2019年の米国アカデミー賞主演男優賞は、『ボヘミアン・ラプソディ』でクイーンのフレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックの頭上に輝いた。これは初ノミネート初受賞という快挙。
名前が呼ばれると、信じられないといった表情で、劇中でも恋人を演じた現パートナー、ルーシー・ボイトンとキス。
スピーチは冒頭で「信じられない! お母さん大好き!! 」と叫ぶと、「明らかに主演をはる人間ではなかったかもしれません。私よりも遥かに才能のある人たちが、周りにいてくれたからこそ、大きな作品に関わることができました……。自分の声を見出そうとした(フレディは)ゲイで移民でも自分らしく生きようとした、その物語を共有できました。私はエジプト系アメリカ人です。この映画で私自身の物語も語れたのです」と語ると、移民問題で大きく揺れる米国の映画賞だけあって、移民の俳優や歌手が多く出席している会場では、涙する人が続出。
『ボヘミアン・ラプソディ』はクイーンの映画でもあると同時に、セクシュアリティと人種において二重のマイノリティの作品でもあることを喚起したラミのスピーチは見事。2019年はテレビシリーズ「Mr. Robot」も引き続き放映され、待機作も。オスカーを獲得したことでもちこまれる企画も急増するに違いない、彼の今後の活躍を期待したい。