『爆剣～東京転生死合～』全員変人＆凶人の剣豪たちが暴走する魔王・信長と現代の新宿で対峙！そして物語は意外な方向に……

　2022年2月25日17時、出演者のひとり新型コロナウイルス陽性者が出たため、舞台『爆剣～東京転生死合～』の本日2月25日18時30分以降の5公演は中止となることが発表された（ニコ生の配信も中止）。とても残念でならないが、いつか『爆剣～東京転生死合～』の再上演を期待したい！

以下、告知文

舞台『爆剣～東京転生死合～』公演中止のお知らせ

　2月23日から、六行会ホールで開催しておりました「舞台爆剣～東京転生死合～」ですが、本日2月25日に出演者の一人に新型コロナウイルス陽性者が出た為、本日18時30分以降の5公演は中止とさせていただきます。稽古中より感染対策を徹底して行い、稽古期間中から2月22日までに実施した2度の検査では全員の陰性を確認しておりましたが、別件で実施されたPCR検査におきまして陽性と判断されました。

中止となるのは、下記の5公演になります。

2月25日(金) 18:30
2月26日(土) 13:30/18:30
2月27日(日) 12:00/16:30

また本日（2 月25 日(金) 18:30）予定しておりましたニコニコ生放送も配信中止となります。

上記のチケットをお持ちのお客様には払い戻しを承ります。詳細については、後日改めて発表させていただきます。

公演を楽しみにして頂いていた皆様には本当に申し訳ありません。

お手数おかけし申し訳ありませんが何卒よろしくお願い申し上げます。

株式会社イルカ

残り５公演中止のお知らせ公演を楽しみにして頂いていた皆様には本当に申し訳ありません。 #爆剣弐 https://t.co/TV0sbowogN
— 爆剣〜東京転生死合〜 (@BAKUKEN_ST) 2022-02-25 17:00:06

大変残念ですが「必ずどこかのタイミングで公演やる」と関谷Ｐと決めました。脚本に至っては、むしろ良くなって戻って来る可能性が高いので、今しばらくお待ち下さい。 #爆剣 #爆剣弐 https://t.co/IRwzpqS8wE
— yokotaro (@yokotaro) 2022-02-25 17:14:02

　昨年2021年3月に上演された舞台『爆剣～幕府御前試合～』。同舞台から続く物語『爆剣～東京転生死合～』の上演が2022年2月23日、東京都六行会ホールにてスタートした（2月27日まで全8公演）。

　舞台『爆剣』は『NieR』シリーズのディレクターを務めるヨコオタロウ氏が原作・脚本を務め、同氏の舞台ではお馴染みの松多壱岱氏が演出を手掛ける。本稿では、そんな舞台『爆剣～東京転生死合～』のゲネプロからその内容をリポートする。

【ニコ生もあり】『爆剣～東京転生死合～』全員変人＆凶人の剣豪たちが暴走する魔王・信長と現代の新宿で対峙！そして物語は意外な方向に……

現代に転生した剣士たちと信長

　まずは、本作の物語の概要を紹介。

　舞台は人々の欲望が淀む大都会、東京の新宿。かつて世界を滅ぼそうと目論んでいた織田信長（鵜飼主水さん　@mondo1959）は、その野望を小野善鬼（黒木文貴さん　@96taka3）、塚原卜伝（川渕かおりさん　@KaoriKawabuchi）、ヤツメ（雛形羽衣さん　@ui_hinagata）、平賀源内（佐藤智広さん　@satotomohiro420）といった剣士によって打ち砕かれ、窮地を迎える。だが、魔王・信長はその魔力により、森蘭丸（宮ノ尾美友さん　@miyu_miyanoo）、柳生宗矩（小栗諒さん　@rrryooo_0327）、柳生三厳（桜町たろさん　@sakuratarosan）といった信長を崇拝する者たちを従えて、現在の東京に転生する。

