【6】稼げない選手には三くだり半!?

 「藤井かすみのよもやま話・第6回=キャディー」

 今週は試合でのキャディーについてお話ししたいと思います。

 ツアーを見ている方はもうお分かりだと思いますが、キャディーには2種類あります。プロキャディーにバッグを担いでもらうケースと、開催コースのハウスキャディーにお願いするケースです。

 一般的な例でいうとプロキャディーとは1試合7~10万円で契約するケースが多いようです。キャディーはこの金額で交通費やホテル代、食事代などすべての経費をまかないます。他のキャディーとレンタカーや部屋をシェアしたりして経費を節約したりすることもあるそうです。

 そこにプラスされるのが選手の成績に応じたボーナスです。予選通過なら賞金の5%、トップ10に入れば7%、そして優勝すれば10%をキャディーが受け取るのが相場です。予選落ちした選手に賞金は出ないので、キャディーにもボーナスはありません。当然ながらキャディーは強い選手に付きたがりますし、賞金の稼げない選手はキャディーの方から「辞めさせてもらいます」と去っていかれることもあるのです。

 一方、ハウスキャディーは1日1万円が相場です。賞金に伴うボーナスもありません。

 プロキャディーに求めるものは選手それぞれですが、最近は距離の計算やパッティングのラインや風の読み、クラブ選択までアドバイスしてもらう選手が多いですね。ショットを打つ前にキャディーに後ろからアドレスの方向をチェックしてもらっているシーンもよく見ますが、ここまでくると、ちょっと疑問に感じます。プレーの進行の遅れにもつながりますし…。

 私はすべて自分で決めたかったので、キャディーには「黙ってクラブを運んでほしい」と伝えていました。そして判断に迷った時だけ背中を押してくれれば良かったのです。

 なんでもかんでもキャディーにアドバイスをもらうのは、自分がミスした時にキャディーに責任転嫁したいからなのでしょうか。そんなふうにアドバイスばかりもらっていい成績を残しても、達成感があるのかしらと思ったりします。

 ◆藤井かすみ(ふじい・かすみ) 1967年11月30日、山口県岩国市出身。広島・安田女子高時代からソフトボール選手としてならし、東京女子体育短大時代は全日本大学選手権で優勝し、日本代表にも選出。23歳からゴルフを始め、95年にプロテスト合格。01年ベルーナレディースで初優勝を飾り、ツアー通算10勝をマーク。師匠は岡本綾子。夫は競輪選手の高橋健太。現在は兵庫・マスターズゴルフアカデミーでジュニアらを指導。162センチ、64キロ。

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