世界中のフーディーが注目! ヘルシーでおいしい、イスラエル料理って?<レシピ付き>
日本でもトレンドとして注目を集めつつある、フムス、ファラフェル、シャクシュカ……。実はいずれも、イスラエルで食べられる中東料理であることをご存知だろうか。いま、フーディーならチェックしておきたいイスラエルグルメを、大使館やお店から習ったレシピと共にご紹介! モダン・イスラエル料理を発信する、イスラエルのスターシェフのお店の情報もあわせてチェックして。
ニュースではよく見るけれど、イスラエルが世界の食シーンを牽引するグルメ大国であることは日本ではまだ知られていない。でも世界を見渡すと、ロンドンのデリカフェ「Ottolenghi」やレストラン「Nopi」で知られる世界的スターシェフのヨタム・オットレンギや、N.Y.でモダン中東料理のトレンドの発信源となったレストラン「Nur」のミール・アドニなど、世界のグルメシーンの最先端には中東料理、そしてイスラエル出身のシェフが。そのヘルシーさも相まって、セレブからも熱烈な支持を集める、魅惑のイスラエルグルメの世界へご案内!
そもそもイスラエルってどんな国?
アジアとアフリカ、そしてヨーロッパの中継地点に位置するイスラエル。立地に加え、歴史的&宗教的な背景も相まって移民の国として成り立ち、さまざまな文化が混ざり合ってきた。
そんな背景を受け、料理もイスラエル料理はフュージョン(多国籍)であることが特徴のひとつ。ローカルに根付くユダヤとアラブの料理に各国から持ち込まれた料理が融合し、オリジナリティのある料理が次々と生まれた。
食文化に影響を与えたこととしてもうひとつ、イスラエルが実は農業大国でもあることも知っておきたいポイント。地中海の恵みを受けた新鮮で質の良い野菜や果物が豊富に揃うため、野菜をふんだんに使ったヘルシーな料理が多いのも特徴。
最近ではヨーロッパの人々を中心にリゾート地としての人気も高まっているイスラエルだが、歴史的名所と合わせて、おいしくて体にいいイスラエル料理も観光客の人気を集めている。
>次ページより、イスラエルの定番グルメをご紹介!
イスラエル版おふくろの味、フムス
イスラエルグルメの代表格として、日本でも流行中のフムスは外せない。フムスは主にひよこ豆を使ったペーストで、低カロリーな上に栄養価が高く、アン・ハサウェイがフムスダイエットで成功したり、レディー・ガガも日頃から好んで食べていたりと、ウェルビーなセレブからも熱烈な支持を集める料理。
イスラエルでは、おふくろの味といえば!な存在で、調理法はシンプルだけど、家庭それぞれでスパイスの種類や比率などにこだわりがあり、外食する際もフムスの味で店の評価が左右されるほど奥深いもの。発祥は12世紀といわれていて、主にピタパンなどと合わせて食べるが、生の玉ねぎと合わせて食べることもあるそう。
>>大使館レシピ「フムス」は次ページへ
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イェルサレムの台所であり、イスラエル最大の市場「マハネ・イェフダ市場(Machane Yehuda Bazar)」にあるフムス専門店「arbes」。地元の人からも愛される人気店。
大使館レシピ:フムスの作り方
■材料【4人分】
ひよこ豆(乾燥)……2カップ
タヒニ(白ごまペーストで代用可)……大さじ1
レモン果汁……2個分
にんにく……3~5片
クミン……小さじ1/3
ベーキングソーダ……小さじ1
パセリ……適宜
パプリカパウダー適宜
塩、オリーブオイル
■作り方
1. ひよこ豆を洗い、塩大さじ2~3杯を入れた2~3リットルの水に漬け、冷蔵庫で一晩浸水する。
2. ひよこ豆を鍋に移し、平らにして5cmくらい被るように水を入れ、にんにくも入れて沸騰させる。沸騰したら弱火にし、ひよこ豆が少しやわらかくなるまで45分ほど茹でる。
3. 2の鍋にベーキングソーダを加え、さらに完全にやわらかくなるまでかき混ぜながら茹でる。豆の皮が浮いてきたらその都度取り除き、ひよこ豆から皮がなくなるまで続ける。茹で上がり、鍋が冷めたら冷蔵庫で2~3時間冷やす。
4. やわらかくなったひよこ豆、にんにくをフードプロセッサーに入れ、茹で汁を少量加えて2分撹拌する。水分が対内容であれば茹で汁を足す。
5. フードプロセッサーに生タヒニを少量追加し、さらに2分撹拌する。残りのタヒニも追加して、少しだけ撹拌する。レモン果汁、クミン、塩適量を加える。器に盛り、仕上げにパセリ、パプリカパウダーを振り、オリーブオイルを好みで垂らす。写真のようにひよこ豆(分量外)をのせてもよい。
大使館レシピ:ファラフェルの作り方
■材料【約75個分】
ひよこ豆……500g
重曹……小さじ2
食パン……2枚
にんにく……4片
パセリ(みじん切り)……1/3カップ
小麦(胚芽)……50g
パン粉……大さじ2
クミンパウダー……小さじ1
コリアンダーパウダー……小さじ1
パプリカパウダー……小さじ1
塩、黒こしょう、揚げ油
■作り方
1.ひよこ豆は重曹を加えた水2リットルに一晩浸す。水を切り、フードプロセッサーで撹拌し、大きなボウルに入れる。
2.パンは水に浸して軽く絞り、にんにく、パセリと一緒にフードプロセッサーで撹拌する。小麦は熱湯に20分浸し、ざるに上げる。
3.すべての材料を混ぜ合わせ、15分寝かせる。手で直径2.5cmほどのボール状に丸め、中温に熱した揚げ油できつね色になるまで揚げる。
4.油を切り、皿に盛り付ける。ピタパンに挟んでサンドにしてもよい。
ベジタリアンでない人にも人気、野菜料理
質の良い野菜をたっぷりと使い、素材の味を生かしたシンプルな調理を行うことはイスラエル料理の真骨頂。ヘルシーで満足感のある野菜料理を、地元の人気店「Sharabic」が伝授!
