初めてタトゥーを入れるとなれば、不安や疑問があるのは当然。痛みはどれくらいあるのか? 安全なタトゥースタジオをどう見分けたらいいのか? 料金はいくらかかるのか? など、後悔しないためにも必ず確認しておくべきことがいくつかあります。

そこで、一生モノの「タトゥーを入れる前に知っておくべき23のこと」を<セブンティーン>からピックアップ。ビギナーはもちろん、すでにタトゥーが入っている人にも役立つケア方法を紹介します。

【INDEX】


料金はさまざま

タトゥースタジオは、クライアントが選ぶタトゥーのサイズやデザインに基づいて、料金を設定する場合がほとんど。けれど、あなたが初心者だとわかると、中には値段をつり上げてこようとするスタジオも。入れてしまったあとでは交渉は難しいので、スタジオへ行く前に、電話で料金を見積もってもらうといいでしょう。事前にタトゥーの相場に詳しい人に話を聞いたり、不安な場合はスタジオの下見について来てもらったりするなど、前もってリサーチしておくことをおすすめします。

“激安”を求めないこと

たいてい、スタジオが料金表に提示しているのは「最低価格」。たとえば、小さなハートのタトゥーをひとつだけ入れるのであれば、その程度の値段と考えていいでしょう。ただ、いくつかのスタジオを比較して、あまりにも安い料金設定をしているところがあれば要注意。いい加減なところでタトゥーを入れれば、仕上がりに満足できなかったり、感染症を起こす可能性も否定できません。タトゥーは一生身体に残るもの。健康を考えれば、それなりの投資はするべきです。

特別なキャンペーンなどで、「決められたデザイン」を安く入れられる場合もあるかもしれませんが、すべてを格安でやってもらえるわけではないので、評判の良いスタジオやタトゥーアーティストにお願いできるように、お金を貯めることを考えましょう。

名だたるセレブにタトゥーを入れてきたスタジオ「Bang Bang」のアーティスト、キース・マッカーディさんも「好きなアーティストにタトゥーを入れてもらうお金がないなら、“ファストフード”で妥協するのではなく、入れてもらえるまで待つべき。待ったことを後悔することはないけれど、待たなかったことは絶対に後悔することになるでしょう」と言っています。

artist tattooing design on mans leg at studio
Vasily Pindyurin//Getty Images

年齢制限

日本では各都道府県の青少年育成条例などに基づき、18歳(高校生不可)または自治体によって20歳未満へのタトゥーの施術が禁止されています。タイミングに備えてリサーチに専念しましょう。

スタジオを下見する

気になるスタジオを見つけたら、実際に依頼する前にネットの評判をチェックしたり、直接下見に行きましょう。自治体が定めたガイドラインを遵守しているかも必ず確認を。「クライアントにとって居心地のよいスタジオであるためには、清潔であることがとても重要」とマッカーディさん。「施術台をどのくらいの頻度で掃除しているか、施術と施術の間にはどんな掃除をしているか、身体のどんな場所にタトゥーを入れているのかなど、アーティストに聞いてみましょう」。

衛生的なスタジオで入れてもらう

タトゥーを入れることが、“髪色を変えるのと同じ”というわけにはいきません。まさに皮膚に傷を刻むわけですから、きちんとした予防策を取っていない店では、感染症にかかる可能性も。安全を考え、見た目も匂いも、病院並みに清潔なスタジオを選びましょう。

自分の目で確認する

タトゥー針の再利用はさまざまな感染の原因となり、HIVやB型肝炎などの深刻な病気に感染する危険性があります。「使われるタトゥー針が未使用・未開封であること」「新品の使い捨てカップにインクが入れられていること」「(アーティストが)施術中は常に手袋をつけていること」を、自分の目でしっかり確認しましょう。

ざらざらしていない台の上でタトゥーを入れてもらう!

木材などは多孔性の物質で完全に消毒するのは難しいため、タトゥーを入れるときの台としてはふさわしい素材とは言えないよう。「石や大理石のような多孔性物質も、タトゥー台の素材としてふさわしくありません。ステンレス、もしくはステンレスと同じくらい消毒しやすい物質であるべきでしょう」とマッカーディさん。

お目当てのアーティストやスタジオのSNSをフォローする

どこのスタジオにするかが決まったら、そのスタジオやそこで働くアーティストのインスタグラムをチェックして、どの人に施術を頼むかを決めましょう。実際タトゥーを入れてもらった人たちの口コミにも目を通して。

デザインのチェックは念入りに!

タトゥーを入れる前に、デザインの確認は念入りに行いましょう。普通、施術をする前にアーティストは実際の図案を起こして、クライアントと調整を行いますが、特に気をつけてほしいのは言葉のスペル(スペルミスのあるタトゥーを入れてしまう人は珍しくありません。十分ありえる失敗)。変更したいところや気になる点があれば、遠慮せずに伝えましょう。くれぐれも、それが一生残ることを忘れずに!

