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常盤貴子さん「能登は第二の故郷。駆けつけたい」 朝ドラ機に交流、大好きな人いっぱい

2024年1月31日 19時47分 (2月2日 17時32分更新)

能登地方への思いを話す常盤貴子さん=東京都渋谷区で

 能登には、私が世界で一番好きな海があります。本当にきれいで、自分が自分を取り戻せる場所。何時間でも眺めていられる。能登はもう第二の故郷のようになっています。大好きな人や、尊敬する人たちもいっぱいいますから。
 能登を訪れたのは、朝ドラ「まれ」の撮影のときが初めてでした。この土地の方々は、がまんづよくて、思いやりがすごい。ロケで乗ったタクシーの運転手さんは「この辺ではどろぼうも出たんだけどね、どろぼうさんも大変やさけぇ」って。なんでどろぼうをしたかまで考えて、心配してあげてるんですよ。
 合間にいろいろなところに足を延ばし、たくさんの人に出会いました。でもいま現地に行くことはかなわないので、ラインやメールなどで状況を聞いています。今朝(31日)教えてもらったのは、避難所ではなく自宅で過ごすのも大変だということ。救援物資が届かなかったり、断水が続いていたり。カップ麺を食べるしかなく、体重が30キロ台になってしまった女性もいます。
 被災地の皆さんは、不安ばかりが募る毎日だと思います。私の知り合いが、場所を提供するからそこへ避難しないかって珠洲市の方に提案したんですけど、みんな動きません。「今の珠洲を見捨てるわけにはいかない」って。集落ごと移るならいいけれど、自分だけ、というのが心苦しい。そうした不安を解消できるやり方があるといいですね。
 私、珠洲焼の応援団長もしているんですよ。昨年の地震で壊れてしまった陶芸作家の篠原敬さんの窯の修復作業を手伝いましたが、後はもう窯入れだけという時にまた被災してしまった。とても心配していたけれど、篠原さんは「負けない」と。それは私の心にも火をつけてくれました。本当は私が応援しなきゃいけないんですけど。また、駆けつけたい。
 被災地の皆さんには今、「がんばって」という言葉を言えるような状況ではありません。だからもう、私の応援の気持ちを押しつけようと思っていて。(能登が復興する未来を)私はあきらめない。それに尽きる。私が、どうするかなんです。あきらめません。小さな力が重なれば、大きな力になると信じて。

 ときわ・たかこ 1972年生まれ、神奈川県出身。「愛していると言ってくれ」(95年)などドラマ、映画に多数出演。能登が主な舞台となったNHK連続テレビ小説「まれ」(2015年)では主人公の母親役を演じた。石川県珠洲市で昨年開催された奥能登国際芸術祭では朗読劇に出演した。

【能登はやさしや 被災地とともに】
「能登はやさしや 土までも」とうたわれる地に生きる人たちへ、ゆかりの著名人からのメッセージを届けます。
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