「奇跡の40歳」愛川ゆず季さん・インタビュー後編

◆愛川ゆず季さん・前編>>「女性としては終わったな...」からのスタート

 40歳とは思えぬ「奇跡の美ボディ」で、フィットネスモデルの世界でグランプリを獲得した愛川ゆず季さん。その成功の裏には、並々ならぬ努力の日々があったという。

 グラビアアイドルとしての経験、プロレスラーとして学んだこと......すべてが彼女の糧(かて)となった。ステージ上で誰よりも「魅せる」ために、彼女が取り組んだこととは──。

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愛川ゆず季さんは今年5月でなんと40歳

── 『ベストボディ・ジャパン』(以下、BBJ)は、いわゆる「ボディビル」のように筋肉の量やカットを前面に出すわけではなく、「健康美」や「スポーティーさ」というのが判定基準になるそうですが、どういった部分を求めてトレーニングしていったんでしょうか。

「私のなかでは、単に身体を絞りきって筋肉をつけるというよりも、『女性らしく筋肉をつけていく』ということを念頭にトレーニングしました」

── というと?

「しっかりと『胸』を残す。私はグラビア時代、バストが売りだったので、そこをしっかりと残しながら引き締まった身体を目指そうと思ったんです」

── なるほど。しかしトレーニングしていくと、脂肪がある胸は必然的にサイズダウンしてしまうのではないですか?

「もちろんそうなんですけど、そこはいろいろと方法を考えたんです。

私の場合は筋トレとエステの両面から攻めていきました。時には胸にさらしを巻いてトレーニングして、意地でも残してやるって(笑)。『BBJ』日本大会に向けて、日本一に努力する人になろうって決めていたし、やれることは全部やろうって。

 もちろん通常のトレーニングよりも時間はかかるんですけど、時間さえかければ絶対にできる。ただその時、私も39歳でしたし、産後の身体ということもあったので、本当に頑張りました。最終的に胸もちゃんと残すことができましたしね」

愛川ゆず季は「グラビア時代に売りだったバスト」を意地でも残すため「女性らしく筋肉をつけていく」トレーニングで身体を絞った

パーソナルジムでのトレーニング風景

── お話していて気づいたのですが、お肌もすごくキレイですよね。

「これ、キレイになったんですよ。グラビア時代は本当にボロボロで、今が一番いいって言われるくらい。昔はヤバかったんです。ようやく美に目覚めたという感じですね(笑)」

── たとえば1週間のスケジュールというのは、どのような感じですか。

「大会前は週5回トレーニング、週1回エステという感じでした」

── 食事管理に関しては?

「トレーニングを始めた頃はあまり気にしていなかったんですけど、大会を目標にしてから基本は低脂肪で、炭水化物と高タンパク質、野菜といった感じでバランスよく。大会直前は、ケトジェニックダイエットというのをやりました。

炭水化物を抜いて脂質とタンパク質を摂取する方法ですね」

── 今はいろんなダイエット方法がありますよね。

「そうですね。だから、いかに自分の身体に合ったものを見つけられるか。私の場合は、低脂肪の食事が一番よかったかなって思います」

── 体脂肪率は?

「大会直前は14%ぐらいでした」

── さて『BBJ』日本大会・本番。審査基準はバランスよく筋肉がついたスタイルに加え、筋肉を美しく見せる表現力、ウォーキング、ポージング、あと品格やスポーティーさがあるのですが、そのあたりの「魅せる」という部分ではいかがでしたか。

「やはりステージでの立ち振る舞いはすごく大事だと思ったので、グラビアを10年やってきた経験を生かしたんです。

もちろんウォーキングやポージングのレッスンにも行ったのですが、結局は身体に染みついているモノが役に立ったというか。ステージに出る前は『どうしよう......』って感じだったんですけど、いざ立つと楽しくなって伸び伸びできたというのか」

── そこはさすがですね。

「プロレスもそうですし、クラシックバレエの経験もあるので、ステージに立つことに向いているんだなって改めて感じました。コツコツ練習や努力してきたことをステージで発表することが好きなんだって」

愛川ゆず季は「グラビア時代に売りだったバスト」を意地でも残すため「女性らしく筋肉をつけていく」トレーニングで身体を絞った

ベストボディ・ジャパンでの優勝カット

── しなやかでスポーティーな筋肉。自信のある好きなパーツはどこですか?

