シンプルに焼き芋で食べても、ホリデー向けのファンシーな料理に使ってもおいしいさつまいもは、スーパーパワーを秘めたヘルシー野菜。ミネラル、食物繊維、ビタミン、植物性栄養素がつまっているからだ。
焼いたり炒めたり、茹でて潰したり、さまざまなスタイルで簡単に調理できるのもうれしいポイント。これを読んだら、いますぐ買ってみたくなるかも?
栄養成分をリストアップ
1食分:中サイズのさつまいも1本分
・熱量 112kcal
・炭水化物 26g(1日の摂取量の8%)
・たんぱく質 2g
・脂質 0g
・飽和脂肪酸 0g
・食物繊維 4g(1日の摂取量の15%)
・糖質 5g
・カリウム 438mg(1日の摂取量の12%)
・マグネシウム 32mg(1日の摂取量の8%)
・カルシウム 39mg(1日の摂取量の3%)
・鉄 0.8mg(1日の摂取量の3%)
・リン 61mg
・ビタミンC 3mg(1日の摂取量の5%)
・ビタミンB6 0.3mg(1日の摂取量の15%)
・ビタミンA 18,443 IU(1日の摂取量の386%)
健康効果とは?
サラダ専門店に必ずさつまいもを使ったメニューがあるのにはちゃんと理由があった!
・目の健康を守る:ビタミンAが視力の回復を助ける
・免疫力を向上:ビタミンAは視力以外にも、細胞の伝達、成長、分化など、様々な身体機能に働きかける
・頭が冴える:ビタミンB6は認知発達に不可欠の必須補酵素
・心臓を強くする:カリウムとマグネシウムには血圧を安定させる効果がある
・悪玉コレステロールの低下:食物繊維が働きかけて悪玉コレステロールを低下し、心臓病や肥満、2型糖尿病のリスクも減少
つづいて、さつまいもについてのよくある質問を見ていきたい。
さつまいもはじゃがいもより体にいい?
さつまいもはじゃがいもに比べてビタミンAの含有量が高く、食物繊維も少し多めだけれど、カリウムとビタミンCの含有量はじゃがいもの方が上。
どちらも栄養価の高い食品であることに変わりはないので、両方ともバランスよく食べるようにして。
さつまいもの糖分は高い?
答えはノー! さつまいもに含まれる糖質は自然発生したもので、(調理中に砂糖を加えない限り)加糖はされていない。
実際、さつまいもは糖尿病食としても大変優れているという研究結果が出ていて、糖尿病患者はすべての炭水化物を避けるべきというのは、ありがちな誤解。
大切なのはどんな種類の炭水化物を、1日のうちどのタイミングでどれだけ摂取するかということ。さつまいもは低GI食品で食物繊維も豊富。
さつまいもの炭水化物は体内でブドウ糖に変化した後、ゆっくりと血液中に取り込まれるので、血糖値が急上昇するのを抑えられるよう。
さつまいもとヤムイモは同じもの?
多くのアメリカ人がさつまいもとヤムイモを混同しているそう。けれど、これらの野菜は別物。
ヤムイモは、アフリカとアジアでのみ生育する。ヤムイモは円筒形をしていて、表皮が黒または茶色の木の皮のような色合い。
中身は白や紫、赤みがかったものなどがある。ヤムイモはさつまいもより乾燥していて、よりでんぷん質が多い。外国の食材を販売するインターナショナル・スーパーなどで取り扱っている。一方、さつまいもはスーパーで簡単に入手できる。
では、さつまいもとヤムイモが混同されたのはなぜ?
アメリカで栽培されるさつまいもには、中身が白っぽいものとオレンジ色のものと、主に2種類がある。オレンジ色のさつまいもがアメリカの市場に入って来たのは数十年前。
白っぽいさつまいもと区別するため、生産者はこのオレンジ色のさつまいもを「ヤムイモ」という名で流通させた。その呼び名が浸透したため、現在でもオレンジ色のさつまいもが「ヤムイモ」という名で店頭に並んでいることが多いとか。
オレンジ色や黄色、紫色のさつまいもの違いとは?
さつまいもは、色によって植物性栄養素(植物に含まれる、健康に良いとされる化合物)の量が違うことが研究でわかっている。
たとえばオレンジ色のさつまいもは、βカロテンと呼ばれる抗酸化力を持ったカロテノイド(黄色や赤色、オレンジ色の天然色素)を最大限に含む。
一方、紫色のさつまいもはアントシアニンを多く含んでいる。アントシアニンは、ブルーベリーなどにも含まれている「フラボノイド」と呼ばれる植物色素の1つ。
アントシアニンにも抗酸化作用があり、脳機能の健康に働きかけるそう。要は、同じ色のものだけでなく、いろんな色のさつまいもを食べるべき、ということ!
ビタミンAの過剰摂取はあり?
市販のビタミンAのサプリメントを過剰摂取すると、その毒性により「ビタミンA過剰症」という症状を引き起こすことがあるけれど、フルーツや野菜に含まれるプロビタミンAのカロテノイドは多量に摂取しても有害な副作用は起こらない。
ただし、にんじんのようなβカロテンの豊富な食品を食べ過ぎると「カロテン血症」を起こすことがある。カロテン血症に毒性はないものの、皮膚が黄色っぽくなるのでご用心。
さつまいもの調理方法は?
さつまいもをおいしくいただく方法はたくさん! さつまいもは、身がかたくて(柔らかい部分がない)、表皮がなめらかで、でこぼこしていないものを選ぼう。
新聞などに包んで、乾燥した冷暗所に置けば1週間くらいもつ。冷蔵庫での保存はNG。冷蔵庫に入れると中心部がかたくなって、料理した時に味が落ちてしまう。
さつまいもは、朝食メニューやキャセロール、デザートにも変身! 1週間分作り置きして、食事やおやつに都度加えるのもおすすめ。ちなみに、さつまいもの皮ごと食べると食物繊維を最大限に摂取できるので、ぜひ挑戦してみて。
original text : Jaclyn London,Ms,RD,CDN,Good Housekeeping Institute and Caroline Walder translation : Mutsumi Matsunobu photo : Getty Images
>>『Good HouseKeeping』のオリジナル記事はこちら
※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。