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ICT活用 アイデア次々 富山・小見地区 関係人口増やすには

2022年12月5日 05時05分 (12月5日 10時35分更新)
関係人口を増やすにはどうしたらいいのかアイデアを出し合う参加者=富山市小見の小見地区コミュニティセンターで

関係人口を増やすにはどうしたらいいのかアイデアを出し合う参加者=富山市小見の小見地区コミュニティセンターで

  • 関係人口を増やすにはどうしたらいいのかアイデアを出し合う参加者=富山市小見の小見地区コミュニティセンターで
  • アイデアソン終了後、来年1月のハッカソンに向けて気合を入れる会場とオンラインの参加者と市職員ら=富山市小見の小見地区コミュニティセンターで

住民、エンジニアら議論

 まずは「観光以上、移住未満」の関係人口を増やそう−。中山間地域に該当する富山市小見地区が抱える課題や生活の困り事を、情報通信技術(ICT)を使って解決しようと、同市小見地区コミュニティセンターを拠点に三日、地元住民と公募した県内の会社員や大学生、全国のエンジニアらがオンラインを介してつながる催し「アイデアソン」が開かれた。小見地区に足を運んで地域一帯に愛着を持ってもらうためアイデアを出し合った。 (西川侑里)
 富山市が本年度から始めた事業「里山地域ハッカソン」の一環。小見地区の自治振興会役員ら地域住民十二人と、県民十七人、全国から十一人の計四十人が参加した。最初に、山森潔会長(74)が地元の紹介ビデオや手作りのスライドを見せながら「かつては三カ所のスキー場を中心とする一大リゾート地だったが、今は人口減少に悩んでいる」と打ち明けた。
 続いて、八人ずつの五グループに分かれた。地元の特徴を「時間、空間、人」の三項目に分けて紙とウェブ上の付箋にびっしりと書き出し、「東京にいる富山県民の親戚」「芸術家」といった小見地区に来てくれそうな人たちの層と組み合わせていった。
 「登山ファンらをターゲットに、登山と草刈りを組み合わせた聖地を作る」といった斬新かつ具体的なアイデアが続々と出た。「大自然の中で子どもたちの感性を育てながら、大人がサウナと水風呂でデトックスできる催しを企画する」という案は「移住・定住にもつながりうる。さらに深掘りできそう」と講師陣が講評した。催しの広報などあらゆる場面でICTの活用が考えられるという。
 自身が勤める会社の呼び掛けに手を挙げた、射水市の情報通信業中村浩之さん(42)は「自分の班はダムや橋などインフラに興味を持っている人が多くて、見方によっては面白い資源になると気付いた。すごくいい刺激になった」と振り返った。山森会長は「関係人口増加に向けて元ネタがまとまった」と話し、手応えを感じた様子だった。
 来年一月二十七〜二十九日には、「ハッカソン」として、全国に散らばる今回の参加者が実際に小見地区に滞在して、グループごとに地域を歩き回りながらアイデアを形にしていく。それまでに各グループで案をまとめる。
 一連のイベントは、全国で同様の支援を行う一般社団法人コード・フォージャパン(東京)と連携している。市によると、本年度の成果次第で、来年度以降も他の中山間地域を対象に継続を見込む。
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