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パリ最新情報「世界遺産モンサンミッシェル、2023年の新プロジェクトを始動!」 Posted on 2023/01/31 Design Stories  

 
フランス・ノルマンディー地方にあるモンサンミッシェルは、首都パリに次ぐ観光名所だ。
その歴史は大変古く、修道院としての建設は966年に始まったが、真の始まりは708年だと言われている。
この時、大司教オベールは夢の中で「この岩山に聖堂を建てよ」と大天使ミカエルからお告げを受けたという。
大司教は最初こそ信じなかったものの、大天使ミカエルがその後3度も夢に登場したことからここに礼拝堂が建てられ、のちのモンサンミッシェルとなった。

長い歴史の中では英仏戦争の要塞となったり、フランス革命時の監獄としても機能していたモンサンミッシェル。
今のように安定した観光地となったのは、2度の世界大戦の後だった。
近年ではパンデミックが客足を遠ざけていたが、2022年には他の観光名所と同様、来場者数において素晴らしい回復を見せたという。

モンサンミッシェルを訪れた人は2022年、129万人を超えた。(コロナ前の2019年は149万人)
しかしながらモンサンミッシェルを管理する「ヘリテージ・モンサンミッシェル公団」は、コロナ前の水準に戻っていない理由を「アジアからの観光客がまだ戻っていないため」だと分析する。
 

パリ最新情報「世界遺産モンサンミッシェル、2023年の新プロジェクトを始動!」



 
フランスにおける多くの観光地は、このようにアジア圏からの旅行者を大いに待ち望んでいる。
モンサンミッシェルもその内の一つになるのだが、2023年にはここに新たな活力を与えるため、いくつかの新プロジェクトが企画されているということだ。

モンサンミッシェル公団が1月26日に発表した内容によれば、まず、モンサンミッシェル斜面の中腹にある元消防署が改築され、「世界的フレンチ・シェフを迎えたガストロノミー」が夏前にオープンするとのこと。
レストランは湾を見下ろせるテラス席が半分、室内テーブル席が半分となり、そこで提供される料理はノルマンディー特産の食材を使ったものになる。
料理長は世界的に有名なフランス人シェフとあったが、報道によればその名前は直前まで秘密、らしい。
 

パリ最新情報「世界遺産モンサンミッシェル、2023年の新プロジェクトを始動!」

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またモンサンミッシェルの修道院では現在、3年の歳月をかけて一部の修復作業が行われている。
しかし年内にはその工事がすべて完了する予定だといい、のちに修道院には300台のタブレットが用意されることになっている。
つまりこのタブレットによって「拡張現実」での見学が可能となり、今後はパンフレットだけでなく、3Dや動画にてモンサンミッシェルが楽しめるということだ。

さらに現地の観光案内所では、荷物を預けるためのロッカーが100個も設置される。
自転車の駐輪場は付近に220台を常設する予定で、自動車に至っては、7月と8月を除き18:30から午前1時までの無料駐車を予定している。(しかし夏の繁忙期は駐車料金がこれまでの+15〜+70%に値上げになる。インフレのためと報じられているが、月によって変動するので公式HPを参照するのが望ましい)

モンサンミッシェル公団の会長、トマ・ヴェルテル氏によれば、このプロジェクトは来場者の「モンサンミッシェル体験」をよりスムーズに、より素晴らしい思い出にするために企画されているという。
 

パリ最新情報「世界遺産モンサンミッシェル、2023年の新プロジェクトを始動!」



 
モンサンミッシェルはどの季節でも美しいが、日の長い夏はやはり一番混雑しやすい。
そのため公団側は、モンサンミッシェルが完全孤島となる「大潮」時期の観光を勧めている。
実は、海に浮かぶ完璧なモンサンミッシェルの姿は、毎日ではなく年に数回の大潮、しかも満潮の時間でしか見ることができない。
なお2023年の近いところでは4月20日〜21日(新月)にかけて、潮汐率は20日夜の満潮時間で102、21日朝で101になる。(潮汐率が100を越すとモンサンミッシェルが海ですっぽりと覆われる)

孤高の修道院でもあったモンサンミッシェルとその湾は、1979年に世界遺産に登録された。
フランスの中では登録年が一番古く、「人類の創造的才能を表現する傑作」として、ヴェルサイユ宮殿と並び国内に49件ある遺産のトップバッターとなっている。(大)
 

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