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パはソフトバンク、セは阪神を推す声多く… 中日OBの本紙評論家8人が今季の順位を予想

2023年3月29日 10時14分

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岩瀬さん、川上さん、吉見さん、今中さんの順位予想

岩瀬さん、川上さん、吉見さん、今中さんの順位予想

  • 岩瀬さん、川上さん、吉見さん、今中さんの順位予想
  • 彦野さん、井上さん、井端さん、福留さんの順位予想
【岩瀬仁紀さん・中日投手陣は12球団一、攻撃に課題】
 近年のセ・リーグの順位予想は難しい。どのチームも流れ次第で上位にも下位にもなる要素がある。
 中日は2位に予想した。投手力は12球団一と言っていい。課題はやはり攻撃面だ。得点力不足を改善できないことにはさらなる上は目指せない。そういう意味で新外国人のアキーノに期待したい。注目していた新人・田中の負傷離脱は痛いが、石川昂が戦列に戻れば楽しみは広がる。
 阪神が優勝に近いとみる。投手陣がいいし、中軸の大山、佐藤輝もそれなりに結果を出すだろう。投打のバランスはいい。3位にしたDeNAは打撃面は心配いらない。投手陣もそこそこそろっているし、メジャー出身のバウアーが実績通りに働けば優勝まである。
 ヤクルトは今季は投手で苦労しそう。特に先発のやりくりに苦労するのではないだろうか。巨人も投手陣は苦しいように感じる。広島は投打ともに上積みがないと苦戦するのではないだろうか。
 パ・リーグはソフトバンクに注目したい。大型補強で戦力強化できたのは強みだ。

【川上憲伸さん・竜の二遊間が固まらない状況、やや不安】
 優勝を予想した阪神は層の厚さが目立つ。新人の森下に使えるメドも立ち野手陣も他球団であればレギュラーとして働ける選手がベンチにいる布陣。新外国人のノイジーも期待感を抱かせているだけに、安定感のある投手陣を含め大崩れせずにペナントレースを運べるのではないだろうか。
 DeNAにも同じことがいえるが、打線の派手さや破壊力はこちらがやや上か。WBCでも奮闘した牧が真の4番としてどっしり座り、佐野、オースティン、宮崎が固める打線はやはり他球団にとって脅威。阪神もDeNAも、搾り出して選手を起用するという苦肉の策にならない点が強みだ。巨人は投打ともにやや劣るが、盟主としての意地もあるだろう。
 中日は投手陣こそ安定感はあるが、二遊間が固まらない状況と低調な打線はやや不安。近年の野球は打線が点を取っていかないと、苦しいペナントレースを余儀なくされる。打線が勢いをつけ大型連勝が年に4、5度とあるが、打線が弱いとその回数は激減。ここがなかなか上位にいけない苦しさだろう。

【吉見一起さん・アキーノ次第で優勝も6位もある】
 セは総合力で阪神の優勝と予想した。キャンプを視察したが、投手はレベルが高く、打線は点を取れる。昨年まではやや緩い部分があって隙があったが、岡田監督はいるだけで締まる。青柳と抑えが計算通りに働けば、穴は少ない。
 中日は大野雄、柳、小笠原の3枚が計算できる上に、涌井と高橋宏もいる。去年より取りこぼしは減るとみる。打線はアキーノ次第で優勝もあれば、5位、6位もある。ただ、アキーノとビシエドが並ぶ打線は、相手投手にとっては神経を使うので厄介だろう。周平も練習を見ていても雰囲気は悪くない。
 ヤクルトは、やはり3連覇は簡単ではないと思う。村上を筆頭に去年は打線が機能したが、毎年そううまくはいかないのではないか。DeNAは投手力と打力を考えれば優勝を狙えるチーム。巨人は、けがの菅野を含め投手力に不安がある。
 パはオープン戦を見てもオリックスが強い。吉田正は抜けたが、チームのマネジメント力がある。ソフトバンク、楽天、西武を含めた4チームが抜けている印象だ。

【今中慎二さん・救援陣、勝野が役割を果たせるなら心配ない】
 最近のセ・リーグはどのチームも決め手がなく、予想が難しい。
 中日はAクラスを期待できる。投手陣がいい。救援陣の層が気になっていたが、勝野が役割を果たせるようなら心配ない。鍵は打撃。得点力不足解消へいかに速球に対応できるかだ。二遊間の不安要素もあり、優勝できるとは言い切れない。
 DeNAは昨季も優勝を予想した。投打ともに戦力は整っているのが理由だ。要所で勝負弱さが出て勝ちきれない印象はあるが、バウアーがメジャーの実績通り活躍するようならかなり強い。
 阪神は投打のバランスが取れている。新人の森下も活躍できそうで、大崩れはないだろう。昨季のようなことはない。
 リーグ3連覇を目指すヤクルトは投手陣が不安。巨人は若手がもっと出てこないと苦しい。菅野が開幕に間に合わないのも痛い。広島は先発の人数はいるが、抑えの栗林へつなぐための救援陣が手薄なのが気になる。
 パ・リーグは上位と下位でやや力差がある。ソフトバンクは救援陣にやや不安はあるが、全体で見れば強力だ。