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Rosie Matheson//Getty Images

インクアレルギーに注意!

人によっては、タトゥーのインクでアレルギーが出ることも。そして、アレルギーが出るとひどいことになる場合も…。どうやって、事前に確認すればいいのでしょうか?

美容皮膚科医でタトゥー除去の施術を行なっているキャメロン・ロクサー博士によると、インクアレルギーは珍しいものではなく「インクの成分に対するアレルギー反応で、ひどい炎症を起こした患者さんを何人も見てきました」とのこと。心配な人はあらかじめパッチテストをするといいそう。「実際インクを『皮膚の下』に入れる場所でテストしてもらい、2〜3週間ほど様子をみてみましょう」。

アレルギーがひどい人は、上記の写真のようにタトゥー周辺に痛みをともなう赤い炎症を発症する可能性が。ただし、医師に処方してもらうステロイド剤や、ヒドロコルチゾン配合の効きめの強い軟膏で治療はできるそう。ちなみに、写真の炎症もそれらの薬できれいに治ったとか。

tattoo allergic reaction rash
Kelsey Stiegman

「居心地が悪い」と感じたらスタジオを変える

たとえば、「デザインのここを変えてほしい」と頼んだのに、上から目線で言い返してくるようなアーティストなら、その人に頼むことはやめましょう。あなたが考えたタトゥーのアイデアを小バカにするようなスタジオで、わざわざ施術をする必要はありません。即、帰りましょう。

そもそも初めてタトゥーを入れるというのは怖いもの。その上さらに神経にさわったり、嫌な思いをさせられるなんて御免です。

「若い女性がタトゥーを入れたくて相談に行って、アーティストに横柄な態度を取られてしまうことは、この業界によくあることかもしれません。まるで、『若い女のアホなタトゥーになんかに、付き合っていられない』と言わんばかりにね。そういうのはフェアじゃないし、クライアントに『そのくらいがまんしろ』なんて僕は言いません。誰か別の『ぜひやりましょう』と言ってくれる人を探したほうがいいと思いますよ」とマッカーディさんはアドバイス。

大きなタトゥーの場合、一度では終わらないことも

大きなデザインやたくさん色を使うものの場合、完成までに何度か施術が必要になり、一度の訪問では終わらない場合も。フルスリーブ(腕全体)であれば、完成までに数ヵ月ほどかかるといいます。一方、シンプルなタトゥー、たとえば小さな黒い星印などはほんの5分で済むとか。完成までにどのくらいの時間がかかるのかもきちんと確認しましょう。

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実際に入れるまでに、最低1年間はじっくり考えて

「タトゥーはずっと残るもの。たとえそのデザイン自体が一過性のものでも、一生モノなんだということを忘れないで」とマッカーディさん。今はクールだと思うものも、その後に変わるかもしれません。だから、そのデザインが何年先も好きだと思えるように、よくよく考えて。忘れないでほしいのは、自分の好みは変わるかもしれないけど、タトゥーはずっと消えないということ。

「タトゥーに飛びつく前に、じっくり考えてほしい」と、ロクサー博士も注意を促します。「思いつきでタトゥーを入れるのはやめましょう。特にお酒に酔っているとき。これでのちのち困るクライアントの話が本当に多いんですよ。あと、そのときの恋人にまつわるタトゥーは絶対にやめた方がいいですよ。必ず後悔することになりますから」。

海辺のバカンスの直前に入れてはダメ

大胆カットの水着の胸元からちらりとのぞく、しゃれた言葉のタトゥー。きっとステキでしょう。でも、タトゥーは入れてから皮膚が癒えて落ち着くまでに、2週間はかかるのです。なので、ビーチに行く直前にタトゥーを入れてしまっていては泳げない(プールの消毒剤も海のバクテリアも入れたてのタトゥーにはNG)し、直射日光にも当たれない(タトゥーは紫外線の刺激に弱く、これは定着してからも同じ)ということに。タトゥーを入れてから2週間は、日光や海、プールは避けて過ごしましょう。

いつかはタッチアップ(手直し)が必要になる

タトゥーはどんなに大事にケアしていても、時間とともに薄くなってしまうのだそう。これは肌が常に生まれ変わっていて、古い層がはがれ落ちるから。なので、やがては再び針を入れて、鮮やかさをよみがえらせる施術が必要に。

「タッチアップ」は最初に施術してくれたアーティスト以外に頼むこともできますが、オリジナルのタトゥーが好きなら、やはりその人のところに行くのが安心。中には無料でタッチアップしてくれるスタジオもあるようですが、多くは料金がかかるよう。通常のタトゥーと同じで、料金はかかる手間により変わってきます。

