“ヨコオタロウ”の名を世に知らしめた作品
いまから19年前の2003年（平成15年）9月11日は、プレイステーション2用ソフト『ドラッグ オン ドラグーン』が発売された日。
本作は後に『NieR:Automata（ニーア オートマタ）』が世界的にヒットするヨコオタロウ（横尾太郎）氏とスクウェア・エニックスのタッグによるアクションRPG。ちなみに、もともとはエニックスから発売する予定でしたが、2003年にエニックスがスクウェアと合併したため、スクウェア・エニックスから発売されました。
主人公は、帝国軍によって母国を滅ぼされたカイム。連合国軍の傭兵になって戦いの日々を送るなかで致命傷となる深手を負ってしまった彼は、捕らわれていた瀕死のレッドドラゴンと出会い、生き延びるために“契約者”となる道を選びます。
強大な力を手に入れたものの代償として声を失ったカイムは、レッドドラゴンとともに各地を転戦することになる……というストーリーです。
カイムとレッドドラゴンの声を務めるのは、俳優のピーターこと池畑慎之介氏。カイムを池畑慎之介、レッドドラゴンをピーターとして2役担当しています。ゲームの仕事は初めてだったそうですが、見事なハマり役でした。余談ですが、その後ピーターさんは『ニーア・レプリカント』で白の書、『ドラッグ オン ドラグーン3』でミカエルも演じています。
ストーリーはマルチエンディング。A～Eまで5つの種類があり、どれも深く心に刻まれるような衝撃的なものだらけで、後になっていくほど難解で救いのないものに。
後のインタビューで、この見せかたは『新世紀エヴァンゲリオン』のオマージュだったとが明かされています。詳細の説明は省きますが、きっと多くの方の心に残っているのはDエンディングではないでしょうか。自分はトラウマになっています……。
バトルは、カイムを操作して剣による斬撃と魔法を駆使して戦う地上戦（地上モード）、地上戦でレッドドラゴンを召喚して群がる敵を一掃する低空戦（低空モード）、レッドドラゴンに騎乗してモンスターや帝国軍の戦艦と戦う空中戦（上空モード）が存在。敵を撃破することで武器のレベルが上がり、その武器の背景となる“ウェポンストーリー”が解禁されるという要素もありました。
移植やリメイクはされていないのでPS2でプレイするしか遊ぶ方法はないですが、間違いなく本作だけにしかない魅力がある怪作なので手に取ってみてほしいです。とくに『ニーア オートマタ』でヨコオ作品の魅力を知った人にぜひオススメです！
