男性に比べ、女性には一部の病気でよりひどい症状が出るリスク要因がある。たとえば米疾病対策予防センター(CDC)によると、アメリカの女性のおもな死亡原因は心臓病で、2017年には299,578人の女性が亡くなっているそう。うれしいことに、こういった深刻な病気にならないように免疫システムを保護する方法はある。その方法とは、食事のときに抗酸化物質が豊富な食品をたくさん摂取すること。
これから紹介するスーパーフードは、コレステロールの低下、消化の改善、体重減少の促進、肌や髪を健康に維持するなどの働きをもつ。すでに普段からこれらの食品を食べているならそれは素晴らしいことだけど、これまであまり食べていなかったなら、次回の買い出しでぜひ購入してみて。
ギリシャヨーグルト
ヨーグルトはカルシウムを摂取するのに最適なうえ、免疫力を高めるプロバイオティクスが豊富。次にヨーグルト売場に行ったら、たんぱく質が通常のヨーグルトの2倍にもなるギリシャヨーグルトを探してみよう。
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卵
卵黄には、乳がんの発生率の低下につながるコリンなど、必須ではあるけれど摂取が困難な栄養素が豊富に含まれている。
ラージサイズの卵1個には、1日に必要なコリンの27%が含まれており、黄斑変性症や白内障の予防に役立つ抗酸化物、筋肉増強に必要なたんぱく質も6g含まれているそう。
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サーモン
サーモンはビタミンDが豊富なだけでなく、オメガ3脂肪酸の最高の供給源の1つ。これらの必須脂肪酸には、心臓病の予防、肌を滑らかにする、ダイエットの補助、気分の向上など、さまざまな健康上のメリットがある。
とはいえ、オメガ3脂肪酸を十分に摂取できていないことから、これらのメリットを享受できていない女性は多い。またオメガ3脂肪酸を摂取すると、消化速度が遅くなり、満腹感が長続きするので、1日を通して摂取するカロリーが少なくなるという。
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無脂肪のオーガニック牛乳
体に良い働きをしてくれる牛乳。研究によると、カルシウムは単に骨を強くするだけでなく、脂肪にも作用するとか。
テネシー大学の最近の研究によると、低カロリーでカルシウムが豊富な食事をとった肥満の人は、これらの食事を最小限しか食べなかった人に比べ、体重が70%も多く減ったそう。
さらに牛乳はビタミンDの良い供給源でもあり、ビタミンDはカルシウムを吸収しやすくする栄養素。研究では、適切な量のビタミンDを摂取していると、心臓病のリスクが軽減されるほか、一部のがんの予防、腰痛の緩和、うつ病の予防に役立つことが分かっている。
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豆
地味だけど、栄養価としては完璧に近い食材の豆。調理済みの豆1カップには、17gもの食物繊維が含まれているほか、たんぱく質やほとんどの女性が不足しがちなカルシウム、カリウム、マグネシウムをはじめ、数十種類の重要な栄養素が豊富に含まれている。
また研究によると、豆には心臓病、2型糖尿病、高血圧、乳がんと結腸がんのリスクを低下する効果があることが判明したそう。ブラックビーン、ホワイトビーン、キドニービーン、無脂肪のリフライドビーンなど、キッチンにさまざまな種類の豆をストックしておくのがおすすめ。
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赤身の牛肉
赤身の牛肉は、もっとも吸収率の高い鉄の供給源(鉄が少なすぎると、貧血を引き起こす可能性がある)。
米農務省(USDA)所属で、カリフォルニア州デイビスにあるARSウエスタン・ヒューマン・ニュートリション・リサーチセンターの研究者であるメアリー J.クレッチ博士によると、1日あたり約30gの牛肉を食べるだけで、体がほかの供給源から鉄を吸収しやすくなるという。
また牛肉には、体が食物をエネルギーに変換するのに役立つ、亜鉛とビタミンB群が豊富に含まれている。できれば、牧草飼育の牛肉を購入するようにして。穀物で育てられた牛肉と比較すると、牧草飼育の牛肉には、脳を強力に活性化する抗酸化物質のビタミンEが2倍も濃縮されているうえ、オメガ3脂肪酸も豊富。
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ナッツ類
