青いスープのラーメン!! その正体は?
写真上:まるで昭和40年代にタイムスリップしたかのような店構え。写真中:具がたっぷりと盛られている。わかめがヘルシーで750円ナリ。写真下:スープはまさに青汁。しかしまったく青汁の味はしない
ラーメンのスープの色といえば、醤油味なら茶色、味噌味なら黄土色、そしてとんこつなら白濁色……というのが、私にとって「ラーメンの常識」である。ならば、東京・北千住の『菊や』にある、“青い色のスープをしたラーメン”は、いったい何味なのだろうか? 青から想像できうるラーメンの食材といえば……わかめか!? まさか合成着色料ではないだろうし、まったく想像できない!! さっそく『菊や』へ行ってみた。


かな〜りレトロな店舗にノスタルジィーを感じつつ店内へ。壁じゅうにメニューが貼られている。どんなラーメンがあるんだ? 味噌ラーメンに、チャーシューメンに、ネギラーメンに、紫色ラーメンに、水色ラーメンに、青色ラーメンって普通のメニューじゃん……って、後半が普通じゃない!! 紫色とか青色とか、この色系ラーメンは何なんだ!! 店主にいちばん怪しい青色ラーメンについて聞いてみると、「真っ青のスープですね。青汁が入っています」とのこと。青汁って、あの「まずーーーい!! もう一杯!!」の青汁かッ!? じゃあやっぱり、まずいんじゃないのか!? と、とりあえず注文してみた。

調理をじっくりと観察してみた。
店主はまず、冷凍された青汁のレトルトを熱湯に入れて解凍。どんぶりにダシ汁と熱湯と共に、溶けた青汁を入れ、茹で上がった麺と具材をどんぶりに盛って完成となった。具として、チャーシューと茹でタマゴ、わかめに青海苔、そしてスライスされた豚肉が入っている。シャーシューが入っているのに、スライスされた豚肉も入っているのが特徴的だ……って、スープが真っ青なのがいちばんの特徴だが。

本当に青いスープの青色ラーメン。麺よりもまずはスープを口に運んだ。
内心、とんでもなくまずいのだろうと思っていたが……すっごく美味しいッ!! こんなにも美味しいとは、思わなかった。スープはとてもスッキリしているにもかかわらずコクがあり、青汁の「まずさ」を微塵も感じない。また、麺とスープが絶妙なマッチで、麺独特のクセとニオイがまったく感じられない。青汁のさわやかさが、麺のクセを消し去っているのだろう。

このラーメンがこんなにも美味しいのには理由がある。店主は、単に面白いラーメンを作ればいいとは思っていないのだ。
面白さだけでなく、味も伴うラーメンを求めているのである。完成に至るまで、さまざまな食材の組み合わせを試し、研究しているとのこと。なるほど。この青色ラーメンも、その努力から生まれた賜物というわけだ。ちなみに、紫色ラーメンは紫キャベツの色素を抽出したスープ、水色ラーメンは青系の野菜から抽出したスープなのだという。合成着色料ではなく、むしろ健康にも良い色系ラーメンをあなたも食べてみてほしいッ!!
(空条 海苔助)