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同じ中学出身、3選手が箱根駆ける 愛知・田原東部中→仙台育英

2022年12月26日 16時00分 (2月24日 11時29分更新)

2019年の全国高校駅伝で仙台育英高の優勝に貢献し、愛知県田原市役所を訪れた(左から)吉居駿恭選手、白井勇佑選手、吉居大和選手=2020年1月


 来年1月2、3日に行われる東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)に、愛知県田原市の田原東部中学校出身のランナーが3人そろって出場する。ともに中央大の吉居大和選手(3年)、駿恭(しゅんすけ)選手(1年)の兄弟と東京国際大の白井勇佑選手(2年)だ。小学生の時に地元の陸上チームで出会い、3人とも陸上強豪の仙台育英高校(宮城県)に進学。「負けられない」。長年のライバル関係を意識しながら、大舞台に臨む。
 3人は2016年度の1年間、中学の陸上部で所属期間が重なっており、タイム走などで切磋琢磨(せっさたくま)してきた。白井選手と駿恭選手が在籍時には、全国中学駅伝に出場した。
 

出雲駅伝でアンカーを務め、3位でゴールする中大の吉居駿恭選手=10月10日、出雲ドーム前で

好ランナーが同じ中学から輩出される理由について、当時、陸上部の監督だった上田幸輝教諭(43)は、元実業団ランナーで陸上部の指導を手伝っていた吉居兄弟の父誠さん(53)の存在を挙げる。
 中学時代に過度な練習が原因で膝などの故障に悩まされた誠さんは「無理をさせず、走行距離を1週間50キロまでに」と上田教諭に依頼。タイム走の本数も限定し、基礎体力は市内のプールで水泳をして補った。
 年下ながら好タイムを連発する駿恭選手に「負けても仕方ない」と思っていた白井選手。誠さんが白井選手の得意とする800メートルで駿恭選手と競わせると、見事に先着した。
 これをきっかけに白井選手は自信を付け、2人は互いをライバル視するように。その後、大和選手がいた仙台育英に進み、19年に全国高校駅伝で優勝を手にした。

箱根駅伝に向けて調整する東京国際大の白井勇佑選手(中央)=東京国際大坂戸キャンパスで(同大提供)

 ライバル関係にある3人だが、普段は仲良し。白井選手が高校1年の時に親元を離れた寂しさから寮で泣いていると、大和選手が「俺も寂しい時あったから大丈夫、すぐ慣れる」と励ましたこともあった。
 今年の箱根駅伝で15年ぶりに1区の区間記録を塗り替え、注目される大和選手。「駿恭ら1年生からすごく刺激を受けている」と今年も上位を目指す。1年生ながら名門チームの出場選手に名を連ねた駿恭選手は「良い成績で走って、3人が田原東部中だったことを広めたい」と憧れの舞台での活躍を誓う。
 出雲駅伝で区間8位の力走を見せた白井選手も、初出場となる箱根駅伝に「2人に負けたくない一心でやってきたが、今はワクワクしている」。上田教諭は「教え子が3人も出場してくれてうれしい。チームの中心として持ち味を出し切ってほしい」と号砲を心待ちにしている。
 (加藤壮一郎)

箱根駅伝の1区で、先頭を走る中央大の吉居大和選手(右)=1月2日、東京都港区で


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