米農務省の研究者によると、毎日約43gのナッツを食べると、心臓病や糖尿病のリスクを減らすことができるらしい。
くるみにはオメガ3脂肪酸が、ヘーゼルナッツには血圧を下げる効果をもつアミノ酸の一種のアルギニンが豊富に含まれている。いっぽう約28gのアーモンドには、心臓の健康に良いポリフェノールが、 緑茶1杯と同じくらいたくさん含まれている。
ナッツはカロリーが高いので、適度に摂取することが重要。刻んだナッツ類を瓶に入れ、冷蔵庫で保存しておけば、大さじ1杯をシリアルやサラダ、炒め物、ヨーグルトなどに振りかけて楽しめるからおすすめ。
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枝豆
脂肪の多い肉やチーズの代わりに豆腐、豆乳、枝豆などの大豆ベースの食品を摂取すると、飽和脂肪酸の摂取量が減り、心臓病と闘うのに役立つ。また大豆には、心臓の健康にいい多価不飽和脂肪酸、たくさんの食物繊維、いくつかの重要なビタミンも含まれている。
ただし、ベジタリアンパテやチップスのような加工食品ではなく、大豆そのものの食品を食べるよう心掛けて。また、イソフラボンが大量に含まれている大豆サプリメントの摂取は体に悪影響がある恐れがあるため、避けるのが安全。
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オートミール
食物繊維が豊富なオーツ麦は、米食品医薬品局(FDA)が、心臓病を軽減する効果がある食品として認可した10年前に考えられていたよりも、はるかに健康的なことが分かった。
研究によると、オートミールを摂取することで、2型糖尿病のリスクを減らすこともできるという。フィンランドの研究者が4,316人の男女を10年間追跡したところ、穀物の食物繊維をもっとも多く食べた人たちは、そうでない人たちに比べて、2型糖尿病を発症する可能性が61%低いことが判明した。
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フラックスシード
フラックスシードは、オメガ3脂肪酸のもっとも強力な植物性の供給源。研究によると、フラックスシードを食事に加えることで、心臓病の発症を46%減らすことができるという。フラックスシードには、赤血球が凝集し動脈を塞ぐ血栓を形成するのを防ぐ効果があるからだ。
毎日大さじ1〜2杯のフラックスシードを、シリアル、サラダ、またはヨーグルトに振りかけるのがおすすめ。事前に挽いてあるものを購入し、冷蔵保存すると便利かも。
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オリーブオイル
オリーブオイルは、心臓の健康に良い一価不飽和脂肪酸(MUFA)が豊富で、これはLDL(悪玉)コレステロールを減らし、HDL(善玉)コレステロールを増やすのに役立つ栄養素。さらにがんやアルツハイマー病といった、慢性疾患のリスクを減らすのに役立つ抗酸化物質も含んでいる。
購入する際は、抗酸化物質がより多くて美味しいエクストラバージンオイルを選ぼう。野菜をローストする前に少量を垂らしたり、炒め物に使用したり、ドレッシングやマリネに使ってもいいし、バターやマーガリンの代わりに夕食時のパンに風味を付けたりと、幅広く活用できる。
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アボカド
滑らかなバターのような舌ざわりのアボカドは、一価不飽和脂肪酸(MUFA)や、そのほかの主要栄養素の優れた供給源。
「アボカドには、水溶性食物繊維、ビタミンE、葉酸、カリウムなど、心臓を守る効果をもつ化合物が豊富に含まれています」と教えてくれたのは、『テン・ハビッツ・ザット・メス・アップ・ア・ウーマンズ・ダイエット』の著者で登録栄養士のエリザベス・ソマーさん。
ただし、アボカドはカロリー密度が高いので、摂取量には要注意。チーズやマヨネーズなど、別の高脂肪食品や調味料の代わりとして使うのがおすすめ。
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ブロッコリ
28年間に渡る研究で、6,100人の被験者のうち、ブロッコリ、キャベツ、カリフラワーなどの野菜を週に4サービング摂取した人は、あらゆる病気で死亡するリスクが26%低下したという。
病気と闘うための力を最大限に得るには、蒸し器を使うのがベスト。ブロッコリは蒸すことで、アブラナ科野菜の活性化合物であるスルフォラファンが、最大量放出されるみたい。
