今月は、12月5日から公開の映画『杉原千畝 スギハラチウネ』で実在の外交官・杉原千畝を演じる俳優の唐沢寿明さんが小誌初登場。辛酸なめ子さんの連載「この人を深掘り!」で、新作映画に関しての話などを語ってくれました。
唐沢寿明
実在した外交官の姿を描く映画『杉原千畝』。杉原千畝(すぎはらちうね)は第二次世界大戦下、リトアニアのカウナスという都市で日本領事館領事代理として赴任。ナチス・ドイツによって迫害されていたユダヤ人にヴィザを粛々と発行し6000人もの命を救った、日本版シンドラーとも言われる偉人です。海外ロケで壮大なスケール感の漂う感動作。唐沢さんご自身は、杉原千畝氏にどんな印象を抱いていたのでしょう?
「ユダヤ人にヴィザを出した日本人がいるというのは知っていたけど、名前は知らなくて。周りの人も結構知らない人が多かったので、今回観ていただけたら覚えてもらうチャンスになりますよね」
劇中では流暢に英語を話される唐沢さん。「あれは吹き替えだから」と真顔で嘘を言っていましたが、撮影前にマンツーマンでの特訓を受けたことを教えてくれました。
唐沢寿明
唐沢寿明さんと辛酸なめ子さんはこの日が初対面でしたが、インタビュー当日はいきなり2ショットからの撮影に。ふだんから気さくで陽気な唐沢さんとは対照的に、人見知りの強い辛酸さん。「人と目を合わせるのが苦手で……」と戸惑うばかり。
フォトグラファーから何度も、「辛酸さん、もう少し唐沢さんに寄ってください」「お互い見つめ合って、視線合わせていただけますか」とのリクエストが。そんな辛酸さんを見て、「君、面白いね」と、唐沢さん。「じゃあ、ここ見たらいいんじゃない?」と、左の写真のように、目線の位置を指示してくれました。
ようやく目を合わせることができた辛酸さんに、今度は、「君の目って、ビー玉みたいだね。これから“ビー玉ちゃん”って呼んでいい?」と言う唐沢さん。再び、恥ずかしそうに下を向く辛酸さんでした……。そんな撮影を経てからはじまったインタビューでは、新作映画のことはもちろん、唐沢さんの仕事論までをじっくりと伺うことができました。
そんな唐沢さんと辛酸さんのやりとりや映画『杉原千畝』の詳細、辛酸さんが描くユニークな一筆御礼は、『婦人画報』12月号 P440~にてご覧ください。
撮影=宇壽山貴久子 スタイリング=勝見宜人(Koa Hole inc.) ヘア&メイク=古久保英人(Otie)