沙彩さんをクロゼットで待ち伏せ殺害

 東京都三鷹市で私立高3年鈴木沙彩さん(18)が刺殺された事件で、逮捕された無職池永チャールストーマス容疑者(21)=京都市右京区=が「事件当日の午後、鈴木さん宅に窓から侵入し、待ち伏せした」と供述していることが10日、警視庁捜査1課への取材で分かった。ストーカー相談を受けた三鷹署員が事件約20分前に、電話で女子生徒の在宅を確認し、池永容疑者がその応答を「侵入した生徒の部屋のクロゼット内で聞いた」と供述していることも判明した。

 捜査関係者によると、池永容疑者は殺害された生徒宅の2階窓から侵入、1階にある生徒の部屋のクロゼット内で数時間待ち伏せたと供述している。「(生徒宅には)何度も遊びに来たことがある」と話しており、家の中の構造を知っていたとみられる。当時は家族も留守で、窓は無施錠だったとみられる。

 女子生徒は8日午後4時半ごろに電話を受け、約20分後に自宅の外で刺された。捜査1課は、池永容疑者が生徒宅に侵入後、クロゼットの中に隠れ、襲撃の機会をうかがっていた可能性があるとみて調べている。

 捜査1課は10日、殺人と住居侵入の疑いで池永容疑者を送検するとともに、京都市右京区の自宅を家宅捜索し、パソコンなどを押収した。

 池永容疑者は「9月27日に上京し、翌28日に東京・吉祥寺の量販店でナイフを買った」と供述。生徒の傷は、腹部以外は首や肩の右後部に集中していたほか、腕にも身を守ろうとしたとみられる傷があった。池永容疑者が路上で馬乗りになっている姿を見た人もおり、逃げようとするのを背後から執拗(しつよう)に襲った疑いがある。

 池永容疑者は、昨年秋に渡米し、帰国後に交際していた生徒と別れ話をめぐってトラブルになり、携帯電話の着信拒否をされた6月ごろから恨みを募らせていたとみられる。

 また、女子生徒の両親は10日、事件後初めてコメントを発表。「今はただ安らかに天国に送ってあげたい」と心境を記した。さらに「大切に厳しく育てたつもり」などと続け「娘を守る決心をしておりました。しかし、旅立ち神様のみ許(もと)にまいります」と最愛の一人娘を守りきれなかった無念の思いを吐露している。

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