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ほうれん草
ルテインを豊富に摂取できるほうれん草。ルテインは失明のおもな原因である、加齢に伴う黄斑変性を予防するだけでなく、動脈壁にコレステロールを溜めないように働きかけ、心臓発作を防いでくれる。
ほかにも、エネルギーに必要な酸素を細胞に供給するのを助ける鉄や、先天性欠損症を防ぐビタミンB群の一種である葉酸が豊富だそう。
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トマト
トマトは、心臓病や乳がんの予防効果があるとされる抗酸化物質の一種リコピンの、もっとも一般的な供給源。トマトの唯一の問題は、砂糖が加えられた瓶詰めのパスタソースや、サンドイッチに挟まっている薄いスライスで食べられることが多い点。
より健康的なおかずとして食べるなら、プラムトマトを4等分して、オリーブオイル、ガーリックパウダー、塩、こしょうでコーティングして、約200℃のオーブンで20分間ローストし、鶏肉料理と一緒に食べてみよう。
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さつまいも
必須栄養素のビタミンAを摂取するベストな方法の1つは、体内に入るとビタミンに変換されるベータカロチンを含む食品をたくさん摂取すること。ビタミンAは、目、皮膚、呼吸器、尿路、腸管の内壁を、保護および維持する働きをもつ。
ベータカロチンが豊富な食品には、にんじん、スクワッシュ、ケール、カンタロープ(マスクメロン)などがあるけれど、もっとも多く含むのはなんとさつまいもだそう。2分の1カップでわずか130kcalの甘いさつまいもには、1日に必要なビタミンの80%が含まれている。
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にんにく
料理の香りづけに欠かせないにんにくだけど、単体でも健康のスーパースターになりうるもの。たまねぎと同じネギ属に属するにんにくには、アリシンを含む70以上の活性植物化学物質が含まれており、研究によるとアリシンには高血圧を30ポイントも低下させる効果があるという。
さらに、感染症や細菌に対して予防効果をもつアリシン。より健康的ににんにくを摂取するなら、にんにくを砕いて、最大30分間放置してから加熱するのがいいみたい。こうすることで、心臓を保護する効果のある化合物が活性化され、維持されるとか。
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赤ピーマン
ビタミンCといえば柑橘系の果物のイメージがあるけれど、実は赤ピーマンが最高の供給源って知ってた? ビタミンCは、皮膚と免疫に効果が高いことがもっともよく知られている。
ただし十分な量のビタミンCを摂取しても、風邪やインフルエンザにかかるのを防ぐことはできないとか。その代わり、ビタミンCは回復を早めるのに役立つということが研究で判明している。
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いちじく
カリウムが豊富な食材といえば、いちじく!とはならないけれど、実は新鮮ないちじく6個分には、血圧を下げるミネラルが891mgも含まれている。これは1日に必要な量の20%にあたり、ラージサイズのバナナ1本に含まれるミネラル量のほぼ2倍だそう。
また果物のなかでも、カルシウムの最高の供給源の1つであるいちじく。1サービングあたりに含まれるカルシウム量は、2分の1カップの無脂肪ミルクとほぼ同じというから驚き。刻んだいちじくを、ヨーグルト、カッテージチーズ、オートミール、またはグリーンサラダに加えてみてはいかが?
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ブルーベリー
抗酸化物質がぎっしり詰まったブルーベリーは、アンチエージング効果をもつ食品の1つ。研究によると、食事でブルーベリーをたくさん摂取すると、記憶障害や尿路感染症を防ぎ、眼精疲労を和らげることができる。
アーカンソー大学フェイエットビル校の食品科学科で非常勤教授を務めるロナルド・プライア博士は、健康メリットを高めるために毎日最大2分の1カップのブルーベリーを食事に加えることをすすめている。これだけで、ほとんどのアメリカ人が1日に摂る抗酸化物質量の約2倍を摂取できるという。
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