2023.06.25
それでも、働く~5類移行後のエッセンシャルワーカー~
今回の目撃者fは、
ことし5月8日、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が、季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられました。
2020年1月に国内で初めての感染者が確認されてから3年あまり。“コロナ禍”に1つの区切りがついたことになります。
当初は“未知のウイルス”だった新型コロナ。人々は感染におびえ、拡大を抑え込むために異例の外出自粛要請がとられました。
緊急事態宣言が出され街角から人影が消え、リモートワークが推奨されました。そんな状況の中で「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる職種の人たちは、社会活動を維持するために仕事を続けました。
クラスターが発生した医療機関が批判にさらされることもありましたが、多くのエッセンシャルワーカーにはこの時、“ヒーロー”として感謝と称賛の声が送られました。
「5類引き下げ」後の今、“感謝ブーム”はどこへ? エッセンシャルワーカーの仕事はもう大変ではないのでしょうか?
いいえ、彼らは今も闘い続けています。
「あなたにとってのコロナ禍」とは?
社会が変わり始めた今だから口にできるエッセンシャルワーカーたちの思いを集め、一人ひとりにとってのこの3年間の意味を考えます。
それでも、働く~5類移行後のエッセンシャルワーカー~
2020年4月、まだ「コロナ禍」初期のころ。福岡市早良区の福岡記念病院では職員たちが、これまで経験したことのない感染症と対峙していました。
職員や患者十数人が新型コロナ陽性となる「クラスター」が発生し、病院には厳しい批判の声が殺到します。「医療人失格」「福岡の足を引っ張るのもほどほどにしてください」などなど。
心が折れそうになりながらも医療従事者としての使命感で患者の治療にあたる職員たち。「未知のウイルスへの恐れがあったのだろう。気持ちも分からなくはない」と院長は当時を振り返ります。
批判と同時に世間ではコロナ医療の最前線で闘う人々への感謝の声も大きくなり、それは福岡記念病院にも届きます。引いたと思えばさらに大きくなり寄せるコロナの波。
この3年あまりを職員一丸となって乗り越え、迎えた「5類引き下げ」後の今、院長が思う福岡記念病院にとってのコロナ禍とは。
ごみ収集作業員の男性は、毎日深夜0時にパッカー車に乗って車庫を出発し、家の前やマンションのごみ置き場に出された家庭ごみの袋を回収して回ります。
ごみの中には、ティッシュ・マスクなどウイルスの付着が気になるものも。袋の閉じ方が甘いと中身が飛び出て、落ちたマスクを手で拾わざるをえないこともあります。
それはこれまでのコロナ禍でも5類引き下げ後のいまも変わらぬ男性の仕事の一部です。一時期、ごみ収集などの「エッセンシャルワーカー」に届けられた「感謝」の声や手紙。
いまはまったくないと言います。「ふつうに戻っただけ」。男性はそうつぶやくときょうも淡々とごみを集めます。
称賛と忘却。
これまでのコロナ禍でも5類引き下げ後のいまも、仕事は続きます。
目撃者f
2023年6月25日(日)深夜1時25分
ことし5月8日、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が、季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられました。
2020年1月に国内で初めての感染者が確認されてから3年あまり。“コロナ禍”に1つの区切りがついたことになります。
当初は“未知のウイルス”だった新型コロナ。人々は感染におびえ、拡大を抑え込むために異例の外出自粛要請がとられました。
緊急事態宣言が出され街角から人影が消え、リモートワークが推奨されました。そんな状況の中で「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる職種の人たちは、社会活動を維持するために仕事を続けました。
クラスターが発生した医療機関が批判にさらされることもありましたが、多くのエッセンシャルワーカーにはこの時、“ヒーロー”として感謝と称賛の声が送られました。
「5類引き下げ」後の今、“感謝ブーム”はどこへ? エッセンシャルワーカーの仕事はもう大変ではないのでしょうか?
いいえ、彼らは今も闘い続けています。
「あなたにとってのコロナ禍」とは?
社会が変わり始めた今だから口にできるエッセンシャルワーカーたちの思いを集め、一人ひとりにとってのこの3年間の意味を考えます。
それでも、働く~5類移行後のエッセンシャルワーカー~
2020年4月、まだ「コロナ禍」初期のころ。福岡市早良区の福岡記念病院では職員たちが、これまで経験したことのない感染症と対峙していました。
職員や患者十数人が新型コロナ陽性となる「クラスター」が発生し、病院には厳しい批判の声が殺到します。「医療人失格」「福岡の足を引っ張るのもほどほどにしてください」などなど。
心が折れそうになりながらも医療従事者としての使命感で患者の治療にあたる職員たち。「未知のウイルスへの恐れがあったのだろう。気持ちも分からなくはない」と院長は当時を振り返ります。
批判と同時に世間ではコロナ医療の最前線で闘う人々への感謝の声も大きくなり、それは福岡記念病院にも届きます。引いたと思えばさらに大きくなり寄せるコロナの波。
この3年あまりを職員一丸となって乗り越え、迎えた「5類引き下げ」後の今、院長が思う福岡記念病院にとってのコロナ禍とは。
ごみ収集作業員の男性は、毎日深夜0時にパッカー車に乗って車庫を出発し、家の前やマンションのごみ置き場に出された家庭ごみの袋を回収して回ります。
ごみの中には、ティッシュ・マスクなどウイルスの付着が気になるものも。袋の閉じ方が甘いと中身が飛び出て、落ちたマスクを手で拾わざるをえないこともあります。
それはこれまでのコロナ禍でも5類引き下げ後のいまも変わらぬ男性の仕事の一部です。一時期、ごみ収集などの「エッセンシャルワーカー」に届けられた「感謝」の声や手紙。
いまはまったくないと言います。「ふつうに戻っただけ」。男性はそうつぶやくときょうも淡々とごみを集めます。
称賛と忘却。
これまでのコロナ禍でも5類引き下げ後のいまも、仕事は続きます。
目撃者f
2023年6月25日(日)深夜1時25分