーさにどはまりしそう。

 平らげた皿を見て「グラシアス!」(スペイン語でありがとう)とパトリシアさん。コロンビア料理を味わえる場所を福井に作ってくれて、こちらこそグラシアス!

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◇リカレパ 福井県福井市中央1丁目22の5(パブリックハウスおいち1階)。営業時間は木、金、土曜の午前11時~午後3時。上記以外の曜日には本店(同市木田町9の20)で、電話注文しテイクアウトできる。電話090ー8092ー4175。

鶏肉のトマト煮込みの作り方

 ニンニクの風味とタマネギの甘さが食欲をそそる「鶏肉のトマト煮込み」はコロンビア版“肉じゃが”とパトリシアさん。ネットで買える現地の調味料トゥリギサーラを入れれば、より本格的な味が楽しめる。