腕を身代わりに被弾が許されるシステムが画期的

 いまから38年前の1986年(昭和61年)1月4日は、ファミリーコンピュータ用『ツインビー』が発売された日。

 『ツインビー』は、KONAMIから発売されたシューティングゲーム。1985年3月からアーケードゲームとして稼動していた人気作だったため、当時のゲームキッズには待望の移植作だったんじゃないだろうか。

 ふたりで協力プレイができるシューティングゲームの先駆けとなる作品でもあったので、ファミコン版を友だちや家族といっしょに遊んだ思い出もあるのでは?

 1980年代のシューティングと言うと戦争モノやSFのような、どちらかと言えばハードな世界設定が多い中で『ツインビー』はかなり異質な存在だったことも印象深い。なにしろ自機から敵にいたるまで登場するすべての要素が可愛らしいデザインになっていたからだ。野菜や果物、キッチン用品などをモチーフにしたファンシーな敵たちが襲ってくる光景には筆者も面食らった記憶がある。

FC版『ツインビー』が発売された日。ふたり同時に遊べるシューティングの草分け。ポップな世界観やベルによるパワーアップ、合体攻撃が印象深い作品【今日は何の日?】

 本作の目的は、平和なドンブリ島に突如として攻めてきたスパイス大王率いる軍勢を撃退すること。プレイヤーはシナモン博士が開発した2機の戦闘機ツインビーとウインビーに乗り込み、島の平和を取り戻すために戦いを挑んでいく。

 当初の設定でのパイロットは“アンナモン”、“ドンナモン”という名前だったようだが、シリーズを重ねるごとに新たな設定が盛り込まれた。1991年にアーケード版がリリースされた『出たな!!ツインビー』以降はツインビーには男の子が、ウインビーには女の子が搭乗するように。さらに1993年のラジオ番組『ツインビーPARADISE』内でツインビーの搭乗者にはライト、ウインビーにはパステルというパイロット名が与えられ、ようやく現在おなじみの設定となった。

 “ウインビー国民的アイドル化計画”といったキャンペーンも行われ、やがてパステルは人気キャラクターへと成長。現在も稼動中の人気アーケードゲーム『ボンバーガール』にも出演を果たしているので知っている人も多いことだろう。

FC版『ツインビー』が発売された日。ふたり同時に遊べるシューティングの草分け。ポップな世界観やベルによるパワーアップ、合体攻撃が印象深い作品【今日は何の日?】

 『ツインビー』は自機のパワーアップ方法がユニーク。ステージ中の雲をショットで攻撃すると“ベル”が出現することがあり、これをゲットするとベルの色に応じてスコア獲得、ツイン砲、スピードアップ、分身、バリアといった恩恵が受けられる。

 ベルは放って置くと画面下へと消えてしまうため、ショットで撃って落下しないようする必要がある。しかし、攻撃を当てるごとにベルの色が変化してしまう。ゆえに自分がパワーアップしたいベルの色で攻撃をやめて入手、といきたいところなのだが、戦いながらなのでこれがなかなか難しい。

 ベルに集中すれば敵の弾に当たってしまうし、逆に敵に注意を向ければ欲しい色を通り越してベルを撃って色を変えてしまう……。しかもベルは同時にたくさん出現するので、管理するだけでも大わらわ。何とも言えない歯がゆい思いをしがちではあるものの、複数のベルを思い通りに管理して連続でパワーアップしたときの気持ちよさも格別だった。

FC版『ツインビー』が発売された日。ふたり同時に遊べるシューティングの草分け。ポップな世界観やベルによるパワーアップ、合体攻撃が印象深い作品【今日は何の日?】
FC版『ツインビー』が発売された日。ふたり同時に遊べるシューティングの草分け。ポップな世界観やベルによるパワーアップ、合体攻撃が印象深い作品【今日は何の日?】
こちらの画面はアーケード版準拠のもの(アーケードアーカイブス版)。ファミコン版は完全移植というわけにはいかなかったが、明るい雰囲気や2Pプレイの楽しさはしっかり引き継いでいた。

 本作では空中と地上の2種類の攻撃方法が存在。飛行してくる敵にはショットで対抗し、地上の敵には機体の両側に生えた2本のアームでボムを投げて攻撃する。風変わりだったのは、うっかり敵弾に当たってしまってもツインビーやウインビーは即爆発せずに生き残れるところ。代わりに両方のアームを失い(アーケード版は片方ずつ)、地上攻撃ができなくなるというデメリットはあったが、被弾をセーフにしてくれるのが何より画期的だった。しかも1回は救急車が登場して救済してくれるのだからじつにやさしかった。

 ふたり同時プレイということもあって特殊な“合体攻撃”ができたのも斬新な試みだったのではないだろうか。ツインビーとウインビーが横に並んで手を繋ぐと、強力な“ファイヤー攻撃”が可能になる。また、縦にツンツンと接触すれば5方向の拡散ショット“スター攻撃”になった。うまく活用するのは難しかったと思うが、いままでになかったアイデアということもあってしっかり覚えている。ただ、機体どうしが接触するのをいいことにジャマのしあいになりがちだった記憶も……。

 もしいまファミコン版『ツインビー』で遊びたい場合は、Nintendo Switch Onlineに加入してしまうのが手っ取り早くい。加入特典で遊べるファミコンタイトルのラインナップの中にあるのでおすすめだ。また、原作となるアーケード版を遊びたいならアーケードアーカイブス版が発売中なのでそちらをチェック!

『アーケードアーカイブス ツインビー』(Switch)の購入はこちら (マイニンテンドーストア) 『アーケードアーカイブス ツインビー』(PS4)の購入はこちら (PS Store)
これまでの今日は何の日?