稲見駅長の鉄道だよ人生は!!

稲見眞一

名古屋の鉄道136年史(明治時代15)明治23年の時刻表。

明治19年(1886年)5月1日、名古屋駅開業。

●明治20年(1887年)頃「謹祝太陰暦新年」水谷嘉三郎、水谷支店

丁度その頃に発行されたと思われる名古屋の地図。肥料販売店さんの発行。新年の挨拶用の配布品と私は考えています。なお赤い線は鉄道ではなく、主要な道路でしょう。

「謹祝太陰暦新年」とあるので、2022年であれば2月1日。参考までに太陰暦から太陽暦に代ったのは明治6年(1873年)から。本来(太陰暦)ならば明治5年12月3日が、新しい暦(太陽暦)では明治6年1月1日となったのですが、それ以降もまだまだ太陰暦を使うことがあったと言うことなのでしょう。

※参考:国立国会図書館 日本の暦

名古屋駅界隈は広小路を除いて何もない。

 

●昭和32年(1957年)8月15日「大日本交通変遷大図鑑 」(時事綜合通信社)

場所も年代は異なりますが、明治20年頃も大体こんな感じだったのではないでしょうか。

●明治23年(1890年)5月16日改正「時刻表」(横井新七) 所蔵:NPO法人名古屋レール・アーカイブス

明治22年(1899年)7月1日に東海道線(新橋駅~神戸駅)が全線開通。この時刻表はその頃の列車の運転状況をうかがい知る貴重な資料です。

当時浜松方面から名古屋に向かう列車は1日4本。3時間以上かけて走っていますが、当時は複線ではなく単線。それゆえか所要時間はまちまちです。

名古屋駅から米原駅方面も1日4本。所要時間は今と比べられるものではありませんが、非力な蒸気機関車ということを考えれば頑張っていたと言えます。

●明治27年(1894年)2月9日「愛知県地理歴史」(川瀬代助 高須広治)

点線が東海道線。当時大都市と言われた名古屋でも、名古屋だけが都市で、そもそも郊外はありません。こうした状況から日本の都市で発展していくのだという歴史の出発点。

時刻表と地図を見比べながら歴史ロマンに浸る。

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