1980年に原敕晁(はら・ただあき)さん(当時43歳)を北朝鮮に拉致した実行犯として、日本の警察が国際手配している韓国籍の元工作員について、韓国から「死亡した」との情報が寄せられていたことがわかった。

国際手配の金吉旭容疑者と辛光洙容疑者
国際手配の金吉旭容疑者と辛光洙容疑者
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韓国籍の元工作員・金吉旭(キム・キルウク)容疑者について、日本の警察当局は北朝鮮の工作員だった辛光洙(シン・グァンス)容疑者とともに、1980年6月に大阪市の原敕晁さんを宮崎市の海岸から北朝鮮に拉致した疑いで逮捕状を取り、国際手配していた。

数年前に韓国で死亡したという情報が日本側に

捜査関係者によると、金容疑者は生きていた場合95歳になるが、数年前に韓国で死亡したという情報が、1年ほど前に日本側に寄せられていた。

金容疑者は数年前に韓国で死亡
金容疑者は数年前に韓国で死亡

日本側は、韓国側に確認書類を求めるなど情報収集を進めていて、死亡が確認されれば、容疑者死亡のまま書類送検することになる。

国際手配の11人のうち死亡情報の浮上は初めて
国際手配の11人のうち死亡情報の浮上は初めて

一連の拉致事件で、11人が国際手配されているが、死亡の情報が浮上するのは初めて。

一方、松野官房長官は、記者会見で「警察から指摘の人物の消息を含め、関連情報の収集を行っているとの報告を受けている」と述べるにとどめた。

そのうえで、「すべての拉致被害者の1日も早い帰国」に取り組む姿勢をあらためて強調した。
(「Live News days」10月24日放送より)

社会部
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