　それから百年の時を越え、剣士たちも転生。現代でも不穏な動きを見せる信長に、再び剣士たちが立ちはだかるが……。

　『爆剣～東京転生死合～』は、前回の『爆剣～幕府御前試合～』の登場人物たちが現代に転生し、現代劇として展開する。織田信長はチャラいサラリーマン、剣豪の小野善鬼や幻術士の森蘭丸、柳生三厳は高校生、柳生宗矩はその先生、ヤツメはバーの経営者（小野善鬼がバーでバイト）で塚原卜伝は刑事、平賀源内はデイトレーダーといった感じで、百年前の勇ましい姿とは違いつつも、それぞれの特徴を活かしつつ、現代の社会に馴染んでいるのがおもしろい。

　そして新たに登場する天真爛漫なシロ（鶴見萌さん　@tsurumi_moe）、近藤勇（松原凛さん　@rinpkninja）が物語どう絡んでくるのかは、ぜひ舞台を観て確かめていただきたい。

ニコ生で初演『爆剣』が再配信、『爆剣～東京転生死合～』の2月25日公演も配信予定

　ところで本舞台は、前回を知らないと理解できない内容にはなっていないうえ、人物紹介的なことは舞台の序盤で説明されるので、『爆剣～東京転生死合～』から観劇してもまったく問題ない、という点は保証しておく。

　とは言っても、『爆剣～幕府御前試合～』で剣士たちと信長たちの過去の因縁を詳しく知りたい、という方は、現在、ニコ生で再放送されているので、そちらを利用するといいだろう（視聴には1000円[税込]が必要）。なお、『爆剣～東京転生死合～』の2月25日公演も配信予定で（5000円[税込]）、そちらの通しチケットだと2公演を5500円[税込]で視聴できる。

初演『爆剣』～幕府御前試合～再放送
『爆剣～東京転生死合～』2月25日公演放送

舞台の臨場感、映画のような迫力を兼ね備えた作品

　舞台『爆剣』は、殺陣はもちろん、剣士たちや幻術士が持つスキルがスクリーン映像で演出され、ファンタジー色もある剣戟アクションとなっていて、舞台の臨場感と映画の迫力を兼ね備えたような舞台になっているのが特徴のひとつ。本公演ではそれがさらに磨きがかっており、剣士たち固有の能力がより際立っていた印象だ。

　現代の衣服を身に纏った剣士たちの剣戟もスタイリッシュ。休憩を挟んだ後半にはお色直し的な衣装変更もあり、舞台の彩りに変化をつけてくれる。

変人、凶人、サイコパス……登場人物はクセの強い者ばかり

　本作の物語をもう少し明かすと、転生に失敗した信長は分裂し、日本各地に信長が出没。だが、分裂したためか魔王・信長ではなく、小悪党な信長に成り下がっていた。転生した剣士たちは、そんな信長たちを見つけては日々、始末していた――。

　そんな正義の味方のような剣士たちだが、じつは変人だったり、凶人だったりとクセ者揃い。しかも、今回は小悪党と化した信長は「信長様を汚す者」と、森蘭丸や柳生親子も信長たちの始末に加わる……という、先がなかなか読みづらい物語に。

　“昨日の敵は今日の友”的な胸アツな展開だけれど、登場人物はみんな変人だし、凶人だし、サイコパスだし、ヨコオさんだしってことで、いろいろ想像していただければ。

音楽は『NieR』シリーズを中心にした岡部サウンド

　音楽は“世界のOKABE”こと岡部啓一氏の楽曲が使われており、『NieR Re[in]carnation（ニーアリィンカーネーション）』の楽曲も初めて舞台で取り上げられている。『リィンカネ』は新章“太陽と月の物語”が展開中だが、その主人公は高校生で、本舞台の小野善鬼も高校生。家族に問題を抱えていそう、という境遇だったり、森蘭丸や柳生親子が通う高校の制服が白だったりと、“太陽と月の物語”の主人公と少し共通しているのはヨコオワールドの符号の一致のような感じで興味深い。