2012(平成24)年に『置かれた場所で咲きなさい』を刊行し、200万部を超すベストセラーになった著者でクリスチャンのシスター渡辺和子さん。昨年、2016(平成28)年、12月23日のクリスマス・ミサを終え、27日「ノートルダム清心学園」での仕事を終えた後、30日にすい臓がんのため、永眠。「ノートルダム清心学園」内の修道院にて静かに息を引き取りました。

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3500人もの参列者のなか渡辺和子さんの葬儀が行われました。

翌2017年2月12日の学園葬では、宗教を異にしながらも親交を深めた曹洞宗尼僧の靑山俊董(あおやましゅんどう)老師や、二・二六事件で父を襲撃した青年将校の遺族・安田善三郎さんも列席した。葬儀で青山俊董老師が贈った弔辞の内容を以下に掲載します。

和子先生、こんな形で先生とお別れしなくてはならなくなるとは夢にも思っておりませんでした。

「いつ永遠の別れになってもよいように」、「一度一度の出会いを大切に」と、口では申しておりましたが、

遥かに遥かに遠いわたくしでございました。(中略)

半年ほど前の先生からのお手紙には「生きていて、元気でしたら」と添え書きがされていたことを忘れません。

先生の、死を目前に見据えての一句と私のそれは遥かに違うことで、恥じるとともに学ばせていただきました。(中略)

20年近い歳月、お目にかかる度に、

「真理はひとつ。切り口の違いで争わない。さらに一歩進めて切り口の違いは尊重し合い、学び合っていこう」との思いを深めて参りました。

(中略)「時間の使い方は命の使い方」というお言葉を初め、足元を照らし、行く手を照らすお言葉を多く頂戴し、胸に深く刻ませていただいております。

どうぞ生死の境を超えて、これからも深い静かなほほえみの中に私どもをお見守り下さい。

お導き賜りますようお願い申し上げ、今生にての、ひとたびの御礼とお別れのご挨拶とさせていただきます。   弔辞
ノートルダム清心学園「シスター渡辺和子」学園葬にて
靑山俊董(曹洞宗愛知専門尼僧堂堂長)

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5歳で寺の生活に入った青山老師。渡辺和子さんとは、宗派は違えど「目指すいただきは同じ」と親交を保っていた。

■渡辺和子さんの生原稿が展示されています

「渡辺和子前理事長追悼展示」

2017年4月1日~6月30日 

9時~16時(月~金曜) 
9時~12時(土曜) 学園内の「ヨゼフホールA棟1階」にて、
故・渡辺和子さんの万年筆や直筆の原稿などを展示し、
メモリアル映像も上映予定。

問合せ:「ノートルダム清心女子大学 資料編纂室」
岡山市北区伊福町2-16-9 ☎086-252-3107
http://www.ndsu.ac.jp/


撮影=森山雅智 編集=吉岡博恵