直射日光にさらされる部分は早く色褪せる

「身体には特に日光に当たる部分というのがあって、その部分は顔料の分解が早いんです」とマッカーディさん。「たとえば腕の外側。ここは一生通してあまり日光に当たらない内側の部分とは、『歳の取り方』が違いますよね。それと同じです」。もし屋外で過ごすことが多かったり、タトゥーが褪せるのが心配なら、手首の内側などあまり日に当たらない場所に入れてもらうことを考えてみて。

タトゥーの場所で痛みも違う

タトゥーを入れるときに、痛まないということはありません。どのくらいの痛みなら耐えられるかは、個人で違います。けれど、一般的には「骨のすぐ上のタトゥー」がもっとも痛むのだそう。足や胸(あばらの上)は、痛みを1から10までの段階で表したときに8くらい、一方で二頭筋上のタトゥーなら4程度に感じるかも。そしてもちろん、タトゥーが大きくなるほど、痛みの続く時間は長くなります。

タトゥーが嫌になった時の対処法

別のタトゥーにカバーする

万が一、入れたタトゥーが10年後に気に入らなくなったときには、タトゥーをカバーアップ(新しいデザインで覆うこと)するという方法も。

その場合、小さいデザインものだと比較的簡単に行えるそう。上手なアーティストなら、新しいデザインでうまく隠して、以前のものがまったくわからないというレベルに仕上げてくれるはず。中にはカバーアップを専門に扱うスタジオもあるほど。気に入らないタトゥーを、一生我慢しなければならないわけではないのです。

レーザー治療で消す

レーザー治療でタトゥーを消すことも可能です。インクの色や強さ、タトゥーのサイズにもよりますが、一度で済むこともあれば何回かかかることも。ちなみにレーザー治療で取りやすいインクの色は青や黒、緑だそう。

「これらの色は感知しやすく、正確に除去しやすい」とロクサー博士。薄めの色、たとえば黄色や白などは、取り除きにくい色だそう。でも、この方法でタトゥーを取り除けたとしても、傷のような跡が残ってしまう場合もあり、かなりの費用がかかると覚えておいて。

除去サービスをしてくれるスタジオもたくさんあるのですが、「彼らは医療のプロではないので、タトゥーを取り除くためにスタジオを利用することは控えてほしい」とロクサー博士は警告。

「『タトゥーの除去がひどく痛かった』なんていう体験談を読んだことがあるかもしれませんが、それは違います。タトゥーを除去することは、実は痛みをともなうものではありません。免許を持った医師がやれば、部分麻酔を施せますから、痛みはゼロですよ。(アメリカでは)サージカル・フィジシャン・アシスタント(手術助手を務めることのできる資格)のような医療職に頼む人もいますが、彼らは医師ではない。つまり麻酔注射を行うことはできないのです」

思い描いたタトゥーを入れるのは難しい

好きな歌詞の一部をごく小さい文字で入れたいとオーダーしても、アーティストに断られる場合があるそう。文字が小さすぎると、時がたつとにじんで崩れてしまう恐れがあるのだそう。アーティストはプロ。彼らが真剣に考えた上でデザインにアドバイスをくれるときには、きちんとその意見を聞き入れましょう。

ヘアの処理が必要な場合も

腕や、特に毛深い部分に入れたいというとき、事前に除毛が必要なこともあるそう。ほとんどのタトゥーには必要ないそうだけど、念のため、スタジオへ行く前に剃ったほうがいいか問い合わせておくのがいいかもしれません。

施術後はむずがゆい

傷が癒えるまでの時期、入れたてのタトゥーは「かさぶたのような感じ」がしてむずがゆいのだとか。でも、絶対にかいてはダメ! かくとインクをはがしてしまい、タトゥーに欠けができてしまうことも(うっかりかいてしまっても、タッチアップで直すことは可能)。

ロクサー博士によると、かくと感染症につながるおそれもあるので、かゆみを感じるときはその部分を軽くたたくいたり、かゆみを抑えてくれるコルチゾン配合のクリームなどを塗ると効果があるとのこと。

入れた直後は長いシャワーやお風呂は控えて

施術後は新しく入れたインクを清潔に保つため、1日3回、抗菌せっけんと水でやさしく洗い、タオルでおさえるようにして乾かすと良いそう。多少の水をかけるのは問題ないけれど、タトゥーを入れた直後に長時間シャワーを浴びたり、お湯につかることはNG。タトゥーをお湯に浸してしまうと新しく形成された皮膚が水で弱くなり、結果として傷が癒えるのが遅れてしまうそう。

たとえば背中など、デザインと位置によってはシャワーが直接当たりやすい部分もあるはず。そのような場合は、シャワーの時間を極力短くし、完全に落着くまではその部分に水がかかるのを最小限に抑えましょう。

この翻訳は、抄訳です。
Translation: 中尾眞樹、Sasaki Noriko(Office Miyazaki Inc.)
SEVENTEEN