巨大コントローラーの存在感がとにかくスゴい!

 いまから18年前の2002年(平成14年)9月12日は、Xbox用ソフト『鉄騎』が発売された日。

 『鉄騎』は、カプコンから発売された二足歩行ロボット(Vertical Tank)の操縦シミュレーションゲーム。カプコン公式のジャンルでは“操縦”と表記されていたことからも想像が付くとおり、本格的でリアルなロボットの操縦をトコトンまで追求した意欲作に仕上がっていて、発表当時とくにロボット好きのユーザーから非常に多くの注目を集めた。

 なかでも大きな話題を呼んだのが、圧倒的なまでの威容を誇った、本作だけで使える“専用コントローラー”。横幅88センチという、その巨大さもさることながら、付いたスイッチは40個以上ととにかく数が半端ではなく、家庭用ゲーム機の長い歴史の中でもかなり特殊な部類になるだろう。

 操縦桿のほか、ハッチの開閉ボタンやエンジン始動ボタンなど、それぞれがしっかり役割を持つボタンがズラリと並ぶ。ロボットの起動までですら複雑な手順を踏むのでカジュアルなプレイヤーはパニックになると思うが、ロボット好きにとってはこの煩雑な操作が逆にタマラナイのだ。フットペダルもあって自動車のアクセル・ブレーキのような要領で歩行が可能と、ここだけは『戦闘メカ ザブングル』のウォーカーマシンみたいなノリに近い。変わり種としては“緊急脱出ボタン”というものがあり、やられた際にしっかり脱出できないと戦死扱いでセーブデータが消去されるという懲りようだった。

『鉄騎』がXbox向けに発売された日。40個以上ものボタンが付いた巨大コントローラーが話題を呼んだ、複雑でリアルな操縦を体験できる画期的な作品【今日は何の日?】

 読み応えのあるマニュアルも付属していたので、初見プレイ時はそれを読みながら「こいつ動くぞ」なんて言って、“ガンダム大地に立つ!!”のアムロ・レイ気分を堪能したプレイヤーも多かったはずだ。筆者はカプコンで初プレイさせてもらったのだが、専用コントローラーを初めて見たとき衝撃はいまでも忘れられない。

 このときまでは、筆者の心のランキングでプレイステーション2の『drummania(ドラムマニア)』の専用コントローラーが第1位だったのだが、それを軽々超えてきたのでとても印象深い。“鉄騎専用コックピット STEEL AMOR”というコックピットを模したシートも別売されていて、専用コントローラーを装着するともはや完全にコックピット。入手していたユーザーはきっと部屋を暗くして、気分に浸っていたんじゃないかな。じつに羨ましい。

『鉄騎』がXbox向けに発売された日。40個以上ものボタンが付いた巨大コントローラーが話題を呼んだ、複雑でリアルな操縦を体験できる画期的な作品【今日は何の日?】
『鉄騎』がXbox向けに発売された日。40個以上ものボタンが付いた巨大コントローラーが話題を呼んだ、複雑でリアルな操縦を体験できる画期的な作品【今日は何の日?】

 本作はスタンドアローンのゲームだったが、多くのプレイヤーたちは操作が熟達していくに従って腕前を披露する場を求め始めた。そんなファンたちの要望に応えるように、2004年2月26日にはオンライン対戦に対応した『鉄騎大戦』が発売。多くのVT乗りたちが、日々戦いに明け暮れていた模様。

 2012年6月21日には、フロム・ソフトウェアが開発を手掛けた続編『重鉄騎』が発売された。こちらはハードをXbox 360に移したほか、Kinectに対応。自分の身体や手の動きでロボットを操作できるようになった。一部のミッションは最大で4人まで同時に遊ぶこともできたのだから驚きだ。

『鉄騎』がXbox向けに発売された日。40個以上ものボタンが付いた巨大コントローラーが話題を呼んだ、複雑でリアルな操縦を体験できる画期的な作品【今日は何の日?】
『鉄騎』がXbox向けに発売された日。40個以上ものボタンが付いた巨大コントローラーが話題を呼んだ、複雑でリアルな操縦を体験できる画期的な作品【今日は何の日?】
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