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【森喜朗元首相に聞く】新幹線「政府与党で関係会議を」

2023年3月19日 05時05分 (3月19日 19時49分更新)
北陸新幹線の敦賀延伸や以西の整備について語る森喜朗元首相=東京都内で

北陸新幹線の敦賀延伸や以西の整備について語る森喜朗元首相=東京都内で

 北陸新幹線の整備をけん引してきた森喜朗元首相が本紙のインタビューに答え、着工が先送りされた敦賀以西の整備について「政府与党で関係会議をつくり、京都、大阪の関係者も集め、改めて敦賀以西問題をどうするか、忌憚(きたん)のない意見を交わしていく必要がある」と述べた。既に確定しているルートの再考にも言及し、敦賀からも五十キロと近く、建設コストが抑えられる米原(滋賀)への接続が現実的との見方も示した。
 京都では環境影響評価(アセスメント)への反対が根強く、地下水への影響や大量の建設残土などへの課題が残る。森氏は「歴史ある京都。地下の掘削は難しく、なかなか合意形成もできないのではないか」と話した上で「米原じゃないと難しいだろう」と語った。敦賀−新大阪のルート上にある小浜(福井)については基本計画にとどまっている山陰新幹線と将来的に接続させる方法もあると指摘。「大きな政治判断になるが、今までの整備新幹線の延長ではなく、新しい新幹線の在り方を国全体で考えるべきだ。馳浩知事も水面下で積極的に調整に動いているが、北陸新幹線をどう生かすか、国会議員がイニシアチブを取って進めていく時だ」とも述べた。
 敦賀以西を巡ってはアセスの手続きに遅れが生じ、沿線自治体が求めた二〇二三年度当初の着工が先送りされ、別枠で施工上の課題を解決するための調査費が二三年度の政府予算案に計上された。
 「米原」再考論がくすぶる石川県議会では、一五年十月に建設費が安く、費用対効果が最も大きい「米原ルート」の早期実現を国に求める決議案を賛成多数で可決した経緯がある。その後、JR西日本や経済界などが関西への所要時間が短く、旅客需要も大きい「小浜・京都ルート」を支持し、一六年十二月に決まった。 (田嶋豊、写真も)

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