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照ノ富士「やることを精いっぱいやってきて良かった」3場所連続全休から復帰優勝【大相撲夏場所】

2023年5月27日 21時07分

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寄り切りで霧馬山(右)を下し優勝を決めた照ノ富士

寄り切りで霧馬山(右)を下し優勝を決めた照ノ富士

◇27日 大相撲夏場所14日目(両国国技館)
 勝負が決まると照ノ富士(31)=伊勢ケ浜=は少し目線を上げ、一息ついた。3場所連続全休から復帰した場所で1年ぶりの優勝。「素直にうれしい。やることを精いっぱいやってきて良かったなという思い」と万感の思いを口にした。
 大関とりに挑む霧馬山の挑戦を受けた。取組前の時点で対戦成績は9戦全勝。それでも、春場所で初優勝するなど、めきめきと力をつけているモンゴル出身の後輩のしぶとさに苦しんだ。
 立ち合いで押し込まれ、腰を落として受け止めた。右上手を引いたまま頭をつけ、勝機をうかがう。霧馬山が上体を起こして前へ出ると、横綱はがっちりと左の上手も取った。渾身(こんしん)の力を込めて土俵際へ押し込む。なりふり構わず、ふりほどいた右手で、のど輪攻め。押し出すように寄り切った。
 両ひざ痛などで、春場所まで4場所連続で休場した。復帰へ向けたリハビリに励みながらも、気持ちが切れそうになる時もあったという。「いろんな思いがあった。(昨年の)10月に(膝を)手術してから、一日一日を無駄に過ごしたくないという思いでやってきた。気が抜ける時もあったが頑張った」
 3場所連続全休明けの場所で優勝したのは1989年初場所の北勝海(現八角理事長)以来、34年ぶり3人目。その理事長は「(自身は)相撲勘がどうか分からず不安だった。勝っても自信がなかなか。(照ノ富士は)精神的にもやっぱり横綱ですよ。よく頑張ってくれた」と苦難を乗り越えた横綱をたたえた。
 親方をはじめ、周囲への感謝も忘れない。「親方やおかみさんがいないと今の自分はない。一つの優勝くらいでは返せないくらいの恩を感じている」。2021年九州場所から続く一人横綱の自覚は十分。名古屋場所でも強い姿を見せる。
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