【彦野利勝さん・龍空2番、大島6番で変化期待】
 ヤクルトの3連覇は厳しいと見る。計算できる投手が少ないし、打力勝負のチームは打てなくなるとしんどい。やはり、投手力が備わっているチームは上に行くと思う。
 優勝の一番手は巨人。外国人次第の面はあるが、菅野に不安があっても、戸郷がいるし、左右の先発投手もそれなりにいい。打線はWBCで活躍した岡本和がシーズンでもやりそうだし、丸はキャンプを見て活躍すると感じた。坂本も開幕すれば復活するのではないか。盟主だけに、そろそろ勝たないといけない。
 中日は周平が打線の鍵を握る。3番でどれだけの仕事ができるか。あとは龍空。けが人の影響でチャンスをもらった形だが、これは龍空が持っている運なのかもしれない。龍空が2番に入って、大島がアキーノ、ビシエドの後の6番を打つようになれば打線が変わる。スタートダッシュとまではいかなくても、対戦が一回りした時点で貯金があれば乗っていける。
 パは近藤が加わったソフトバンクの打線が締まった印象がある。オリックスは吉田正の抜けた穴が大きい。

【井上一樹さん・涌井はイニングを「つぶせる」存在】
 心情的には中日を1位にしたいし、優勝してほしい。ただ現実を冷静に見て考えると、3位にせざるを得ない。
 チームとしては立浪監督が決意、決断を重ねて若手を成長させようと取り組んでいる最中。ステップアップをしている状態であり、昨年の最下位からいきなり優勝というのは現実的には非常に困難だ。
 昨年までと比べると希望を持てる陣容にはなってきた。投手陣では小笠原の成長、期待の高橋宏の存在、また涌井の加入も大きい。プロ野球の現場ではイニングを「つぶす」という表現をよくするのだが、涌井はこの「つぶす」役割を果たしてくれる。多くのイニングを投げてくれるのは、ある意味勝ち星以上に大きな働きとなる。
 新たに加わった二遊間の新人、外国人選手たちが起こす変化にも期待したい。刺激を与え、チームに化学反応を起こせば戦力アップを促すし、野手陣も面白くなる。
 いずれにせよ、今年は段階を踏んで徐々に地力をつけていくシーズンになる。成長を見守っていきたい。

【井端弘和さん・石川昂の早期復帰で打線に厚み】
 阪神を優勝に推した理由は投打のバランスが最も取れている点だ。投手陣は質量ともに豊富。かつてJFKを構築して勝ち方を熟知した岡田監督が、この投手陣をうまくやりくりしていくのではないだろうか。攻撃陣に関しては将来的なことも見据えて、大幅に野手をコンバート。佐藤輝を三塁、大山を一塁、中野を二塁に据え、刺激を与えたことで活性化するのではないか。そして昨年はいないに等しかった外国人もノイジーはある程度の計算が立つと見た。
 巨人は外国人投手の状態の良さもあり、打線の安定感もあるから大崩れはないと判断。中日に関しては優勝争いをできるだけの位置にはいる。先発、救援陣と投手陣に限れば12球団屈指。特にロドリゲス→マルティネスの8、9回は盤石で先行逃げ切りの形に持ち込めれば、かなりの白星を拾える。経験のない若手が守るであろう二遊間にやや不安は残すが、石川昂が早めに復帰できるなら打線の上積みも期待できそうだ。2連覇中のヤクルトは投手陣の不安が残り4位に。パは日本ハムが台風の目となる。

【福留孝介さん・立浪監督の非情さ見えてくるはず】
 阪神は投手力が強いのに加え、岡田監督が守備力を重視して固定起用しようとしている。経験者が多く、得点力はある程度見込めるので。
 対照的にDeNAは打力はAランク。投手力がはまれば、間違いなく上位に食い込む戦力を有している。
 中日は若手起用を前面に押し出した昨季とは違い、勝利にこだわっている。立浪監督の非情さも見えてくるはず。投手力の良さはわかっているので、いかに点を取るかに尽きる。
 3連覇をねらうヤクルトは選手の経験値は群を抜くが、不安要素は2年間、最後まで試合をしたことによる疲労の蓄積。巨人は主力選手にベテランが多く、新しく獲得した外国人への依存度が高い。未知数な半面、はまれば一気に上位浮上が見込める。
 ソフトバンクは元々の戦力が豊富な上に、大型補強に成功した。あとは普通にやれば…。
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