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【海外ニュース】いよいよクライマックスへ――海外で話題の秀作アドベンチャー『Life is Strange』開発スタッフをE3で直撃
公開日時:2015-06-18 00:00:00
海外ではすでにエピソード3まで配信されている、スクウェア・エニックス(開発:DONTNOD Entertainment)のアドベンチャーゲーム『Life is Strange』。本作の舞台は、Arcadia Bayというオレゴン州の架空の町。主人公は高校生のMax(マックス)。彼女は5年振りにArcadia Bayに戻り、地元の高校の写真科に通い始める。内気なマックスの親友と言えるのがChloe(クロエ)だが、マックスがArcadia Bayを離れているあいだに、クロエは髪を青に染め、タトゥーを入れたパンクな女の子に。クロエと共通の親友、Rachal(レイチェル)は6ヵ月前に謎の失踪を遂げてしまう。
いろいろな変化に不安を抱きつつも、大人へと成長していくデリケートな高校時代――。
マックスが通う高校は、学園カーストや女王の取り巻き、誰かがビッチだとかいう噂、ネットでのイジメなど、いまどきの高校生活にありがちな問題が発生する。そんな危うい高校生活を過ごすマックスに、あるとき時間を巻き戻す能力が備わる。この能力を使うと、知識やアイテムはそのままに、起こったことをなかったことにできる。たとえば、事故が起こる前に先手を打って被害を食い止めたり、傷つけた相手への発言をなかったことにして、その場を切り抜けたりできるのだ。
その能力を使ってマックスとクロエはレイチェルの行方を探ろうとするが……。
ノスタルジックな雰囲気に、魅力的なキャラクター、そして意外な方向へ向かう物語などエピソード3に入り、ますます目が離せない『Life is Strange』。そんな同作の開発スタッフ、Michel Koch氏(ディレクター、写真左)とRaoul Barbet氏(ディレクター、写真中央)、Luc Baghadoust(プロデューサー、写真右)に話しを聞くことができたので、ここで紹介しよう。
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LIFE IS STRANGE
対応機種: PlayStation3、PlayStation4、Xbox 360、Xbox One、Windows PC
発売日:
北米・欧州 エピソード1-3(発売済み)、エピソード 4-5 (今夏)
開発:DONTNOD
※日本での発売は未定
――昨年のgamescomでは、どんな作品なのかをうかがいました。今回はまず、本作がそもそもどんなコンセプトでスタートしたのか教えていただけますか?
Raoul Barbet(以下、Raoul) DONTNODは以前、『Remember Me』というタイトルを制作しましたが、同作は人の記憶を書き換えることができるアクションゲームでした。記憶を書き換えることで、結末にもさまざまな変化が起きる。本作は、時間を書き換える能力を使って、物語に変化・深みを出したかったのです。高校生を描いたのは、いろいろナイーブな年頃ですし、悩んだり、さまざまな変化に影響されやすく、今後どういった大人になるかという選択も大切になる時期だからです。
――ゲーム中の選択肢に正解はなく、また、一方を選べば、もう一方が傷付くといった、学園生活を送る高校生には、ちょっと心苦しいケースもあります。選択肢は、そういった傷付きやすい女性高校生を意識したものになっているように感じたのですが。
Raoul たしかに正解はありません。たとえば、エピソード1で正解だと思った選択がエピソード2になってみると、「間違いだったかも!?」と思うケースも出てくると思います。ですが、マックスの時を戻す能力は、必ずしも遡りたい過去まで戻れるわけではなく、ゲーム的に言うとチェックポイントの範囲内まで。つまり、能力は万能ではなく、自分が選択したことに対して取り返しがつかない、未来に進むしかなくなるケースが多々あります。時を戻せたとしても、自分の選択には責任を持たなければならい、といった人生の教訓も本作の重要なテーマになります。
――オレゴン州を舞台にした理由は?
Raoul 『Life is Strange』の根底にはミステリーがあります。小さな街で誰もが顔見知りだけれど、何らかの秘密を持っている。そういった小さな街を舞台にしたかった。では、なぜオレゴン州にしたかと言うと、海も山・森もあるスピリチュアルな場所であり、光と影のコントラストも描きやすかったこと、歴史がありノスタルジックな街である、などがその理由です。
Michel Koch(以下、Michel) 舞台設定はリアルも重視して選んでます。オレゴン州の複数の街を参考に、本作の街を構築しました。
――お三方とも男性ですが、なぜ女子高生を主人公にしようと? 男子学生のほうが、当時の気持ちや男子高校生ならでは、といった部分も描きやすかったと思いますが。
Raoul 開発当初は、いろいろなキャラクターが主人公として候補にあがっていましたが、コンセプトや物語設定を考えると、女子高生のマックスというのがもっとも適していました。
――いまどきの高校生、というのはお三方が過ごした高校時代とは大きく違うと思いますが、現在の高校生をリアルに描くという点で苦労もあったのでは?
Raoul シナリオライターがサンフランシスコ在住なので、いろいろリサーチしてもらいました。いまの子たちが使うスラングはよくわからないですから。現在の高校生を描くことにしたのは、インターネットやスマートフォンを使ったいじめなど、ティーンエージャーで問題になっていることにも触れたかったからなのです。我々の時代とは明らかに違う。みんな辛いんじゃないかという心配はありました。
――エピソード1でマックスは、時を戻す能力を突然身につけます。その理由は今後の物語で語られるのでしょうか。
Raoul ネタバレはできません。ですが、なぜそんな能力が芽生えたかという点については、どこかで説明はされます。ただ、本作は能力を得た原因にフォーカスしているわけではなく、マックスとクロエが織り成すドラマです。
――現在、海外ではエピソード3まで配信されていますが、反響はいかがですか?
Raoul 本作は順次エピソードを配信するスタイルのため、開発期間も長くなり、いま開発陣は疲れが溜まってきたところです(笑)。ユーザーさんからのメールやプレゼントがいいモチベーションになっています。
――反響を受けて、のちのエピソードを変更したりすることはあるのですか?
Michel すでにストーリーラインは完成しているので、そこを変更することはありませんが、たとえば、各シーンの登場させるキャラクターだったり、選択肢の調整といった枝葉の細かい調整や変更は考えています。
Luc Baghadoust(以下、Luc) 基本的なストーリーラインは変えず、選んだ選択肢から影響する物語の枝葉の部分をもう少し太くする、といったことは視野に入れています。
――本作をエピソード形式で販売することにした理由は?
Raoul ドラマのように、エピソードごとに分け、各話ごとに必要な要素を盛り込み、「次回のエピソードはどうなるんだ?」といったプレイヤーをワクワクさせる作りかたに挑戦したかったのです。
――まさにエピソード3がとくにそういった内容になっていますよね。
Luc エピソード形式にしたことによって、次のエピソードが配信されるまで、ファンのあいだのコミュニティがすごく盛り上がってくれていて、すごくモチベーションが高まりますね。
――音楽もかなり印象に残りました。
Raoul エピソード1でマックスがイヤホンをかけて聴いている曲やメニューまわりの音楽は、Syd Mattersというバンドのコンポーザーに協力してもらっています。そのほかのアーティストからもライセンスを受けて、曲を提供してもらったりもしています。クロエの部屋にあるラジカセで音楽を聴くと、クロエがふだん聴いているだろう、パンク調の曲が流れる。マックスの部屋のラジカセでは、インディーフォークなゆったりとした音楽が流れたりと、どんなキャラクターかが音楽の点からも感じ取れると思います。
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