次ページで紹介するレシピ「グリルなすとざくろ&タヒニソース」は、美食の都パリでフーディーから熱列な支持を集めるモダン中東料理のレストラン「balagan」のシェフが、その味に魅了されてわざわざレシピを習いに足を運び、パリでメニューとして取り入れているという逸品なのだそう。
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山好きが高じて、ワイルドハーブを極めているうちに「一度しかない人生、いろんなことをやりたい」と、ソーシャルワーカーを辞めてお店をオープンした店主のヤコブさん。料理はヤコブさんが厳選したハーブがたっぷりと使われている。「ここはレストランではなく食堂。今度は食を通して人を元気にしたい」と話す。
グリルなすとブラックベリー&タヒニソースの作り方
■材料【2~3人分】
米なす(なるべく大きななす)……2つ
ブラックベリー……適量
タヒニ(白ごまペーストでも可)……約1カップ
レモン果汁……1個分
にんにく(すりおろす)……1片
オリーブオイル、塩
ミント
■作り方
1. 米なすはヘタを切り落とさないように、ヘタの根元に1周包丁で浅く切り込みを入れ、長いヘタの部分は切り落とす。網に米なすをのせ、中火で皮が真っ黒になるまで全体をまんべんなく適宜回転させながらじっくりとグリルする(できれば炭火で焼くとより香ばしく仕上がる)。焼き加減の目安は竹串がすっと入るまで。
2. 米なすの粗熱をとり、皮をむき、器に盛る。
3. ソースを作る。タヒニ、オリーブオイル少々、レモン果汁、にんにく、塩少々をボウルなどに入れ、混ぜ合わせる。水を適宜加えながら、粘度を調整する。
4. 2にオリーブオイル適量をまわしかけ、3のソースをのせる。ブラックベリーをつぶしながら散らし、ミントの葉も散らす。
スターシェフの店①:「Mahaneyehuda(マハネイェフダ)」
ここからはイスラエルを訪れたら絶対に立ち寄りたい、スターシェフのお店を2軒ご紹介。一軒目は、‟いまイェルサレムで最も予約が取れない”と言われる「Mahaneyehuda(マハネイェフダ)」 。ロンドンの「Palomar(パロマー)」やパリの「Balagan(バラガン)」など欧州にも系列店を展開し、いずれもベストレストランとして数々のグルメアワードを受賞するなど、フーディーならぜひ訪れておきたい店だ。
イスラエルの代表料理に、スペインやレバノンの料理のエッセンスを加え、地中海沿岸地域の料理をベースにしたモダンな食体験を提供。陽気な音楽に合わせて、パフォーマンスのようにオープンキッチンで料理を仕上げる様子もホスピタリティにあふれている。
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左:吹き抜けになっていて、2階席もある店内。時間帯問わずいつも満席。 右:6~7品で構成されるランチコース「Tasteing menu」(295シェケル)の一品。ピタパンにたっぷりのハーブをサンドし、ヨーグルトソースをかけた伝統的なクルド料理を現代的なプレゼンテーションで。
Machneyuda(マハネイェフダ)
住所/Beit Yaakov 10, Jerusalem
営業時間/12:30~16:00, 18:30~24:00、金曜11:30-15:00、土曜18:30~24:0
https://www.machneyuda.co.il/homepage
スターシェフの店②:「CASSIS(カシス)」
美しい海が目の前に広がる絶好のロケーションで、魚を中心にした地中海料理を提供する「CASSIS(カシス)」。オーナーシェフのアイェレット・ペリーは、イスラエルでは数少ない女性スターシェフのひとりで、アメリカ・カリフォルニア州で長年レストランを展開していた経歴も。
地中海の新鮮な食材を用いながら、米西海岸のカジュアルなムードも漂う彼女の料理は、海沿いのリラックスした雰囲気にマッチ。オリーブオイルをふんだんに使ったカルパッチョや、地元産の野菜たっぷり使ったイスラエリーサラダなどの品々を、お店自慢のイスラエルワインと共に堪能して。
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左:手前から、酸味が爽やかなヨーグルトソースを添えた、魚介のグリルとフラッドブレッド、スパイシーなチキンスティック。 右上:バーも併設し、夕暮れどきのアペロ利用もおすすめ。 右下:シェフのアイェレット・ペリー。
CASSIS(カシス)
住所/Kedron street 44 Jaffa
営業時間/9:00~23:00 日曜休
http://www.cassis.co.il/en
special thanks : Embassy of Israel