緊急報告! アジアを沸かすBLドラマ、“キュン撃”おすすめ7選【2022年最新版】
配信で今すぐ観れる! タイや台湾はもちろん、日本に韓国まで。アジアは今、BLドラマ花盛り。
もともと日本の漫画や小説のジャンルである“やおい”が源流といわれるBL(ボーイズラブ)作品 。タイ『SOTUS』『2gether』などのヒットを起爆剤に、アジアに巻き起こる熱き旋風は勢いを増すばかり。いち早くタイのBLドラマの沼を発信し、日本におけるブームの火付け役の一端を担ったライター横川良明さんが、最新BLドラマの必見作を緊急ガイド!
-JAPAN-
『高良くんと天城くん』
IMPACTors・佐藤新×少年忍者・織山尚大、ジャニーズ同士が紡ぐ不器用な恋
KADOKAWA が立ち上げたBLファンによるBLファンのためのドラマレーベル・トゥンクとMBSの新枠・ドラマシャワーのコラボ企画、第3弾としてスタートを切ったのが、『高良くんと天城くん』だ。「ダ・ヴィンチWeb」で掲載され、累計1,000万PVを記録した最旬BLコミックを実写化。クラスの一軍に属するクールなモテ男子・高良を「IMPACTors」の佐藤新。地味系可愛いピュア男子・天城を「少年忍者」の織山尚大が演じる。
原作の魅力は、2人のダダ漏れする恋心。天城の一挙手一投足が可愛くてしょうがない高良は、天城が微笑むたびに「KAWAII」と悶絶し、天城が頬を赤く染めるたびに「一生幸せにする」と誓う。一方、天城は高良が夢に出てきただけでつい恥ずかしくなって距離をとるなど純情レベルが天然記念物。2人の相思相愛すぎる平和な日常にニマニマしつつ心癒される作品だ。
-KOREA-
『セマンティックエラー』
陽キャ×陰キャ、正反対な2人のキャンバスラブストーリー
デザイン科の大学4年生・ジェヨン(パク・ソハム)は卒業間近。才能にも恵まれ、洋々たる未来が待っているはずだった。ところが、⼯学部のサンウ(パク・ジェチャン)の杓子定規な性格のせいで、ジェヨンの卒業が取り消されることに。怒ったジェヨンは腹いせにサンウに嫌がらせを始めるが、そんな2人が一緒にゲーム開発をすることになって……。“陽キャ”のジェヨンと、“陰キャ”のサンウ。『セマンティックエラー』は正反対の2人が織りなすキャンパスラブストーリーだ。
まずはジェヨンが繰り出す嫌がらせの数々が面白い。サンウのルーティーンを崩すために、いつも買っている缶コーヒーを買い占めしたり、いつも教室で座っている席を先取りしたり、手口が完全に小学生レベル。だけど、サンウも負けていない。缶コーヒーを箱買いしたり、ジェヨンを避けるためわざわざ衝立を用意したり、普段は感情表現の乏しいサンウがムキになっているさまがなんともラブリー。
そして、私たちは知っているのだ、こういう嫌がらせの数々が、ゴリゴリの恋愛フラグであることを。酒癖の悪い講師にサンウが絡まれているところをジェヨンが助けるシーンは、ザ・王道ラブコメ。その助け方が斬新で、トンチキさとカッコよさが相まって思わず画面の前でのけぞりましたとも! 193cmと177cmという2人の身長差も絵になる。韓国では8月31日より劇場版が公開。日本での公開にも期待したい。
『セマンティックエラー』
WATCHAにて独占配信中
-JAPAN-
『みなと商事コインランドリー』
臆病なアラサー男子とピュアな高校生の、じれったくて甘酸っぱい恋
近年、急増中の国内BLドラマ。その中でポップなときめきとセンチメンタルな情感のバランスが絶妙なのが『みなと商事コインランドリー』だ。ブラック会社での激務に倒れ、故郷に戻り祖父のコインランドリーを継いだアラサー男子・晃(草川拓弥)。平穏な生活を送っていた彼の前に、1人の高校生が現れる。それが、“シン”こと慎太郎(西垣匠)。猛アタックしてくるシンに戸惑いながらも、シンへの好意を否定しきれない晃。じれったくて甘酸っぱい2人の恋の行方を、夏の海と共に描いていく。
本作は、とにかく2人のキャラクターがチャーミング。晃に対してグイグイと迫るシンの強引な年下男子感にドキッとするし、普段はほんわかフェイスなのにヤキモチを焼くと目つきが悪くなるところが高校生らしくて微笑ましい。一方、そんなシンに振り回される晃のジタバタ感と心の声がコミカルで、楽しくスイスイ観られるドラマになっている。
-KOREA-
『To My Star』
無邪気さと繊細さが共存する韓国スターに、心をほどいていくシェフ
とあるスキャンダルに巻き込まれ、マスコミの標的となった韓国のトップスター・ソジュン(ソン・ウヒョン)。世間の目から逃れるため、彼がしばらく身を隠すこととなったのが、無愛想なシェフ・ジウ(キム・ガンミン)の家だった。そんな2人の同居生活を描いたのが、この『To My Star』。人なつっこい愛犬男子とドライな低温男子のカップリングが好きな方に、ぜひオススメしたい1本だ。
