片想いシステムは演じる側としても大変だけど、おもしろい試み

 コーエーテクモゲームスより2016年2月25日発売予定のプレイステーション Vita用ソフト『金色のコルダ4』。同作は、2010年に発売された『金色のコルダ3』の“その後”の物語を描くシリーズ最新作だ。舞台は夏から秋冬に移り、この季節ならではの文化祭、クリスマス、大晦日などのイベントが展開し、新たな恋模様を楽しむことができる内容となっている。

 ここでは、『金色のコルダ4』の出演者たちによる、本作への想いや、ご自身の片想いのエピソードなどをお届けする。今回は、火積司郎役の森田成一さんにお話を伺った。

『金色のコルダ4』キャストインタビュー 森田成一さんに聞く、片想いをする火積司郎の印象とは?_02

――アフレコを終えてのご感想をお願いいたします。
森田成一さん(以下、森田) 分量的にはほぼいつもと同じだったんですけど、ずいぶん慣れたせいか多いとは感じなかったので、かなり順調にできたのかなって思います。ストーリーの流れがすごく良くて、台詞の流れも感情移入しやすかったからかな。

――『金色のコルダ4』では、舞台が夏から秋冬へと進み、さらに“彼からの片想い”、“主人公からの片想い”という新要素が加わりました。ご自身が演じられている火積司郎に新たな発見などは見つけられましたか。
森田 新要素の“彼からの片想い”が本当に初めての試みで、いままではプレイヤーからの気持ちを受けての火積の反応だったんですけど、それだけじゃなくて自分からの反応、自分から好きになっていくところも表現するので、ひとつの物事に対して2パターン録らなきゃいけないんですよね。たとえばデートするっていうときに、向こうから誘われる、こっちから誘うっていう両方を録っていく。演じる側としてもおもしろく、恋愛を両側面から楽しめたのがとても印象的でしたね。ひとつのイベントに対して2倍時間がかかる、2倍の感情を持ってこなきゃいけないのはたいへんなんですけど、とてもおもしろい試みだと思いますし、このシステムがこれからも続くとプレイするみなさんにとってもドキドキする展開になるんじゃないかな。

――ちなみに火積火積からのアプローチが多いパターンも録られているということですが、何か新しい面などは見られましたか?
森田 いままでものと比べると、若干照れる火積が多かったかな。基本的に彼の台詞って「…」が多いんですけど、より一層増えたぞって(笑)。言いよどむ火積というか、照れるがゆえに言葉尻が消え行ってしまうようなことはいままではあまりなかったので、そういう面が新しい火積だったんじゃないかな。

『金色のコルダ4』キャストインタビュー 森田成一さんに聞く、片想いをする火積司郎の印象とは?_01

――森田さんの片想いについてのエピソードをお聞かせください。
森田 片想いはいっぱいありますよ。それこそ高校生のときの恋愛が一番記憶に残っています。甘酸っぱかったり、ほろ苦かったり、いいも悪いもない交ぜになっているところが高校生、ちょうど火積たちの世代と合致しているかと思いますね。僕自身が吹奏楽部の人間だったので、『金色のコルダ』って無印のときからエピソードや雰囲気がわかるんですよね! コンクールのときは、本当は真面目にコンクールをやって金賞を取りにいけばいいんですけど、血気盛んな高校生ですから恋愛事情が絡んできて、想っている子のために演奏している部分が……独りよがりなI want you的なものは……ありました!(笑) 恥ずかしい!! 超恥ずかしい(笑)。

――掘り下げさせていただくと、それは同級生ですか?
森田 同級生です。僕の学校って、男子中、男子高、女子中、女子高、商業高校ってありまして、その5校でひとつの学園なんですよ。それぞれが単独であるんですけど、唯一クラブ活動としては吹奏楽部だけが5校合同でやっていたので、そのとき好きだったのは女子高の女の子でした。部活でしか会わないんですけど、吹奏楽部のなかにはマーチングバンドも併設してあって、僕はそのマーチングバンドで指揮を振っていたんです。指揮にはパートナーがいるんですけど、そのパートナーの子が好きで、部活動以外にほかの学校や大学の定期演奏会を見に行くという大義名分のもと…(笑)。ある意味、定期演奏会を見に行くのがデートだったんでしょうね。

