お笑い芸人・だいたひかる(47)が13日、女性の発毛治療を中心に行うクリニック「クレアージュ大阪」(大阪府大阪市)で実施されたトークショーに出席した。2016年に乳がんと診断されただいたは、抗がん剤治療を受けた際に抜け毛を経験。
今年1月には男児を出産したが、現在は産後抜け毛で悩んでいるという。

トークショーで抗がん剤治療による抜け毛について「抜け毛どころじゃなくて禿げ散らかしましたね」とだいたひかる。「治療を始めて1週間ぐらい経つと、頭が熱くなりジリジリしてくるような感覚があり、髪が一気に抜けていきました。禿げ方が中途半端だと落ち武者のように汚らしくなってしまうので、全部夫に剃ってもらいました」と振り返った。当時の写真ではほぼ髪の毛がないだいたが写っているが、表情は明るい。それでも「人に会いたくないと思うことも増えました。
テンションが下がり、社会性もなくなってしまった気がします」と抜け毛による精神面への影響に触れた。


乳がん治療を中断して、がん発覚前から行っていた不妊治療を再開しただいただが、2021年5月に妊娠していることが分かり、今年1月に待望の第1子を出産した。「現在抜け毛真っ只中。リアルタイムで悩んでいます」と今度は産後抜け毛に直面しているそうだ。「お風呂に入るときにお団子とかをしていると、一回でたくさん抜けちゃうんですよね」と言うが、髪をカットした後のように床が散らかってしまうそうで、「こんなのが毎日続いたら髪がなくなっていっちゃうよ」と不安になったそうだ。


またあるとき「自分の髪が落ち武者みたいにひどいことになっていてびっくりすることもありました。
台風中継でもこんなことにはならないんじゃないかというぐらい」「最近美容院に行ったんですけど、夫に後姿の写真を撮ってもらったらパックリ割れていて“モーセの十戒”みたいになっていました」とエピソードを披露して、「子供に恵まれた喜びはもちろんあるのですが」と複雑な胸の内を明かした。


トークショーには体操元日本代表の田中理恵さんも出席したが、田中さんは2018年に第1子を出産し、4年経った今でも髪の悩みがあるという。田中さんは「授乳し始めて、気づいたら一気に生え際から抜けていったので本当に衝撃でした」と回想したが、関西在住の女性200名を対象としたアンケートでは、髪の悩みを持つ人が8割にのぼることが判明している。ブロガーでもあるだいたは「ブログで悩みを公開したところ共感の声が集まったこともあり、自分だけの悩みじゃないのだと思いました」と実感したそうだ。


同クリニックでは5月に産後抜け毛外来を設立したが、40件を超える問い合わせがあったとのこと。だいたは「オンライン診療があるというのはすごく助かりますね。
自分の産後の抜け毛のために子どもを父母とかに預けるというのはやっぱり言いづらく…。そんなときに、子どものことも見ながらオンライン診療などで自分のケアをできるという精神衛生上良いですね」とコメント。まただいたは抗がん剤治療でウィッグを使用していた間は「仕事を完全に休んでいました」というが、「今は乳がんの方も増えている中で、働きながら(抜け毛)治療ができるというのは夢があると思いますし、社会復帰も早くなると思います」と述べて、「私が経験した乳がんでは、胸を失い髪の毛も失ったことで、女性として大事なものを失くしてしまった気持ちにもなりましたが、せめて髪の毛だけでも治せるということで、立ち直れる人も増えていくのではないかと思います」と期待を込めた。
(TechinsightJapan編集部 取材・文:関原りあん)