「フェチではないんですけど、ストロングポイントはやっぱり広背筋かなと」

── たしかに背中、カッコいいですねえ。

「プロレス時代はタイガースープレックスとかやっていましたし、当時から背中は強かったんですよ」

── ふくらはぎの筋肉にも目が行きました。

「ああ、そのあたりはたぶん『ゆずポンキック』の影響でしょうね(笑)」

── 本当に過去の経験が、現在につながっているという感じですね。思うのは、愛川さんのこの姿を見て自分もやってみたいなって思う女性も多いんじゃないかなと。

「ぜひ、やってもらいたいですね。トレーニングやエステは、自分を見つめなおす時間になるし、そういう時間を少しでも持てるようになれば、自分のことを好きになって、自己肯定感も高まると思うんです。育児ノイローゼ気味だった私が、本当に前向きに元気になれましたから」

── まず何から手をつけたらいいか、わからない人もいると思うのですが。

「まずは『あさんぽ(朝の散歩)』ですね。

筋トレって最初はハードルが高いと思うので、まずは早起きをして、散歩をして、日光を浴びて、ストレスに対して効力のある脳内物質セロトニンを増やして幸せな気持ちになる。

 そうしたら、ちょっと体重が減っただけでモチベーションがアップするので『じゃあ次は筋トレしてみよう』『エステに行ってみよう』って気持ちになると思います」

──「あさんぽ」からだったらアプローチしやすいですね。

「筋トレをして、いいことしかなかったので、本当にオススメしたいです。あとは『BBJ』のような大会を目指すのもいいと思います。明確な目標ができたほうが頑張れるし、その時の自分を残すことができますから」

── 愛川さんはグランプリを獲得したことで『BJJ』の日本代表としてイベントに参加するなどPR活動もしていくそうですが、それも含めて今後どのような発信をしていきたいですか。

愛川ゆず季は「グラビア時代に売りだったバスト」を意地でも残すため「女性らしく筋肉をつけていく」トレーニングで身体を絞った

いくつになっても可愛らしさは変わらず

「やっぱり女性は、強くあってほしい。よく『何のためにトレーニングしているの?』って言われることがあるんですけど、本当に自分のため、楽しいからやっているので、この経験を伝えていきたいですね。

 私は今、運動とエステをかけ合わせたものをやっているんですけど、なかなか運動ができない人もいると思うんです。だから最初は、筋肉に電気を流して刺激を与えるEMSでもいいと思うので、身体作りのよさを多くの人に知ってもらいたいなって」

── グラビアアイドルからプロレス、そして現在のフィットネス。愛川さんとって刺激的なステージになっているようですね。

「はい。エステとのコラボとか、『バレトン』というバレエとフィットネスヨガを教えたりプロデュースしたりしているので、今後も力を入れていきたいと思います。ただ、自分の身体に関してもまだ満足はしていないので、これからも健康に気をつかいながらブラッシュアップしていきたいと思います」

<了>

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【profile】
愛川ゆず季(あいかわ・ゆずき)
1983年5月16日生まれ、愛媛県新居浜市出身。2002年に渋谷でスカウトされて翌年にグラビアデビュー。2010年からプロレスラーとして活動を開始し、スターダムの第一線で活躍する。2013年4月にプロレス引退を表明。2017年9月に一般男性との結婚を発表、翌年に第一子を出産。2022年に開催されたベストボディ・ジャパン日本大会のフィットネスモデル部門で初出場グランプリを獲得する。