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中日・中田翔、「スタンドのファンが自分のユニホームとかタオルを…特別な感情に」闘志に着火

2024年3月3日 05時45分

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 試合は3―6で完敗だが、4番が存在感を見せた。今季本拠地初試合となった2日のヤクルト戦(バンテリンドームナゴヤ)、今季巨人から加入した中田翔内野手(34)が「4番・一塁」で先発出場、4回の第2打席で左前打を放った。2万7827人の大観衆が待望した一発はお預けとなったが、まだまだ調整段階。百戦錬磨のベテランは29日の開幕戦、ヤクルト戦(神宮)までには、きっちり仕上げ、竜の4番としての仕事が期待される。

中田


 いつもと熱が違った。オープン戦にも関わらずバンテリンドームナゴヤに詰め掛けた2万7827人の視線の先には中田翔がいた。
 「スタンドを見たときに自分のユニホームとかタオルとか持ってきてくれているファンの姿をみたときは特別な感情がわいてきた。これは当たり前のことではない。素直にうれしかったし、頑張らないといけないという気持ちになった」。骨をうずめる覚悟でやってきた名古屋の地で背番号6がドラゴンズのユニホームに身を包み、打席に向かった。
 4回2死だった。ヤクルトの2番手吉村の初球149キロ直球だった。「振り出しを早くしたつもりでも、差されてしまった」。それでも振り切った打球はライナーでレフトの前へ。「良いところに落ちた」。オープン戦6打席目にして初安打をマーク。割れんばかりの歓声を浴びたが、そこはまだ冷静だ。「まだボールが速く感じる。体感速度は合っていない。自分の感覚とか距離感を確認しながらやっていきたい」。2回の先頭で回ってきた1打席目は、小川の初球141キロ外角直球を右飛。「外角のキチキチだった。ボール球かなと言うところで外野フライになってしまったけど、コースなりには反応はできた。感覚的には1打席目の方が良かったかな」。オープン戦は残り16試合。開幕に向けイメージとスイングを擦り合わせていく。
 相手のライトはかつての盟友が守っていた。日本ハム時代の後輩の西川だ。前夜は久しぶりに夕食をともにした。「遥輝自身も苦しい思いをしてどん底を味わっての3球団目の移籍。アイツがヤクルトに決まったときも連絡のやりとりをしたしうれしかった。彼らしいヒットを打ってましたし、武器の走塁も久々に見ました。ヤクルトは良いチームだと言っていたしすごくよかった」。ドラゴンズの開幕の相手はヤクルト。「お互いに試合に出られるようにね」と決意を新たにした。
 本拠地に鳴り響いた登場曲は日本ハム時代からおなじみのビーグルクルーの「My HERO」だった。

中田


1打席目は尺が合わず、ファンが「SHOW TIME」と合唱するところまで掛からなかったが、2打席目はバッチリ。中田は「『ショータイム』言ってくれてた⁉ 集中していてちょっと聞こえていなかった」と残念そうだったが、これから幾度となく耳に届くことになるだろう。
 「球場は大きいというのは感じました。でも、嫌いな球場ではないので、そんなに強く意識することはない」。広さを感じさせないスイングを、そして放物線を―。これから何度でも見せてくれ。

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