何でもお金で解決しようとする芸能人気質のソジュンと、礼儀を重んじる職人気質のジウの相性は最悪。周囲に壁をつくりがちなジウは、人に対してゼロ距離のソジュンのペースに惑わされ、困惑する。だけど、天真爛漫に見えるソジュンの中にはスター特有の孤独と脆さがあって。無邪気さと繊細さが共存するソジュンとの暮らしに、いつしかジウの心もほどけていく。人のニキビを潰すのが好きで、ジウの首筋にできたニキビを見つけては潰させてほしいと懇願するソジュンがちょっとぶっ飛んでいて最高。そして、普段はまったく笑わないジウが、ソジュンとの1 on 1で見せたあどけない笑顔に胸がほっこりする。
1話15分前後で計9話と気軽に観られるボリュームもうれしいところ。口あたりはサクサクしているけど、余韻は甘く濃厚。まさにティラミスのようなラブストーリーだ。さらに2人のその後を描いたシーズン2では、思わぬ展開からスタートするので、こちらもお楽しみに。
『To My Star』
U-NEXT/Rakuten TV他にて配信中
-THAILAND-
『I Told Sunset About You ~僕の愛を君の心で訳して~』
サマソニ出演でも話題! ビルキン&PPクリットが魅せる友情と恋心の繊細な揺らぎ
心が削られるような切ないBLに浸りたい方にオススメなのが、『I Told Sunset About You』。テー(ビルキン)とオーエウ(ピーピー)は幼なじみ。だけど、あることがきっかけで喧嘩別れしてしまう。数年後、大学受験を控えた2人は語学学校で再会。胸に残っていたわだかまりも解け、再び親友同士に戻る。でも、いつしかその友情は恋愛感情へと変わっていって……。
友達が、恋人になる。同性同士の中にある友情と恋心の揺れ動きを丁寧かつビビットに描いた本作。はじめはお互いの恋バナを応援できた。でも、いつの間にか相手が他の人を見つめていることが苦しくなる。胸の中に芽生える、もっとふれたいという欲望。ヘテロセクシュアルであるテーは、男性を愛する自分との折り合いがつけられなくて、何度も苦しみに溺れる。その姿に、観ている私たちまで一緒に溺れてしまう、テーとオーエウだけの深い海に。
2人が初めてキスを交わす場面は、夢のように幻想的。何より、キスに至るまでの時間が愛おしい。もつれ合う視線。遠ざかる唇。避けては追う想い。そして、階段下の秘密の抱擁。それを一連で撮り切る監督の手腕と、BKPP(ビルキン&ピーピー)の全身から狂おしさがほとばしるような演技に、眩暈に似た感動が湧き上がる。続編である『I Promised You the Moon』と共に、永遠に胸に残り続ける至高のラブストーリーだ。
『I Told Sunset About You ~僕の愛を君の心で訳して~』
U-NEXTにて配信中
-JAPAN-
『美しい彼』
萩原利久×八木勇征が刻む、鮮烈な陶酔
どちらかといえばライトな作品が好まれることの多かった国内BLドラマ市場にまったく毛色の違う作風で風穴を開け、シーンを塗り替えたのがこの『美しい彼』(MBSドラマ特区ほか)。吃音症の底辺男子高生・平良(萩原利久)と、孤高のキング・清居(八木勇征)。2人の間に芽生えた感情は、「恋」なんて卑俗な言葉で形容してしまうことをためらってしまうほど気高く尊い。
清居の美しさに魅入られ、その美しさにひれ伏すことを至上の悦びとした平良。その美しさを平良の目で切り取られることに唯一無二の安らぎを覚えた清居。そこに流れる感情に、甘やかさなんてものはないのかもしれない。清居のためなら何を投げ出してもいい。命さえ惜しくないという平良の感情は、献身的というよりももはや暴力的で。平良のすべてを自分のものにしたいのにままならない清居の感情は支配的というよりもはや隷属的で。いくつもの矛盾を孕みながら展開する2人のドラマに私たちはただなぎ倒されるしかない。
-TAIWAN-
『We Best Love 永遠の1位』
人生でいちばん負けたくない男との、人生でいちばんの恋
文武両道の人気者・シューイー(YU)にはどうしても勝てない相手がいた。それが、同級生のライバル・シードー(リン・ズーホン)。シードーがいるせいでシューイーは何をやっても万年2位。しかも失恋して泣いているところをシードーにカメラで撮られてしまう。動画を公にしない代わりに、シードーが出した条件は「俺の雑用係になること」。人生でいちばん負けたくない男との、人生でいちばんの恋が始まった――。
本作の魅力は、何といってもシューイーとシードーの関係性。気が強くてキャンキャン吠える犬系男子と頼れる過保護系スパダリ(スーパーダーリン)の組み合わせが好きな人にはたまらないカップルだ。お気に入りは、夜の保健室で一夜を明かすシーン。残り1袋のラーメンをじゃんけんで勝った方が食べるというのが、この2人らしくてたまらない。