『金色のコルダ4』キャストインタビュー 森田成一さんに聞く、片想いをする火積司郎の印象とは?_03

――本作は、いままで『金色コルダ』シリーズを遊んだことがない方でも楽しめるということを伺っています。本作で初めて『金色コルダ』シリーズをプレイしてみたいと考えている方へ、とくに見てほしいポイントなどがありましたら教えてください。
森田 どうしても“恋愛”ってことだけに主軸が置かれがちなんですけど、『金色のコルダ』シリーズは “音楽を通じて”っていうところにテーマがあるので、音楽を通じて人と人の交わりであったり、近しい存在になって恋人になっていく。あくまで音楽を感じながらプレイしていただける稀有な作品だと僕は思っています。ただ恋愛を楽しむんじゃなくて、音楽の要素をじっくりと味わってもらいたいな。僕みたいに吹奏楽部に入っていた、いまもって音楽をやっていますっていう人もいるでしょうし、そうでない方もいると思います。楽器っていうと敷居が高いように感じる人もいると思うんですけど、ゲーム内ではその辺がバランス取れているので、安心して音楽を通した高校生活を楽しんでいただけたらいいなって思います。ゲーム中、あれが手に入らない、これが手に入らないなどもあると思いますが、その辺はゲーマーとしてコンプリートしてください!

――今作の季節が秋冬へと変わったということで、ちょうどいまくらいの時期だと思いますが、もし演じられているキャラクターとどこかへ行くとしたらどちらに行きたいですか?
森田 火積はスノボーが好きなんですが、僕は冬よりも秋のほうが好き。仙台なら山も近いと思うので、火積に仙台周辺の紅葉スポットに連れて行ってもらいたいな。ゲームのなかで横浜デートや仙台デート、各地をデートしているんですけど、なかなか火積は詳しいんですよ。ああ見えて、ヤツは真面目なので調べるんですよ。かわいいなって思います。 なので、ヤツに「紅葉を見たい」とだけで言えば、きっと「この樹はな、樹齢何年で……」って由来まで調べてくると思います。ツアーガイドとして火積と行きたいです。若干声が怖いっていうのが難ですが、楽しいと思います(笑)。

――最後に、ファンの方々へ、ひと言メッセージをお願いいたします。
森田 発売が2月っていうことで、まだまだ寒い時期です。ゲームのなかも秋冬ということで、季節的にはちょっとだけ戻ってもらえばいいくらいで、より一層プレイされるみなさんもリアルに空気感を感じていただけるんじゃないかなって思っています。今回、コーエーテクモさんが『金色のコルダ』で革新的なことをゲーム内でやっています。『4』ということで、続きにはなっているんですが、今までの延長ではなく、全然別な作品に仕上がったんじゃないかと思います。そしてそれが今後『金色のコルダ』の世界をもっともっと広げてくれると思いますので、その契機となる作品をぜひ手に取ってやっていただきたいです。そしてみなさん、お好きなキャラクターと恋愛を成就させて、来るべき春を迎えていただければ結構です。

■『金色のコルダ4』キャストインタビュー
宮野真守さんに聞く、天宮静が持つ魅力の変化とは?
増田ゆきさん演じる七海宗介は前作とは一転して“そっけない”態度に!?
水橋かおりさん水嶋悠人に対する新たな発見は「ハルは少し大人になったかな……」
石川英郎さんに聞く、土岐蓬生の変化とは?
伊藤健太郎さんに聞く、八木沢雪広が持つ魅力の変化
如月響也役の福山潤さんに聞く 響也はちゃんと地に足のついた形で成長している
日野聡さんに聞く、新たな関係が築かれる冥加玲士に注目してほしい
如月律役の小西克幸さんに聞く 「律はどういう風に恋愛していくのかな?」と悩んだ